日本の文学賞

← 多喜二・百合子賞に戻る

多喜二・百合子賞 たきじゆりこしょう

第12回(1980年)

民主主義文学

受賞者

2名
吉開那津子 よしがい なつこ 受賞

吉開那津子の長編小説で、労働運動と政治的対立のただ中にいる人びとの生活を、群像として描く作品である。組織や路線の衝突を観念だけで扱わず、働く人びとの家庭、職場、貧しさ、迷いを重ねながら、時代の緊張が高まる局面を描き出す。

生活の細部と組織の対立が交差し、時代が動き出す前夜の空気が濃くなる。

367ページ
労働運動民主主義文学政治的対立群像劇生活と思想
古沢太穂 ふるさわ たほ 受賞
捲かるる鴎

古沢太穂の句集『捲かるる鴎』は、社会性俳句の系譜に立つ作者が、海や労働、戦後の記憶を硬く抒情的な句に結晶させた作品である。鴎の像には、風に巻かれる身体感覚と、時代の波に抗う視線が重なる。

風に捲かれる鴎の姿に、戦後俳句の社会的なまなざしと抒情が重なる。

243ページ
社会性俳句労働戦後抒情