芸術選奨文部科学大臣賞 げいじゅつせんしょう もんぶかがくだいじんしょう
第18回(1968年)
受賞者
13名奇妙な題名のもと、現実の手触りと幻想的な感覚を交差させる小説。藤枝静男らしい内省と異化の視線が、日常を不安定なものとして浮かび上がらせる。
空気頭は、藤枝静男の表現が受賞時の評価と結びついた作品である。
自然、家族、病や老いの感覚を端正な短歌に結晶させた歌集。吉野秀雄晩年の眼差しが、日常の細部に深い陰影を与えている。
含紅集は、吉野秀雄の表現を歌集として伝える作品。
パリでの思索と信仰、音楽、文学への感受を重ねた随想集。ノートル・ダムを遠い精神的焦点として、異国で生きる自己の内面を静かに掘り下げる。
遥かなノートル・ダムは、森有正の表現を随想として伝える作品。
ヨーロッパ各地の建築、街路、人の気配を、静謐で緊張感のある構図に収めた写真集。時間が止まったような空間を通じ、戦後写真の個人的な視線を強く示す。
ヨーロッパ・静止した時間は、奈良原一高の表現を写真集として伝える作品。
歌舞伎十八番に連なる演目を、俳優の身体性と古典の型で見せる舞台作品。怒り、祈り、誘惑が交錯する場面を通じ、荒事と色気の双方を際立たせる。
鳴神は、中村芝翫の表現を歌舞伎上演として伝える作品。
武家社会の命令と人間の尊厳がぶつかる時代劇映画での出演を中心とする受賞対象。抑制された怒りと悲劇性が、人物の倫理的な抵抗を際立たせる。
上意討ち 拝領妻始末、グラン・プリは、三船敏郎の表現を映画出演として伝える作品。
ワーグナー作品の上演を通じ、宗教性と音楽的な緊張を舞台上で表した受賞対象。声楽表現と劇的な構成が中心となる。
パルジファルは、大橋国一の表現をオペラ上演として伝える作品。
源氏物語の受容と鎮魂の感覚を舞踊として表した作品。古典文学の情趣を身体表現へ移し、雅やかな所作の中に追憶と祈りを重ねる。
源氏供養は、五条珠実の表現を舞踊として伝える作品。
モントリオール万国博覧会の日本館を対象とする建築作品。展示空間と日本的な構成感を国際博覧会の文脈に置き、建築と展示の関係を示した。
モントリオール万国博覧会・日本館は、芦原義信の表現を建築として伝える作品。
道成寺伝説を舞台芸能として扱う受賞対象。情念、変身、鐘のイメージを軸に、古典の劇的な緊張を音と身体で立ち上げる。
道成寺は、山彦川原の表現を邦楽・舞台として伝える作品。
テレビ演出の仕事として評価された作品群で、時代劇的な物語性と小さな世界の精密な人間観察が並ぶ。映像表現における演出の密度が受賞文脈の中心にある。
文五捕物絵図、小さな世界は、和田勉の表現が受賞時の評価と結びついた作品である。
古典落語の語りに江戸の風情と人物の滑稽味を立ち上げる高座芸。三遊亭圓生の話芸が、噺の世界を端正かつ豊かに可視化する。
江戸の夢は、三遊亭圓生の表現が受賞時の評価と結びついた作品である。
ドイツ・ルネサンスの画家たちを、作品様式と時代背景の両面からたどる美術評論。デューラーらの造形を近代美術史の視野に置き、画家ごとの個性と宗教改革期の精神を読み解く。
ドイツ・ルネッサンスの画家たちは、土方定一の表現を美術評論として伝える作品。