日本ファンタジーノベル大賞 にほんファンタジーノベルたいしょう
第10回(1998年)
受賞者
4名音楽大学の助教授テオドール・ヴェルナーは、南米ブエノスアイレスの教会に彗星のごとく現れた謎の天才オルガニスト「ハンス・ライニヒ」の演奏記録を入手する。その演奏は、9年前に自動車事故で右半身の自由を奪われたまま病院から姿を消した親友ヨーゼフ・リヒターを彷彿とさせた。ライニヒはヨーゼフなのか——。バッハのオルガン音楽を軸に、ミステリーからSF、ファンタジーへと鮮やかに変容するデビュー長編。音楽への純粋な狂熱と、人間の限界を超えようとする意志を描く。
「ぼくは音楽になりたい」——その言葉が導いた、奇跡か悲劇か。
南の小国・イシャナイでは、近代化と植民地化に抗う人々が闘いを繰り広げていた。文化も誇りも、力の前には消えるほかないのか——学術調査に赴いた女性研究者・瞳子は、ジャングルでゲリラの頭目ヤンと出会い、小国の悲しき未来をいくつも目の当たりにしていく。服従か抵抗か、暴力か非暴力か。「瞳子。世界はぼくたちを憎んでいるのだろうか」——力弱き抵抗者たちが掴み取ったものを問う、第10回日本ファンタジーノベル大賞優秀賞受賞作。
「瞳子。世界はぼくたちを憎んでいるのだろうか」——小国の命運を賭けた、ゲリラの頭目と一人の女性の物語。
1996年10月、システムエンジニアの神野俊幸は、一台の PC-9801VM だけを残して突然行方不明になった親友 A を探し始める。探偵・佐伯敬次郎とともに手がかりを追ううち、インターネット上に存在するという謎の存在「青猫」にたどり着く。黎明期のネットワーク社会を舞台に、失踪の真相と「青猫」の正体を巡るミステリアスな物語。
パソコン一台だけを残して消えた友人、そしてインターネットの深部に潜む「青猫」の謎――黎明期のネット社会を舞台に描くファンタジック・ミステリー。