日本の文学賞

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宝石賞 ほうせきしょう

第13回(1960年)

推理小説評論

受賞者

6名
藤木靖子 ふじき やすこ 一席
女と子供

藤木靖子の推理短編。女性と子どもという日常的な関係を題にしながら、家庭や社会の内側に潜む不穏さを犯罪小説の形で描く。

家庭的な題名の奥に、静かな不安と推理小説の影が潜んでいる。

推理短編家庭女性と子ども不穏な日常
吉田千秋 よしだ ちあき 二席
カックー・カックー

吉田千秋の推理短編。鳥の鳴き声のような題名が印象的で、反復する音や合図を手がかりに、不思議な出来事の奥にある心理や事件性を浮かび上がらせる作品と考えられる。

カックーと響く反復音が、奇妙な出来事の裏側へ読者を誘う。

推理短編音の手がかり奇妙な出来事心理
藤井礼子 ふじい れいこ 佳作

茶の湯の初釜を思わせる静かな題名の奥に、日常の礼法や人間関係のずれを忍ばせた短篇ミステリー。藤井礼子が宝石賞に投じた初期作で、のちの探偵小説選に収められた。

端正な場面設定の内側に、静かな不穏さが立ち上がる。

368ページ
短篇ミステリー茶の湯人間関係
猪股聖吾 いのまた せいご 佳作
紙屑は屑籠に
土岐到 とき いたる 佳作

奇術師という人物像を通じて、見せかけと現実の境界を扱う幻想味のある短篇。後年の怪奇アンソロジーに収められ、宝石賞佳作にとどまらない再読の機会を得ている。

仕掛けられた見世物の裏側に、現実のゆらぎがのぞく。

249ページ
幻想小説奇術怪奇
縄田厚 なわた あつし 佳作
意志の声