日本の文学賞

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おらおらでひとりいぐも

芥川龍之介賞

おらおらでひとりいぐも

若竹千佐子

書籍情報

出版社
河出書房新社
発売日
2017-11-16
ページ数
168ページ
言語
日本語
サイズ
13.6 x 1.8 x 19.6 cm
ISBN-13
9784309026374
ISBN-10
4309026370
価格
900 JPY
カテゴリ
本/文学・評論/文芸作品/日本文学

74歳、ひとり暮らしの桃子さん。 おらの今は、こわいものなし。 結婚を3日後に控えた24歳の秋、東京オリンピックのファンファーレに押し出されるように、故郷を飛び出した桃子さん。 身ひとつで上野駅に降り立ってから50年――住み込みのアルバイト、周造との出会いと結婚、二児の誕生と成長、そして夫の死。 「この先一人でどやって暮らす。こまったぁどうすんべぇ」 40年来住み慣れた都市近郊の新興住宅で、ひとり茶をすすり、ねずみの音に耳をすませるうちに、桃子さんの内から外から、声がジャズのセッションのように湧きあがる。 捨てた故郷、疎遠になった息子と娘、そして亡き夫への愛。震えるような悲しみの果てに、桃子さんが辿り着いたものとは―― 青春小説の対極、玄冬小説の誕生! *玄冬小説とは……歳をとるのも悪くない、と思えるような小説のこと。 新たな老いの境地を描いた感動作。第54回文藝賞受賞作。 主婦から小説家へーー63歳、史上最年長受賞。 ◎文藝賞全選考委員絶賛! 「東京オリンピックの年に上京し、二人の子どもを産み育て、主婦として家族のために生き、夫を送って「おひとりさまの老後」を迎えた桃子さんは、戦後の日本女性を凝縮した存在だ。桃子さんは私のことだ、私の母のことだ、明日の私の姿だ、と感じる人が大勢いるはず」 ――斎藤美奈子氏 「宮澤賢治「永訣の朝」にある「Ora Orade Shitori egumo」のフレーズ。それを悲しみのうちに死ぬの意ではなく、独り生きていく「自由」と「意欲」に結びつけた。「老い」をエネルギーとして生きるための、新しい文学が生み出された」 ――藤沢周氏 「人の気持ちは一色ではないということを、若竹さんはよくぞ摑んだ。年を経たからこその、若々しい小説」 ――保坂和志氏 「取り返しのつかない命のなかで、個人の自由や自立と、その反対側にある重くて辛いものも含めた両方を受け取って、人生を肯定的にとらえるまでにいたったのが見事」 ――町田康氏 ◎早くも話題沸騰! 反響続々! 「ほんとはね、ほんとは「独りがいい」。出会いも歓びだが、死別も解放だ。地声で語られた女のホンネが炸裂! 」 ――上野千鶴子氏 「死すことのない共同体の言葉。それが支える「老い」の姿に初めて触れた。「頭の中に大勢の人たちがいる」ことは、きっと孤独ではない」 ――小林紀晴氏 朝日新聞、読売新聞、産経新聞、東京新聞、共同通信ほか、絶賛の声多数!

若竹 千佐子(わかたけ・ちさこ) 1954年、岩手県遠野市生まれ。岩手大学教育学部卒。主婦業の傍ら、幼いころからの「作家になる」という夢を持ちつづけ、55歳で小説講座に通いはじめる。8年をかけて『おらおらでひとりいぐも』を執筆、2017年、河出書房新社主催の新人賞である文藝賞を史上最年長となる63歳で受賞しデビュー。翌2018年、同作で芥川賞を受賞。『おらおらでひとりいぐも』は世界10か国超で翻訳、刊行決定している。2022年、ドイツ語版Jeder geht für sich allein(ユルゲン・シュタルフ訳)で独の著名な文学賞、リベラトゥール賞を受賞。その他著書に『かっかどるどるどぅ』(2023年)がある。

レビュー

  • 読んで本当に良かった

    友人に勧められ、図書館で借りたあと、手元に置いておきたくて購入しました。 『自分よりかわいい子供はいない』 40台半ばの今の自分にも、未来の年老いた自分にも、幼かった自分にも寄り添ってくれる作品です。特に主婦の女性の方におすすめです。 文学って素晴らしい。

  • 東北弁が響く、老いと自由の物語

    1954年生まれの女性作家による、63歳でのデビュー作。芥川賞を受賞した一冊です。 芥川賞作品なのでエンタメ色は強くありませんが、 令和の時代を生きる74歳のひとり暮らしの女性が描かれており、 老い、孤独、そして自由の味わい深さを感じる小説でした。 特徴的なのは、一人称パートが東北弁、三人称パートが“標準語”で書かれている点。 自分の祖父母が青森出身で津軽弁を聞き慣れていることもあり、読んでいてとても楽しかったです。 気になってAudible版も試してみたところ、 語り手がしっかり東北弁で読んでいて驚きました。 ニュアンスがしっかり伝わり、音声でも味わい深い作品でした。 沖田修一監督で映画化されているので、そちらもぜひ観るつもりです。

  • 難しい!!

