日本の文学賞

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澁澤 龍彥

しぶさわ たつひこ

Shibusawa Tatsuhiko

別名: 澁澤龍彦 / 渋沢龍彦
ペンネーム: 澁川龍兒初期の訳作・小説で用いたペンネーム, 蘭京太郎短編などで使用したペンネーム, Tasso S.英語圏向け表記や一部の著作で用いられた表記, 呑珠庵晩年に用いた号, 無聲道人声を失った晩年に用いた号

プロフィール

性別
男性
生誕
1928-05-08 (東京府東京市芝区車町(現:東京都港区高輪))
死没
1987-08-05 (東京都港区西新橋(東京慈恵会医科大学附属病院)) 59歳
国籍
日本
言語
日本語, フランス語
居住地歴
東京市芝区車町(生誕地) → 埼玉県川越市(幼少期) → 東京市滝野川区中里(育ち) → 東京都港区西新橋(晩年・入院先)

経歴

職業
小説家, 翻訳家, 評論家, フランス文学者
活動期間
1954年〜1987年
所属
同人誌『ジャンル』, 岩波書店(社外校正), 白水社(初期の翻訳出版)
影響を受けた人物
アンドレ・ブルトン, ジャン・コクトー, マルキ・ド・サド, ジョルジュ・バタイユ, ミシェル・フーコー
影響を与えた人物
四谷シモン, 諸星大二郎, 野田弘志, 横尾忠則, 土方巽(舞踏界)

学歴

東京大学 文学部
文学部 / フランス文学科
学位: 文学士
期間: 1950-1953
卒業年: 1953
国: 日本
卒業論文『サドの現代性』
東京大学大学院 文学研究科(修士課程)
大学院文学研究科 / フランス文学専攻
期間: 1953-1954(修士課程在籍、肺結核で中断)
国: 日本
修士課程在籍中に肺結核を病み、就職・研究の道が断たれた

受賞歴

泉鏡花文学賞
1981
対象作品: 唐草物語
主催: 泉鏡花文学賞選考委員会
結果: 受賞
読売文学賞
1988
対象作品: 高丘親王航海記
主催: 読売新聞社/読売文学賞選考委員会
結果: 受賞(遺作・没後受賞)

受賞・候補エディション

泉鏡花文学賞 1回登壇
  1. 受賞作: 唐草物語

    澁澤龍彦による受賞作。作品名と受賞文脈から、当時の創作活動を示す一作として扱われる。

    唐草物語は、澁澤龍彦の受賞歴を代表する作品の一つ。

    239ページ
読売文学賞 1回登壇
  1. 晩年の澁澤龍彦が、唐へ渡った高丘親王の伝説を幻想文学として再構成した長編小説です。南海の異国、奇怪な生物、仏教的想像力が連なり、歴史と夢の境界を漂う航海譚になっています。

    高丘親王の旅は、史実を離れて夢と異界の海へ漕ぎ出す。

    234ページ
    幻想文学南海仏教異界への旅

作品

代表作

唐草物語

1981年 短編集

晩年に刊行された短編集。幻想的でユーモラスな短篇を含む。

幻想ユーモア郷愁

高丘親王航海記

1987年 長編小説

晩年に完成された長編。航海をめぐる幻想譚で、没後に刊行・受賞された。

航海幻想王権神話

犬狼都市

1962年 短編集

初期の短篇集。幻想性と残酷美を帯びた作品群を収録。

幻想残酷美都市像

快楽主義の哲学

1965年 評論

エロティシズムや快楽についての論考を含む評論集。

エロティシズム思想文化批評

エロティシズム

1967年 評論・翻訳

エロティシズムを主題とした編著・翻訳。研究・紹介を通じて日本に影響を与えた。

エロス翻訳文学研究

幻想博物誌

1979年 随筆・評論

幻想性と博物学的視点を交えたエッセイ集。図版を含むものもある。

博物誌幻想美術

全著作

  • サド復活 自由と反抗思想の先駆者
  • 黒魔術の手帖
  • 神聖受胎
  • 犬狼都市
  • 毒薬の手帖
  • 世界悪女物語
  • 夢の宇宙誌 コスモグラフィア・ファンタスティカ
  • サド侯爵の生涯 牢獄文学者はいかにして誕生したか
  • 快楽主義の哲学 現代人の生き甲斐を探求する
  • エロスの解剖 伝説から心理学まで
  • 秘密結社の手帖
  • 異端の肖像
  • ホモ・エロティクス
  • 幻想の画廊から
  • 妖人奇人館
  • 黄金時代
  • 女のエピソード
  • 偏愛的作家論
  • 悪魔のいる文学史 神秘家と狂詩人
  • ヨーロッパの乳房
  • 夢のある部屋
  • 人形愛序説
  • 胡桃の中の世界
  • 貝殻と頭蓋骨
  • 幻想の肖像
  • 旅のモザイク
  • 思考の紋章学
  • 洞窟の偶像
  • 記憶の遠近法
  • 幻想博物誌
  • 城と牢獄
  • 太陽王と月の王
  • 旅の仲間(往復書簡)
  • うつろ舟
  • 私のプリニウス
  • フローラ逍遥

翻案

  • 文豪ストレイドッグス DEAD APPLE(2018年、映画) – 澁澤龍彥をモデルにしたキャラクターが登場

作家による翻訳

  • ジャン・コクトー(翻訳)
  • マルキ・ド・サド(翻訳)
  • ジョルジュ・バタイユ(翻訳)

作風・主題

文体
博物的・博覧的な散文学術的な視点を持つエッセイ幻想的で耽美的な表現
頻出モチーフ
エロティシズム幻想・夢玩具・人形牢獄・城古書・蔵書

健康

  • 肺結核
    1950年代(修士課程在籍中に発病)
    就職・研究の道が断たれ、学業や進路に影響を与えた
  • 下咽頭癌(声帯切除)
    1986-1987
    1986年に声帯を切除して声を失うが、執筆を続けた。1987年に頸動脈瘤破裂で死去。

評価・遺産

マルキ・ド・サドやシュルレアリスムなど西欧の問題作を日本に紹介し、エロティシズムや幻想文学研究に大きな影響を与えた。翻訳者・評論家としての業績に加え、独自の幻想文学世界を構築し、没後も展覧会や研究書で広く論じられている。

記念館・博物館

  • 神奈川近代文学館(澁澤龍彥回顧展などの開催実績あり) 神奈川県(展示・回顧展開催地)
  • 世田谷文学館(没後回顧展の開催) 東京都世田谷区(展示開催地)
  • 仙台文学館(関連展開催) 宮城県仙台市(展示開催地)

関連学会

  • 幻想文学会

大衆文化への影響

  • 文豪ストレイドッグス(キャラクター登場/映画『DEAD APPLE』に登場)
  • 諸星大二郎の短篇にモデルとして登場
  • 横尾忠則らによる肖像・オマージュ作品

引用

  • 私は署名をするときにも、竜彦などとは間違っても書かない。
    出典: 自筆年譜/随筆所収(発言記録)
  • たった7万円、人を馬鹿にしてますよ。3年くらいは懲役刑を食うと思っていたんだ。
    出典: 裁判後のマスコミ取材での発言 (1969年)

豆知識

  • 本名は澁澤龍雄(たつお)。
  • 幼児の頃、澁澤栄一に抱かれたというエピソードが伝えられている。
  • 晩年に飼っていた雌ウサギの名は「ウチャ」。
  • 1969年にわいせつ物頒布等で有罪確定、罰金7万円を受けた。
  • 1986年に声帯を切除して声を失ったが、執筆は続けた。