毎日出版文化賞 まいにちしゅっぱんぶんかしょう
第14回(1960年)
受賞者
11名荒畑寒村が自身の思想形成と社会主義運動への参加、明治・大正・昭和をまたぐ政治的経験を回想した自伝。個人の生涯を通じて、反戦、労働運動、社会主義運動の曲折が具体的に描かれる。
近代日本の社会運動を、当事者の記憶からたどる自伝的証言。
土佐藩家老・野中兼山の娘、婉の生涯を描く歴史小説。政争によって幼くして幽閉された女性が、長い孤独の中で失われた家族と時代の理不尽を背負いながら生きる姿を描き出す。
政争に翻弄された女性の孤独と強さを、鮮やかな歴史小説として描く。
芦田均が第二次世界大戦期の国際外交を、資料に基づいて広くたどった外交史研究。戦争へ向かう各国の判断と日本外交の失敗を検討し、後代への警告として読める大部の著作である。
戦争に至る外交の過程を、政治家でもあった著者が資料から検証する。
宮沢俊義編による、主要国の憲法条文と概説を収めた憲法資料集。各国の成文憲法を比較して読める形にまとめ、日本国憲法を相対化して考えるための基礎を提供する。
世界の成文憲法を比較しながら読める、憲法学の基礎資料。
民俗と文学の関係を、口承文芸、伝説、昔話、祭り、地域文化などの観点から扱う講座型の著作。文学を文字作品だけに限定せず、民間伝承や生活文化の中で捉え直す視野を示している。
民間伝承の世界から文学を捉え直す、民俗文学研究の講座。
伊勢神宮や出雲大社をはじめとする古代日本の住まいと聖域を、建築・民俗・歴史の交差点から読み解く著作。建築を生活と信仰の形として捉え、日本文化の基層を探る。
住まいと神の空間から、古代日本の文化を読み解く。
北一輝を近代日本の思想と政治運動の中に位置づけ、その思想がファシズム的な象徴性を帯びていく過程を論じた評伝的研究。人物伝と思想史を重ね、昭和前期の政治的緊張を照らし出す。
北一輝の思想と行動を、近代日本の政治的危機の中で読む。
地域固有の環境や生活条件と結びついた病気を取り上げ、僻地医療や公衆衛生の現実を描いた科学読み物。医学・寄生虫学の知見を社会の現場へ結びつけ、日本の地域医療の課題を伝える。
風土と病の関係から、地域医療の現実を見つめる。
アユの生活史、川と海を往来する生態、なわばり行動、友釣りとの関係などを、野外調査に基づいて語る科学読み物。身近な魚を通して、生物の行動と環境のつながりをわかりやすく示す。
川魚アユの一年を追い、生態と文化の両面からその魅力を語る。
新美南吉の童話をまとめた全集。『ごんぎつね』などの代表作を含み、やさしい語り口の中に孤独、思いやり、すれ違い、自然へのまなざしを宿した南吉文学の全体像を伝える。
新美南吉の童話世界を、代表作から幅広くたどる全集。
日本史の事項・人物・制度・文化を広く収めた大規模な歴史辞典。専門研究の成果を一般の読者や研究者が参照できる形にまとめ、戦後の日本史学の水準を示す基礎資料として位置づけられる。
戦後日本史学の成果を集成した本格的な歴史辞典。