書籍情報
- 出版社
- 河出書房新社
- 発売日
- 2005-11-25
- ページ数
- 119ページ
- 言語
- 日本語
- ISBN-13
- 9784309017372
- ISBN-10
- 4309017371
- 価格
- 197 JPY
- カテゴリ
- 本/文学・評論/文芸作品/日本文学
大学を辞め、時に取り残されたような喫茶店で働く私。向かいの部屋の窓の中を覗くことが日課の私は、やがて夜の街を徘徊するようになり——夜の闇、窓の灯、ミカド姉さんと男達……ゆるやかな官能を奏でる第42回文藝賞受賞作。
レビュー
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湿度と熱気の描写
すらすらと読めてしまう文体で、その中にも美しさを感じずにはいられない。 角田光代さんが、「小説の湿度や熱気が、最後までとぎれず続いている。小説世界をひとつ完成させたのだと言っていいと思う。」と評しているが、全くその通りだな、と読了して思った。 一つ一つの文章から、その小説のモワッとした夏の雰囲気や、夜の風などが簡単にイメージ化できる。 その雰囲気がまた、主人公のミカド姉さんへの様々な形の念を際立たせる。 無意識的に第三者の視点で(ドラマを見るような感じで)そっと引き込まれていた。 そして行き着く最後のシーンでは言葉が出ない。筆者の才能を感じずにはいられない。 一番最後の行で、世界観を完璧なまでに確立させてしまう。 優しく美しく、ゆるやかな官能、滲みでる想いが見事に描写されている。 読者を魅了する。 上手すぎる。 しかし、圧迫感があったり、完璧!、と叫びたくなるほどの小説でもないので、四つです。 また、こういう本も、持っておきたい作品の一つですね。 読書家の方なら、満足いただけるかと思います。買い損はしませんでした。 是非この「窓の灯」が織り成す、雰囲気を味わってほしいです。
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ましなほう
文藝賞受賞作としてはましなほうである。リアリズムで書かれているが、まりもが大学を辞めてバーをやっている年長の女・ミカドのところに居ついて店を手伝いながらぶらぶらしているのは、親は何をしているんだと思える。まあいかにも新人が書きそうな小説で、文章はうまい。
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特にない
特にない
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上手いです
上手い文章というか、多彩な表現力を持つ人だな、と思います。 最後の一行も、魅力的でした。 他の作品を読んでも思ったのですが、この作者は、あまり幸せな環境で幼少期を過ごしていないかな、と。 何か、鬱屈した怒りや恨みのようなものを感じてしまいます。 こういう作品を読んで、「それが、どうしたの」と言う人は、そもそも文学作品を読まない方がいいです。
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新たな形!
大学を辞めたまりもちゃんが身を寄せた喫茶店の二階の窓から見える他人の部屋の様子が、覗き見という形で表現され、やがてそれは夜の街の散歩時に垣間見える家々の窓越しの生活の様子へと範囲を拡げていく。 実際行動に起こしたら軽犯罪に成るかもしれない行為が小説という形を取って表現されている事は新たなひとつの形かも知れない。 今後の作品も読んでみたいと思います。
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新しい恋愛小説
この小説は今話題になっている史上最年少15歳で 文藝賞を受賞した三並夏「平成マシンガンズ」と共 に文藝賞を同時受賞した作品です。 世間では最年少最年少と騒いで三並さんの方にばっ かり注目が集まっていますが、私としてはもっと青 山さんの「窓の灯」にも注目していいんじゃないか と思います。 読んでみて、これは「新しい恋愛小説」だと感じま した。文藝賞の選評で某選考委員が「ミカド姉さん に魅力がたりない」と言っていましたが、決してそ うじゃなく、「ミカド姉さん」には魅力が溢れてい ると思います。 この小説の魅力はそれだけじゃありません。この小 説は、「女の覗き見行為」が書かれた史上初の作品 なんです!
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真面目な小説。
第42回文藝賞受賞作。 近年、奇を衒ったような受賞作が多い中、瑞々しい文体で書かれたしみじみとした小説。 冒頭からその感覚は逸脱することなく進み、あっという間に読み終わった(1時間半くらいで)。 率直な感想としては、「悪くはない。でも、良くもない」といったところ。 覗きが趣味の女の子という設定は面白いと思う。でも、それを深く掘り下げずに終わってしまう。 ミカド姉さんの魅力もイマイチ伝わってこなかった。 材料は良い、調理の仕方も綺麗、でもいかんせん味が薄い。そんな料理を食べたあとのような読後感だった。
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いいかげんにしてくれ
主人公の女の子が、 知らない喫茶店のママに、 「うちで働かない?」 「ちなみに、この店の上の部屋が 空いてるから、住んでいいよ」 と誘われて、 断る理由なんてなかった、と、 即決して住み込むのだが、 んなわけねぇだろ、 ホームレスでもなけりゃ、 そこまで警戒心のないというか 脳天気な女の子いないだろうよ。 そこで気持ちが引いてしまった。 ラストのオチは良かった。
関連する文学賞
- 芥川龍之介賞 第136回(2006年 第2回開催) ・受賞
- 文藝賞 第42回(2005年) ・受賞