作品情報
混沌のただ中でも、句は静かな輪郭を保つ。
深夜叢書社から2022年8月に刊行された句集。平成26年から令和4年前半までの俳句をまとめ、387句を通して新境地を示す。
書籍情報
- 出版社
- 深夜叢書社
- 発売日
- 2022-08-17
- ページ数
- 209ページ
- 言語
- 日本語
- サイズ
- 13.5 x 2 x 19.5 cm
- ISBN-13
- 9784880324722
- ISBN-10
- 4880324728
- 価格
- 2750 JPY
- カテゴリ
- 本/文学・評論
Amazon.co.jp: 渾沌 : 星野高士: 本
レビュー
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混沌とした世にあって爽やかな句集!
俳句結社玉藻の主宰星野高士氏の作品で、ウイスキーでいえば、いよいよ熟成の時を迎えた印象を受けた。 老鷹の山河に別れ告ぐ飛翔 老いた象は仲間の群れから離れて静かに死を迎えるという。鷹もそうなのかな、とふと思った。 どの道も迷ふことなき恵方かな 思わず何かしら悟った気分になれた。 薮入りやしばらくたてば国訛り 家内が故郷の妹と長電話すると日頃完璧な標準語の彼女が故郷のなまりに、人の心の自然に満ちた句。 初夢を見たくて枕新しく 納得がいく句。 よい夢が見られれば安い買い物である。 母の日は俳句談義は欠かせなく 著者は高濱虚子の子孫で、星野立子は祖母、母は星野椿氏。伝統俳句の家の母の日はさぞ俳句談義が盛んに違いない。 待つことも尊き土用鰻かな 思い当たる句。美味しいものは少し待たされても仕方がない。待っている時間すらご馳走と思える。 著者は「何とかこの混沌とした世の中を乗り越え、元の日常が戻ることを願う」とあとがきで記している。この句集はコロナで明け暮れた日々の精神の消耗を簡潔な句で癒してくれている。折々に読み直したい句集である。これら387句との出会いは実に至福の時間となった。
関連する文学賞
- 詩歌文学館賞 第38回(2023年) ・受賞
- 俳句四季大賞 第22回(2023年) ・受賞