日本の文学賞

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宣長はどのような日本を想像したか: 『古事記伝』の「皇国」

上代文学会賞

宣長はどのような日本を想像したか: 『古事記伝』の「皇国」

裴寛紋

本居宣長の『古事記伝』が「外国」と「皇国」をどのように構成したかを読み解き、国学の古典解釈が近代以後の日本像へつながる仕組みを検討する研究書。神話解釈、地球説、固有性の問題を手がかりに、宣長学を思想史の中で捉え直す。

国学本居宣長古事記伝思想史皇国

作品情報

『古事記伝』の読みに潜む「皇国」の物語を、思想史の問いとして掘り起こす。

笠間書院から2017年に刊行。『古事記伝』における「外国」「韓国」「皇国」の語を中心に、宣長が『古事記』をどのような世界の原典として読んだのかを章立てて論じる。

レビュー要約

  • 宣長研究の内部にとどまらず、自国と他国をめぐる語りの形成過程を追う点が評価されている。豊富な用例をもとに、古典注釈が思想的な世界像を作る過程を丁寧に示している。

書籍情報

出版社
笠間書院
発売日
2017-06-19
ページ数
268ページ
言語
日本語
ISBN-13
9784305708342
ISBN-10
4305708345
価格
6050 JPY
カテゴリ
本/文学・評論

日本思想史上での宣長再評価に向けて。 『古事記伝』は『古事記』の解釈を通して、宣長による新たな神話を成立させたテキストであった。つくり出された〈古事記〉はいかなる物語となったのか。『古事記伝』の読みが『古事記』と最も乖離している箇所「外国(とつくに)」に着目し、ひるがえって、自国日本に対して用いた語「皇国(みくに)」の意味を追究する。神について語る『古事記』を、人に適用して読もうとした『古事記伝』の本質が明らかに。 【日本最古の書物や国民の古典として知られる『古事記』も、本居宣長の『古事記伝』も、昭和の戦争期を経由するまでは一般の人々に重んじられる書物ではなかった。それはちょうど、近代的学問の一つとして国文学が形成され、国文学科のなかで『古事記』が本格的に研究されることとも深く連動している。国文学が「国民の学」を担う際に、国文学者は国学との連続性をことさら強調した。……近代日本において国文学が国学という伝統を背負って誕生するところに、近代的学問としての宣長「学」の発見もある。……しかしながら、宣長の学問と思想とを峻別する「宣長問題」といったような問題設定はあまり有効ではない。……再考すべきは、宣長の「皇国」を国学的な思考の典型として批判しながらも、宣長「学」の方法を様々な近代学問の伝統として受け入れようとした国文学の方かも知れない。……国学から国文学へと単純な延長線の上に宣長を置くことから一旦離れてみる。それは近代学問の在り方そのものに対する批判的な省察の契機にもなるはずであろう。】……「はじめに」より

1978年、韓国忠清南道生まれ。2001年、韓国外国語大学日本語科卒業。2011年、東京大学大学院総合文化研究科博士取得。翰林大学生死学研究所研究教授を経て、現在、高麗大学民族文化研究院研究教授。専門は近世国学思想。 論文:「近世国学における死後世界論の始まり――本居宣長の遺言書(근세일본 국학에서의 사후세계 담론의 시작)」(『日本思想』25号、韓国日本思想史学会、2013年12月)、「日本的霊性論と国学の生命観(일본적 영성론과 국학의 생명관)」(『東アジア古代学』33号、東アジア古代学会、2014年3月)。 著書(共著):『キーワードで読む源氏物語(키워드로 읽는 겐지 이야기)』(2013年)、『東アジアの文化表象I:国家・民族・国土(동아시아의 문화표상 I)』(2015年)、『東アジア古典学と漢字世界(동아시아 고전학과 한자세계)』(2016年) 訳書:『日本人の死生観を読む:明治武士道から「おくりびと」へ(일본인의 사생관을 읽다)』(島薗進著、2015年)、『良い死(좋은 죽음)』(共訳、立岩真也著、2015年)、『もののあはれ:日本的な…

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