日本の文学賞

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黒牢城

直木三十五賞

黒牢城

米澤穂信

「黒牢城」は、有岡城に籠城する荒木村重と土牢の黒田官兵衛による推理戦を描いた歴史ミステリ。

歴史ミステリ戦国時代推理直木賞

作品情報

城という密室で、二人の知将が事件に挑む。

KADOKAWAから刊行された長編。織田信長に叛旗を翻した荒木村重のもとで起こる事件を、土牢に囚われた黒田官兵衛との対話と推理で解きほぐしていく。

書籍情報

出版社
KADOKAWA
発売日
2021-06-02
ページ数
448ページ
言語
日本語
サイズ
14.2 x 3 x 19.5 cm
ISBN-13
9784041113936
ISBN-10
4041113938
価格
1045 JPY
カテゴリ
本/文学・評論/文芸作品/日本文学

祝 第166回直木賞受賞! 本能寺の変より四年前、天正六年の冬。織田信長に叛旗を翻して有岡城に立て籠った荒木村重は、城内で起きる難事件に翻弄される。動揺する人心を落ち着かせるため、村重は、土牢の囚人にして織田方の智将・黒田官兵衛に謎を解くよう求めた。事件の裏には何が潜むのか。戦と推理の果てに村重は、官兵衛は何を企む。デビュー20周年の集大成。『満願』『王とサーカス』の著者が辿り着いた、ミステリの精髄と歴史小説の王道。 【受賞・ランキング入賞結果】 第12回山田風太郎賞 『このミステリーがすごい! 2022年版』(宝島社)国内編第1位 週刊文春ミステリーベスト10(週刊文春2021年12月9日号)国内部門第1位 「ミステリが読みたい! 2022年版」(ハヤカワミステリマガジン2022年1月号)国内篇第1位 『2022本格ミステリ・ベスト10』(原書房)国内ランキング第1位 「2021年歴史・時代小説ベスト3」(週刊朝日2022年1月14日号)第1位 『この時代小説がすごい! 2022年版』(宝島社)単行本第3位

●米澤 穂信:1978年岐阜県生まれ。2001年、『氷菓』で第5回角川学園小説大賞ヤングミステリー&ホラー部門奨励賞を受賞しデビュー。11年『折れた竜骨』で日本推理作家協会賞、14年『満願』で山本周五郎賞を受賞。『満願』は同年の年間ミステリランキングで三冠をとるなど、話題を呼んだ。近著に『王とサーカス』『真実の10メートル手前』『いまさら翼といわれても』『Iの悲劇』『本と鍵の季節』『巴里マカロンの謎』などがある。

レビュー

  • 今まで読んだことのないタイプの時代小説

    これは推理小説でもあり、時代小説でもある読みやすい小説だと感じた。解説にもある通り背景を知らなくてもある程度読み進めることができたのでさすがだなと思った。

  • 多作の著作の中から、初めて直木賞受賞作を選び読んで満足

    米澤穂信さんは多彩な才能の持ち主のようで、ミステリーから時代小説まで幅広い作風のようだ。多くの作品の中から、直木賞受賞策を初めて読んでみた。膨大の資料からストーリーを紡ぎだす才能に感服。

  • 史実に基づき、奇想を膨らませた、歴史ミステリーの傑作。

    本格的な歴史小説の体裁を取っており、米澤さんの日常の謎敵ミステリーに慣れていると、面食らうと思う。事前情報がなければ、ミステリーである箏も、なかなかわからなかっただろう。それくらいガッチリ書けており、歴史小説としても十分楽しめた。 荒木村重が信長に叛旗を翻し、黒田官兵衛を長期にわたって幽閉した、と言う史実から想像を膨らませ、連作ミステリーに仕上げたのは力業。これ単純な謎解きミステリーとしては、さほどの出来とは思わない、私でも犯人が推測出来たくらいなので。 が、史実に基づく歴史ミステリーとしては、出色の出来。特に後半、長期籠城で揺れ動く人々の心理や、それぞれの死生観の哲学的描写は、とても良く描けており、良質な純文学的感興を覚えた。 息子を失い絶望の極にあった官兵衛が報われるエピソードは、いかにもエンタメ小説らしいが悪くない。史実に基づき、奇想を膨らませた、歴史ミステリーの傑作と評したい。

