日本文学大賞 にほんぶんがくたいしょう
円地文子の短編集で、表題作のほか「狐火」「蛇の声」を収める。老い、記憶、女の情念、霊的な気配が絡み、現実と幻想の境目を静かに揺らす。
この世に残る思いが、女たちの記憶を通ってかすかな霊気を帯びる。
広島で被爆した女性画家と、彼女に惹かれる男、同居する女性をめぐる長篇小説。愛と死、記憶と創作が複数の時間軸で交錯し、戦後文学の重い主題を緻密な構成で描く。
絵の中の島は、愛する者たちを死と記憶の中心へ引き寄せる。