芸術選奨文部科学大臣賞 げいじゅつせんしょう もんぶかがくだいじんしょう
第12回(1962年)
受賞者
10名『さくらの花』は、網野菊の短編小説。裕福な旅館の女将となった義妹の死をめぐり、家族の記憶、病、死生観を、静かで抑制された筆致で描く。
さくらの花の淡さに、家族の記憶と死の気配が重なる。
『名もなく貧しく美しく、永遠の人』は、高峰秀子の映画出演・演技活動に対する芸術選奨の対象。聴覚障害者夫婦の生活を描く映画と、愛憎を抱えた人間像を演じた映画で、抑制と強度を併せ持つ演技が評価された。
言葉を越えた演技と、沈黙の奥の感情が評価された。
『イルクーツク物語』は、宇野重吉が劇団民藝で演出したソビエト現代劇。シベリアの建設現場を背景に、若者たちの労働、恋愛、集団の倫理を舞台上で力強く描いた。
シベリアの建設現場に、若者たちの恋と労働の熱が立ち上がる。
『高尾さんげ』は、清元志寿太夫の清元節語りとして評価された演奏作品。遊女高尾をめぐる情念と悔恨を、語りの節回しと声の力で立ち上げる古典芸能の舞台である。
声の節に、遊女高尾の情念と悔恨が宿る。
石井みどりがストラヴィンスキー「春の祭典」に振り付けたモダンダンス作品。生贄の物語に寄せず、自然と生命力を人間の身体そのものから立ち上げる群舞として構成されている。
変拍子を身体で受け止め、生命の躍動を群舞として押し出す舞台作品。
青山圭男によるプッチーニ歌劇の上演・演出成果として扱われる作品。異国的な宮廷譚を舞台上の視覚、音楽、人物配置で立ち上げ、古典オペラの劇的な緊張を日本の劇場空間に移した。
冷たい謎かけと求愛の熱が交錯するオペラを、舞台成果として評価された作品。
早稲田大学演劇博物館が編んだ全巻構成の演劇事典。日本と海外の演劇、俳優、劇場、用語、作品、制度を横断的に扱い、演劇研究の基礎資料として作られている。
演劇を人物、作品、劇場、制度から引ける大規模な専門事典。