日本の文学賞

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日本推理作家協会賞 にほんすいりさっかきょうかいしょう

第77回(2024年)

推理小説

受賞者

8名
青崎有吾 長編および連作短編集部門
地雷グリコ

勝負事に強い高校一年生・射守矢真兎は、文化祭の屋上使用権をめぐる対戦をはじめ、日常に持ち込まれた奇妙なゲームへ次々に挑む。グリコ、神経衰弱、じゃんけん、だるまさんがころんだ、ポーカーをひねった独自ルールのもとで、真兎は相手の思考を読み、論理で勝ち筋を見いだしていく。五つのゲームを通して展開する、青春と頭脳戦の連作ミステリ。

見慣れた子どもの遊びが、論理と駆け引きが交錯する本格頭脳戦に変わる。

352ページ
頭脳戦心理戦ゲーム青春ミステリ論理と駆け引き
荻堂顕 長編および連作短編集部門

第二次世界大戦後、米軍占領下の与那国島を舞台に、密貿易を営む武庭純が不可解な依頼と元憲兵をめぐる事件を追う歴史ハードボイルド。琉球と台湾の史実を下敷きに、サイバーパンクの想像力で欲望と陰謀が交錯する島を描く。

密貿易で栄える占領下の島で、ひとつの依頼が世界を巻き込む陰謀への扉を開く。

415ページ
戦後の琉球与那国島密貿易サイバーパンク歴史と陰謀
坂崎かおる 短編部門

戦前の日本で、邦文タイプライター養成学校に通う若い女性シュウコは、同級生の小枝子や、中国人の教師で卓越したタイピストでもある林建忠と出会う。タイプライターの文字と打鍵をめぐる学びのなかで、シュウコは林への憧れを抱くが、やがて彼は姿を消す。

邦文タイプライターをめぐる学びと出会いから、消えた教師の足跡をたどる歴史ミステリ。

284ページ
戦前日本邦文タイプライタータイピスト師弟関係歴史ミステリ
宮内悠介 短編部門
ディオニソス計画

宮内悠介による短編「ディオニソス計画」。『紙魚の手帖』vol.14に掲載され、第77回日本推理作家協会賞短編部門を受賞した。

第77回日本推理作家協会賞短編部門受賞作。

短編ミステリ計画現代日本文学
川出正樹 評論・研究部門

戦後から現代までに刊行された翻訳ミステリの叢書・全集をたどり、日本で海外ミステリがどのように紹介され、読まれてきたかを描く研究書兼ブックガイド。選書、装幀、編纂の背景と収録作・作家を丹念に追い、個性豊かな叢書が残した足跡から翻訳ミステリ受容史を見渡す。

書斎の迷宮に眠る翻訳ミステリ叢書から、戦後日本の読書史を読み解く。

470ページ
翻訳ミステリ出版史叢書研究戦後日本ブックガイド
中相作 評論・研究部門
江戸川乱歩年譜集成

江戸川乱歩の生涯と仕事を「伝」「譜」「録」の三部でたどるリファレンスブック。年譜と資料を編み直し、乱歩自身の回想記や書簡などから選んだ断片を年代順に配置することで、作家の歩みと探偵小説史への関わりを立体的に示す。

年譜と五百を超える自伝的断片から、江戸川乱歩の生涯を読み解く。

629ページ
江戸川乱歩年譜探偵小説史文献研究自伝的資料

マンチェスター大学の学生ゾーイ・ノーランが失踪してから6年後、作家イヴリン・ミッチェルは事件関係者への取材を重ね、犯罪実録の執筆を始める。だが、拉致犯を示す証拠を得た直後に彼女も命を落とし、作家ジョセフ・ノックスが遺稿を引き継ぐ。証言、手紙、メールが交錯するなかで、被害者、関係者、そして語り手自身への疑いが深まるサスペンス・ノワール。

被害者も関係者も、語り手さえも信じられない、証言で編まれた犯罪実録風ミステリ。

704ページ
大学生失踪事件犯罪実録風フィクション証言と記憶の食い違い真実と虚構の境界マンチェスターのノワール
池田真紀子 翻訳部門

マンチェスター大学の学生寮から女子学生ゾーイが姿を消して六年。事件に取り憑かれたイヴリンは関係者を取材し、犯罪ノンフィクションを書き始めるが、犯人特定の証拠を得た直後に帰らぬ人となる。作家ジョセフ・ノックスは彼女の遺稿をもとに記録を完成させようとする。被害者、関係者、作者の誰もが信用できないなか、証言が真相を複雑に組み替えていくサスペンス・ノワール。

被害者も関係者も作者すら信じられない、証言が真相を揺さぶるサスペンス・ノワール。

704ページ
失踪事件証言と記憶真実と虚構犯罪ノンフィクションサスペンス・ノワール