ファンタジア大賞 ふぁんたじあたいしょう
第18回(2006年)
受賞者
6名川口士のファンタジア長編小説大賞受賞作。刊行時には『戦鬼 ―イクサオニ―』へ改題され、鬼の少年・温羅の復讐と人間の少女との旅を描く。
鬼と人が共存した村の崩壊から、少年の復讐の旅が始まる。
冴えない少年が、できそこないの死神ナギと暮らすことになり、甘い題名とは裏腹に死と契約をめぐる騒動へ巻き込まれていくライトノベル。軽快な会話と同居もののテンポで、異界の存在が日常をかき回す楽しさを押し出している。
できそこないの死神との出会いが、少年の日常を一変させる。
来間鉄斎が、族メットに憑依した異世界の勇者ジャバと出会うところから始まる、ヒーローものの熱さを笑いへ転じたライトノベル。勢いのある設定で、日常の場に突然入り込んだ勇者の論理が主人公を振り回していく。
異世界の勇者は、なぜか族メットに宿って少年の前に現れる。
物体の名前を詠うことで呼び寄せる名詠式を学ぶ少年少女を描く学園ファンタジー。夜色名詠に憧れる少女と、過去の願いを抱えた少年の出会いが、詠うことの意味と失われたものへの思いを静かに広げていく。
名を詠う力は、誰かのもとへ還りたいという切ない願いにつながっている。
宝石をめぐる幻想的なイメージを軸に、喪失や記憶に触れる長編ファンタジー。切なさと爽やかさを併せ持つ物語として紹介され、受賞時の新人らしい真っ直ぐな感情の運びが読みどころになる。
宝石の輝きが、忘れがたい記憶と再生への願いを照らす。
第十八回ファンタジア長編小説大賞の受賞作として題名と作者名が確認できるが、単行本または文庫として刊行された形跡は確認できなかった。題名からはダークファンタジー寄りの気配がうかがえるものの、作品本文や刊行版の紹介は見つからないため、内容説明は受賞時の確認範囲にとどめる。
受賞作として題名は残るが、刊行版は確認できない。