作品情報
喪失と再生を重ねながら、自分の生を切り開こうとする人物像が鮮やかに立ち上がる。
書籍情報
- 出版社
- 集英社
- 発売日
- 2020-08-26
- ページ数
- 504ページ
- 言語
- 日本語
- サイズ
- 13.4 x 3.5 x 19.4 cm
- ISBN-13
- 9784087717211
- ISBN-10
- 4087717216
- 価格
- 2090 JPY
- カテゴリ
- 本/文学・評論/文芸作品/日本文学
【第34回柴田錬三郎賞受賞作】 明治44年、文豪・森鴎外の末子として誕生した類。優しい父と美しい母志げ、姉の茉莉、杏奴と千駄木の大きな屋敷で何不自由なく暮らしていた。大正11年に父が亡くなり、生活は一変。大きな喪失を抱えながら、自らの道を模索する類は、杏奴とともに画業を志しパリへ遊学。帰国後に母を看取り、やがて、画家・安宅安五郎の娘と結婚。明るい未来が開けるはずが、戦争によって財産が失われ困窮していく――。 昭和26年、心機一転を図り東京・千駄木で書店を開業。忙しない日々のなか、身を削り挑んだ文筆の道で才能を認められていくが……。 明治、大正、昭和、平成。時代の荒波に大きく揺さぶられながら、自らの生と格闘し続けた生涯が鮮やかによみがえる圧巻の長編小説。 【著者略歴】 朝井まかて 1959年大阪府生まれ。2008年小説現代長編新人賞奨励賞を受賞して作家デビュー。2013年に発表した『恋歌』で本屋が選ぶ時代小説大賞を、2014年に直木賞を受賞。ほか、同年『阿蘭陀西鶴』で織田作之助賞、2015年『すかたん』で大阪ほんま本大賞、2016年『眩』で中山義秀文学賞、2017年『福袋』で舟橋聖一文学賞、2018年『雲上雲下』で中央公論文芸賞、『悪玉伝』で司馬遼太郎賞、2019年に大阪文化賞を受賞。近著に『落花狼藉』『グッドバイ』『輪舞曲』などがある。
レビュー
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森鴎外亡き後の家族のリアル
立派な腹違いの兄、物書き表現者として認められている姉達に比べなんと不甲斐ない末子の類。彼の少年時代から老いるまでの話なのですが、庶民とかけ離れたハイソな生活と家族の在り方、行く末、ビッグネーム登場など飽きずに読み切りました。
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重い
とにかく厚い。 時間がかかりましたが内容的には面白かった。 実家の側の鴎外館が昔はもっとすごかったのがわかった。
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不肖の子
森茉莉、小堀杏奴、森於菟の作品は読んでいたが、森類については、全く知らなかった。 なるほど不肖の子である。しかしながら、幸せな人生ではないか?興味深く読んだ。 p485 バターユの皿 とは何か?もしかして、バター入れの誤植? p488 冬にはサフランを(差した)とあるが、サフランは秋の花では?12月上旬まで咲くことがあるけど 11月に咲くのが普通。サフランを生ける花瓶って、かなり小さいだろうね。 気になったのは、その2か所。 植物名の表記は、森鴎外等森家の人々に習って、ダアリア(ダリア)という風にしてるのだろうけど 半纏木(ユリノキ)とかは、わかりにくい。植物が沢山出てくるのが魅力の一つなのだから、注釈つけてもいいんじゃないでしょうか?
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感服つかまつった
褒められているし二つも賞をとっていて妬ましいのでアラ探しをしてやろうと思って読み始めたら、自然描写、服装の描写、会話、調べて書いたにしてもその痕跡を感じさせないうまさで「参った」と言うほかない。伝記そのものは山崎国紀が書いているから困難でもなかったろうが。小堀杏奴の娘が横光利一の息子と結婚しているのに触れてなかったのがやや気になった(それは杏奴の政治的立ち位置を示すから)(付記:山崎國紀の元ネタ本『鴎外の三男坊』を読んだら、こちらばかり二つも賞をとるのは山崎がかわいそうだと思ったので三点にした)
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文章に魅了された
一気読みするタイプではないので、じわじわと読んでいった。朝井まかては2冊目だが、見事な筆力に引き込まれた。多くの植物が登場し、それがこの小説のいわばクッションみたいに横たわっている。大文豪の息子としては「不肖の息子」といわれても仕方ないような森類という静かだが個性的な人間を主人公にして、目を見張るような大事件が起きるわけでもない物語を、最後まで密度を落とさず書ききって読ませる朝井の柔らかで強靭な文学的腕力に魅了され、朝井の小説が好きになった。細かいところだが僕が惹かれた一つは、章の終わり方で、第6章の最後「マロニエの落ち葉が吹き寄せられて、足許で小さな音を立てた。」第7章「肩や背中から、庭の青葉を映し出した風が颯と起きた。」などなど。もう一つは(例は引かないが)場面転換の切れ味である。省くところはぱっぱと省いてゆく小気味良さがある。中々男性小説家には書けない味わいを持った心地よい小説だった。さらに朝井まかての小説を読みたいと思う。
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苦痛
朝井まかてさん、大ファンで全ての作品を読んだがこれは酷すぎ!ダメ男が題材だから?最後まで読んだが読むのが苦痛だった。
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残された家族の苦労が見えましたが…
偉大な森鴎外が亡くなられたあとの、紆余曲折ありながらの、子供たちの生活が描かれています。 ハイカラでオシャレな雰囲気が伝わりました。 とにかく戦争と近所の火事は、本当に残念な出来事でした。 この様な本を出版することにも、賛否両論あり、兄弟で揉めたことも理解できます。 厳しい言い方をすれば、茉莉さんとこの作者は、甘えすぎ、ワガママすぎです。 後半は、少し、しりつぼみ感があります。
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以外。
捉えどころのない(?)主人公の類さん、自由奔放の長女茉莉さん、左脳で生きる二女杏奴、名前からは全く想像できない、父と言うよりも「パパ」の鴎外さん、一歩身を引いて才能を隠し家族の為に生きる母志げさん、別居中の兄於菟さん他、馴染みなある作家の皆さんなど、読み応えのある面白い、そして楽しい本でした。 いや~しかし、鴎外さんがねぇ~。
関連する文学賞
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