日本の文学賞

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宝石賞 ほうせきしょう

第6回(1952年)

推理小説評論

受賞者

10名
足柄左右太 第一席

足柄左右太「私は誰でしょう」は、身元の謎を題名そのものに据えた短篇ミステリです。語り手や人物の正体をめぐる問いを軸に、読者の推理を誘う構成を持つ作品と考えられます。

「私は誰か」という問いを入口に、正体と手がかりをめぐる推理へ導く短編です。

508ページ
短篇ミステリ身元語り別冊宝石戦後探偵小説
袂春信 第一席

袂春信「耳」は、戦後ミステリー誌『別冊宝石』に掲載された短編で、のちに光文社文庫『「別冊宝石」傑作選』に収録された。戦後日本の推理小説雑誌が新人や異色作を送り出していた時期の作品として、同時代の短編群のなかで読むことができる。

戦後ミステリー誌の熱気を伝える『別冊宝石』系短編の一作。

508ページ
戦後ミステリー別冊宝石短編推理小説新人作家宝石賞
山沢晴雄 第一席

山沢晴雄「銀知恵の輪」は、緻密な論理とトリックで知られる本格推理短編です。知恵の輪を思わせる題名の通り、複雑に絡み合った条件を一つずつ解きほぐす謎解きの快感を持っています。

絡み合った条件を解きほぐすように、精密な本格推理の謎が進む短編です。

341ページ
本格推理トリック論理知恵の輪宝石短篇賞
梶龍雄 第二席
白い路

『白い路』は、梶龍雄による日本の短編推理小説。1952年に探偵小説専門誌『宝石』へ掲載され、梶龍雄のミステリ界でのデビュー作として扱われている。のちに江戸川乱歩賞を受ける作者の初期作品であり、戦後の本格推理誌が新人を送り出していた時期を示す一編である。

白い道の先に、若い作家の推理小説への第一歩が刻まれる。

短編推理デビュー作戦後ミステリ宝石新人作家
梶田八郎 第二席
青の斑点

梶田八郎「青の斑点」は、『宝石』系の短篇探偵小説懸賞に関わる作品です。題名の示す色彩と小さな痕跡を手がかりに、見落とされがちな斑点から事件の意味を読み解く短編と考えられます。

小さな青い痕跡から謎が立ち上がる、戦後探偵小説懸賞の短編です。

短篇探偵小説痕跡色彩宝石賞戦後ミステリ
鳥井及策 第二席

『消えた男』は、鳥井及策による日本の短編推理小説。1952年12月の『別冊宝石』新人二十五人集に掲載され、のちに光文社文庫『「別冊宝石」傑作選』へ再録された。失踪を思わせる題名を起点に、人物の不在とその理由を追う短編ミステリである。

一人の男が消えたという事実が、残された者たちの言葉と手がかりを揺さぶる。

508ページ
短編推理失踪謎解き戦後ミステリ別冊宝石
天の斧

藤山貴一郎「天の斧」は、『別冊宝石』新人作品群に掲載された短篇探偵小説です。題名の神話的な響きと鋭い凶器の印象を重ね、事件に落ちる不可解な一撃をめぐって謎が進む作品と考えられます。

天から落ちる斧のような一撃を題名にした、戦後ミステリ雑誌の新人短編です。

短篇探偵小説別冊宝石新人作品凶器
川下米一 佳作
激流

『激流』は、川下米一による日本の短編推理小説。1952年12月10日発行の『別冊宝石』第24号「新人二十五人集」に掲載された。題名の激しい水流を思わせるイメージを背景に、事件や人物関係が急転するタイプの戦後ミステリ短編として位置づけられる。

流れにのみ込まれるように、事件は静かな足場を奪っていく。

短編推理新人作品戦後ミステリ別冊宝石事件の急転
衆理一 佳作
砒素の谷

衆理一「砒素の谷」は、毒物を連想させる題名を持つ短篇探偵小説です。谷という閉じた地形と砒素の不穏さを重ね、土地に潜む秘密や毒殺の可能性をめぐって謎を組み立てる作品と考えられます。

谷に潜む毒の気配を題名にした、戦後ミステリ雑誌の新人短編です。

短篇探偵小説毒物別冊宝石新人作品
南達夫 佳作
夏の光

『夏の光』は、南達夫による日本の短編推理小説。1952年12月10日発行の『別冊宝石』第24号「新人二十五人集」に掲載された。夏の明るさを思わせる題名と、推理小説の陰影が重なる戦後ミステリ短編である。

夏の光が照らすものと、照らし出されてしまう秘密が交差する。

短編推理秘密戦後ミステリ別冊宝石