  • 話は面白いが仏教について不勉強

    話としては面白いのだが、仏教に詳しい立場から言えば不勉強と無知が露呈している。 一つには、「無辺」という僧を「一向宗あるいは天台宗だから真言は唱えない」と言っているが、荒木村重より遡ること800年前に天台の座主である慈覚は真言に傾倒して天台宗を傾けた。爾来、天台宗の僧でも「真言」は誦するのだ。 それから、大勢の目の前で刀を抜いた時、その刀に落雷があって死んだ様を「冥罰」と書き連ねているが、このような場合は「顕罰」なのである。 残念でならない。

  • 推理小説にして、心理小説、宗教小説でもある『黒牢城』に疲労困憊

    読書スピードについては人後に落ちない自信があるが、『黒牢城』(米澤穂信著、角川文庫)には想定外の時間を要してしまい、読み終えた時は疲労困憊してしまいました。 織田信長の有力武将であった荒木村重が毛利方に寝返り、堅固な有岡城に籠城します。そして、翻意を促そうと信長の麾下の羽柴秀吉が遣わした使者・黒田官兵衛(孝高)を土牢に監禁してしまいます。ここまでは史実だが、織田の大軍に囲まれた城内で奇怪な事件が続発し、人心が動揺するのを恐れた村重が牢中の官兵衛に謎の解明を求めるというのは、米澤穂信の途方もない想像力のなせる業です。 推理小説であると同時に、村重の心理小説であり、死にどう対処すべきかという宗教小説でもあるという、奥行きのある作品です。 村重の年若い側室で、奇想の画家として知られる岩佐又兵衛の母である女性が登場することを付記しておきます。 私の場合、その作品の魅力を伝えたいという思いから長い書評になるのが常であるが、今回は、疲労が激しく、長く綴ることができません。この疲労感は、頼みとする毛利の援軍が一向に来ず、勝ち目のない籠城戦が延々と続く村重の心情を読み手に体感させようという米澤の企みかもしれませんね。

  • 思った以上に面白いです。

    荒木村重が城内で起きる難事件に囚人である黒田官兵衛に謎解きをせまる物語。織田との戦で籠城する最中、信頼する家臣に対する心情の変化や猜疑心などが描かれております。歴史サスペンス的なものだと思いますが、びっくりするようなどんでん返しまではありませんが、一気に読むことはできました。

  • 戦国時代を感じました

    昔の漢字だらけでしたが、辞書機能のお陰で、読み進めました。 織田信長を取り巻く、武将の物語は読みごたえがありました。

  • 歴史小説にif要素としてのミステリを融合させた傑作

    荒木村重と黒田官兵衛をめぐる史実をベースに、もしこんなことがあったなら、というif要素をミステリとして加えたエンターテイメント作品。官兵衛のヒントをうけた村重が、4つの謎を解き明かしていく連作短編小説となっている。 歴史ものとしては、荒木村重という武将に対してあまり良いイメージがなく心配していたが、全くの杞憂で大いに楽しめた。城中の結束が、時間の経過とともに少しずつ揺らいでいく不安感が見事に表現されている。著者が優れたミステリ作家であることは承知していたが、歴史ものもお手の物だったとは…。 ミステリとしては、第2章の「首」をめぐる謎解きが特に秀逸。村重が敵陣に弓を射るシーンが映像のように目に浮かぶ。また、なぜ官兵衛が村重を助けるのか、その真意がわかるラストにも思わず膝を打つという納得感がある。 読み応えがあり、ミステリ好きはもちろん歴史小説ファンの方にも是非読んでほしい傑作だ。

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