宝石賞 ほうせきしょう
第15回(1962年)
推理小説評論
受賞者
5名
死にゆくものへの釘
田中万三記の短篇探偵小説。題名の鋭さから、死に向かう人物や事件の不可避性を、暗いユーモアと謎で描く作品として受け止められる。
死へ向かうものに打ち込まれる釘のような、冷たい謎を置く短篇。
短篇ミステリ死不条理宝石賞
新羽精之の短篇ミステリ。奇妙な味の作家としての資質が見える作品で、進化という科学的な言葉を、犯罪や人間心理のねじれへ接続する。
進化という理屈が、人間の奇妙さを照らし出す異色短篇。
320ページ
奇妙な味短篇ミステリ科学心理
或る情事の果て
後藤幸次郎の短篇探偵小説。情事の終わりを題名に置き、恋愛関係のもつれが事件や破局へつながる過程を描く作品とみられる。
情事の果てに残るものを、ミステリの形でたどる短篇。
短篇ミステリ情事破局心理
天藤真の初期短篇。会社帰りの電車で偶然再会した男たちの腐れ縁を、軽妙さと不穏さを交えて描く。
再会した旧友たちの友情が、どこか怪しい方向へ転がっていく。
414ページ
友情ユーモア短篇ミステリ再会
死後経過約二時間
来栖阿佐子の短篇探偵小説。死後まもない時間を題名に据え、死亡推定時刻や現場の違和感をめぐる謎を扱う作品とみられる。
死後まもない現場に残された違和感から、事件の輪郭を探る短篇。
短篇ミステリ死亡推定時刻犯罪宝石賞