日本の文学賞

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野間文芸賞 のまぶんげいしょう

第7回(1954年)

純文学小説戯曲評論

受賞者

3名
川端康成 かわばた やすなり 受賞

『山の音』は、川端康成が戦後の鎌倉を舞台に、老いを感じ始めた尾形信吾の視点から家族の揺らぎを描いた長編小説である。息子夫婦の不和、出戻った娘、嫁への複雑な感情が重なり、静かな自然描写のなかに死の予感と戦後家族の崩れを浮かび上がらせる。

夜の山から響く音は、老いと死、そして家族という幻想のほころびを静かに告げる。

400ページ
老い家族の崩壊鎌倉嫁と舅戦後文学
舟橋聖一 ふなはし せいいち 候補

舟橋聖一の長編歴史小説。幕末の大老・井伊直弼を中心に、開国をめぐる政治の緊張、彦根藩の世界、桜田門外の変へ向かう時代を描く。

幕末政治の激動を背景に、井伊直弼の生涯と、その決断に翻弄される人々の運命を描いた歴史小説。

441ページ
幕末井伊直弼開国歴史小説
佐藤春夫 さとう はるお 候補

『晶子曼陀羅』は、佐藤春夫による伝記的小説。与謝野晶子、与謝野寛、山川登美子をめぐる詩と愛の関係を、佐藤自身の明星派への親近感と深い共感を通じて描く。近代短歌の熱と人間関係の陰影を重ねた作品で、佐藤春夫晩年の代表的な文学的評伝である。

晶子、寛、登美子の詩と愛が、近代短歌の曼陀羅のように交差していく。

324ページ
与謝野晶子近代短歌文学的評伝明星派