日本の文学賞

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毎日出版文化賞 まいにちしゅっぱんぶんかしょう

第65回(2011年)

文学・芸術部門人文・社会部門自然科学部門企画部門特別賞

受賞者

5名

山城むつみがドストエフスキーの主要作品を、二葉亭四迷やバフチン、日本近代文学との関係も視野に入れて読み解く大部の評論。地下室的な反抗、罪と罰、復活、家族と信仰をめぐる問いを、精密な読解でたどる。

ドストエフスキーの小説の奥で、反抗する声と救いを求める眼差しが交差する。

549ページ
ドストエフスキー文芸評論ロシア文学近代文学
開沼博 受賞

福島がどのように原子力発電を受け入れ、「原子力ムラ」と呼ばれる構造を形成していったのかを、戦後成長、中央と地方、地域社会の依存関係から分析する社会学的研究。事故後の感情論に回収されない、長い歴史の構造を問う。

福島を「フクシマ」にしたものを、戦後日本の成長と地方の構造から問い直す。

412ページ
原子力ムラ福島戦後成長地域社会
松沢哲郎 受賞

チンパンジー研究を通して、人間の心の起源と「想像する」能力を考える科学エッセイ。アイ・プロジェクトや野生チンパンジーの観察を背景に、絶望や希望、助け合い、親子関係を、人間と隣人である類人猿の差異から見つめる。

チンパンジーを見つめることは、人間の心の輪郭を見つめ直すことでもある。

240ページ
比較認知科学チンパンジー心の進化想像力
戸沢充則 受賞

『遺跡を学ぶ』は、一遺跡一冊を基本に、発掘の成果と地域の歴史を一般読者へ伝える新泉社の考古学シリーズ。戸沢充則監修のもと、第一線の研究者が遺跡ごとの調査過程、発見、学術的意義を平明に解説する。

ひとつの遺跡から、地域の時間と考古学の方法が見えてくる。

考古学遺跡発掘調査地域史
北方謙三 特別賞

北方謙三の『水滸伝』に続く全15巻の大河小説。梁山泊陥落から三年後、生き残った者たちは各地に潜み、楊志の遺児・楊令の帰還を軸に再起と新たな国づくりへ向かう。戦、交易、理想と現実が大きな歴史の流れを形づくる。

梁山泊の残党は、楊令のもとで再び歴史を動かそうとする。

352ページ
歴史大河水滸伝梁山泊国家と理想