日本の文学賞

← 横溝正史ミステリ&ホラー大賞に戻る

横溝正史ミステリ&ホラー大賞 よこみぞせいしみすてりあんどほらーたいしょう

第45回(2025年)

ミステリホラー

受賞者

3名
綿原芹 わたはら せり 大賞

若狭の港町に伝わる人魚伝説を舞台に、「圧倒的な美しさ」をめぐる怪異と人間の業を描く連作短編集。高校時代に「私、人魚かもしれん」と秘密を打ち明けた同級生・水嶋の記憶とともに、人魚の血がもたらす美貌と呪いの連鎖が四つの物語で紡がれる。ミステリとホラー両面を備えた著者・綿原芹のデビュー作。

「目の前にいるのは本物の魔だ。恐ろしいのは、そう思っているのに抗いがたい魅力を感じていることだ」

256ページ
人魚伝説美と呪いルッキズムホラー怪奇若狭八百比丘尼連作短編
雨宮酔 あまみや すい 読者賞

精神科医の紙森千里は、「死に至る夢」を見たと訴える患者の相次ぐ不審死に直面する。悪夢は彼女自身にも「感染」し、謎の儀式に参列する夢を見始める。一方、都市伝説〈呪夢〉を追うオカルトライターの伊東壮太は、死亡した同業者のメモ「鍵は夢詣」からある孤島の奇妙な祭祀の存在を知る。二つの調査線が孤島の忌まわしい因習に交差するとき、「死の順番」が迫ってくる。第45回横溝正史ミステリ&ホラー大賞〈読者賞〉受賞作。受賞時タイトル「夢に棲みつくもの」を改題・改稿して刊行。

その悪夢、見れば、死ぬ――順番が来るまでに、解呪の鍵を探し出せ。

368ページ
ホラー呪い悪夢精神医療民俗学因習孤島オカルト感染
綿原芹 わたはら せり カクヨム賞

若狭の港町に伝わる人魚伝説を背景に、「圧倒的な美しさ」をめぐる人魚と人間の怪異を描いた連作短編集。人魚の血を飲んだことで美貌を手に入れた少女と、その存在に翻弄される人間たちの悲劇を、ルッキズムや美への執着というテーマとともに幻想的かつ恐ろしく描く。選考委員の綾辻行人氏は「ミステリ的なセンスのよさも感じる。そして、怖い」と評し、米澤穂信氏は「この小説には深みと悲哀がある」と賞賛した。

「目の前にいるのは本物の魔だ。恐ろしいのは、そう思っているのに抗いがたい魅力を感じていることだ」

256ページ
人魚伝説ルッキズム美への執着怪異若狭連作短編伝奇ホラー