新潮新人賞 しんちょうしんじんしょう
第56回(2024年)
純文学小説
受賞者
2名同じ部署の三人が近頃欠勤を繰り返し、その分仕事が増える「私」はイライラが頂点に達する。ある日、三人のうちの一人、先輩女性の下村さんから三角関係の事情を知らされ、恋人を取られたのに弱っているのか開き直っているのか分からない下村さんの気ままな「ダンス」に翻弄されていく。不可視で不可侵な他者の内面と向き合いながら、職場という閉じた空間での人間関係のもつれを一人称で描いた新潮新人賞受賞作。
今日こそ彼らに往復ビンタ。もやもやはびこる職場と私を描く芥川賞候補作。
128ページ
職場人間関係三角関係他者の内面感情の不可視性一人称小説
さびしさは一個の廃墟
建築学科の大学院生であり、男性向けの性的サービスのアルバイトをするレンが、東京から奄美大島に移住し観光ガイドをするなかで経験した出来事を描く。指導教員との歪んだ関係、奄美の方言や島唄、英語・中国語などの異言語が入り混じった、独特の色気ある語り口が高く評価された純文学作品。タイトルは島尾敏雄のエッセイからの引用。
ぼくはへやから海へ下りてゆく。それはほんの、ぼくのへやの、玄関から345歩のところに始まっている。
150ページ
さびしさ廃墟奄美大島多言語島唄建築身体性喪失アイデンティティ