    読了したので、感想を。難しかったです、前知識として方言に理解がなければかなりつまづかされるのではないでしょうか。あまりに方言が濃い部分は正直標準語に訳された状態で読みたくなりました笑 桃子さんの圧倒的で絶望的な内省の深さに自分はついていけませんでした。読み手の読解力と、年代としての感受性がこれほど試される小説もないんじゃないでしょうか、自分は三十台男ですが、正直この小説の熱量の十パーセントも受け取れたとは思えませんでした。自分が老人になったとき、それまで生きていられたとしたら改めて読んでみたい作品です。年代に言及するのは失礼にあたるかもしれないですが、作者さんがこの作品を二十代で書かれていたとしたら、後世に語り継がれる大作だったのではないでしょうか。

  • 和製「失われた時を求めて」進化版

    先に本作を映像化した田中裕子さん主演の「おらおらでひとりいくも」を視聴。 映画ややファンタジックに仕上がっていたが主演の田中裕子さんを始め、若き日の主人公を演じた蒼井優さん等、キャスティングが素晴らしく、派手さはないが静かな感動作に仕上がっていた。 今ならアマプラの見放題対象となっているので興味のある方には是非お薦めしたい。 本作も素晴らしかった。ほぼ東北弁で書かれていて、映像の助けもないが、心と頭に不思議と染み込んでいく。 これをよく映像化したものと感心。映画では主人公桃子の日常にスポットが当たっていたが、本作でも舞台はそうなのだが、桃子と時間の関係というか、より大きな時間の中で生きる彼女の姿が印象的だった。 思い出すのは「失われた時を求めて」。現代小説の古典というべき名著であるが、過去の考察を続ける主人公「わたし」よりも、桃子の時間の観念の方が先を行っている感じがした。 今現在を《舞台》とすると、過去をつなぐのは《迫(せり)》である。 「失われた時…」では主人公はこの迫に乗って《奈落(舞台下)=過去》へ降りていく。 一方、桃子の場合は迫が奈落から過去を載せて上がってくる。つまり今のステージ上に過去が混在することになる。 さらに桃子の舞台には吊物装置が付いていて《天井=未来》からも少し先の桃子がやってくる。おしゃべりな過去の桃子に対し、未来の桃子は寡黙。今の桃子と言葉を交わすことはない。 桃子の時間は大昔マンモスがいた頃から亡き夫がいるあの世にも繋がっている。 “失われた時を求めて”ばかりの「わたし」比べて、過去と未来とともに生きる桃子は自由である。

  • 5つ星のうち4.0 ?

    良かったです

  • 芥川賞系の読者ではないことを確認しました

    宮沢賢治が好きなので、苦手な純文学系の小説ですが手に取りました。 最初の50ページくらいはとても楽しんで読みました。なにせ表現が面白くてサクサク読める。ジャズをBGMに亡き夫の仏壇の前で裸踊り。明るく楽しい言葉遣いで、主人公の深い悲しみを表現するところ、文章力がともかくすごい。 でも後半部分から、老女の愚痴臭がすごい。 コメントも批判っぽいのは若い人で、ある程度人生経験つんだ人には楽しめそう、と思って読んでいたのですが、 経験つんだからこそ人生は悲しくて寂しいのはもうわかってる。だからもう東北弁の陰気な愚痴とか聞きたくない。という気分になってしまった。 酒を飲む男を観察するシーン、とか、所々本当にすごいのに、残念過ぎる。 後半の読むのもメンディーポエム部分を省いて、サクッと書いたらもっと傑作になったと思うんだけどな。 ごめんなさい、今はこんな感想です。私の至らないせいなのですが。

  • 誰の心にもある壮大なストーリー

    目的は遠野弁でした。 ところがどうして、それどころではなくなりました。 これから喪失の悲しみに出逢うものとして、いい歳をしてるけど、実はまだまだ何も知らないのだと、本当のことを知るのはこれからなのだと。 怖くなりました。 壮大なストーリーでした。 心に残る一冊です。

  • テレビでのPRを見た時は、惹かれました。

    途中で、嫌になってしまいました。

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