日本の文学賞

← 日本推理作家協会賞に戻る

日本推理作家協会賞 にほんすいりさっかきょうかいしょう

第14回(1961年)

推理小説

受賞者

2名
水上勉 みずかみ つとむ 受賞

水上勉の『海の牙』は、海辺の町と社会の暗部を背景に、事件の背後へ沈んでいく人間関係を描く長編推理小説である。社会派推理の色合いを持ちながら、土地の匂いと人間の痛みを濃く残す。

海の匂いの奥に、事件を生んだ社会のひずみが見えてくる。

286ページ
社会派推理海辺の町人間関係戦後社会
笹沢左保 ささざわ さほ 受賞

笹沢左保の『人喰い』は、凶悪な事件を入口に、人の心にひそむ暴力性と欲望を暴き出すミステリである。硬質な語り口と不穏な題名が、読者を暗い心理の奥へ誘う。

人を呑みこむのは怪物ではなく、人間の奥底にある闇かもしれない。

291ページ
犯罪心理欲望暴力戦後ミステリ