芸術選奨文部科学大臣賞 げいじゅつせんしょう もんぶかがくだいじんしょう
第36回(1986年)
受賞者
19名日野啓三の小説です。都市の廃棄物処理場として知られる夢の島を想起させる場を通じて、戦後都市、記憶、身体の不安を重ね合わせます。現実的な風景が、内面の荒廃や幻想へと開いていく作品です。
都市の廃棄された場所から、記憶と幻想が立ち上がる。
那珂太郎の詩的散文・日記的作品を含む一冊です。日々の思索を端正な言葉で留め、詩人の内面と読書、季節の感覚が静かに交差します。
日々の思索が、詩人の言葉として静かに積み重なる。
佐伯彰一が自伝というジャンルを近代文学の中心的な問題として読み解く評論です。作家が自らを語る行為を、個人史、文学形式、時代精神の交差点として考察します。
自分を語る形式から、近代文学の精神を読み解く。
野口武彦が『源氏物語』を江戸期の読解や注釈文化から読み直す評論です。古典を固定された名作としてではなく、後世の読者が作り替えてきた生きたテキストとして捉えます。
江戸の読者の目を通して、『源氏物語』が別の姿を見せる。
伊達騒動を素材にした歌舞伎の古典演目です。乳人政岡を中心に、忠義、母性、陰謀が緊密に組み合わされ、女方芸の見せ場としても重視されてきました。
忠義と母の情が、政岡の沈黙と所作に凝縮する。
柳町光男監督の映画作品です。熊野を思わせる土地を舞台に、自然、共同体、男の衝動がぶつかり合い、神事と暴力が隣り合う濃密な世界を描きます。
火と海と山の気配が、共同体の奥に眠る衝動を照らす。
山田太一脚本によるテレビドラマ作品です。老い、家族、人生の晩年を見つめ、静かな会話と抑制された演出で人間関係の温度を描きます。
冬に向かう時間の中で、人は家族と自分の来し方を見つめる。
三善晃の合唱・管弦楽作品です。死者への祈りと戦後的な痛みを、鋭い響きと緊密な構成で表現し、日本の現代音楽における重要作として受け止められています。
祈りと痛みが、合唱と管弦楽の響きに結晶する。
藤蔭静枝による舞踊作品です。文学的な題材や女性像を身体表現へ移し、抑制された所作の中に情念と余韻を宿します。
物語の気配が、舞踊の所作として静かに立ち上がる。
木之下晃の写真作品群です。指揮者や演奏家の姿を、舞台上の華やかさだけでなく、音楽に向かう身体と集中の瞬間として写し取ります。
音楽が鳴る前後の身体に、演奏家の精神が表れる。
荘司福の美術作品です。時間の重なりや記憶の層を、静かな色調と構成の中に沈めるように表した作品として受け止められます。
時間そのものを、画面の奥に沈む気配として描く。
義仲伝説を背景にする浄瑠璃・歌舞伎の古典演目です。恩義、復讐、親子の情が重なり、語りと所作によって悲劇の緊張を高めます。
古典の語りが、義理と情の裂け目を舞台に刻む。
渡辺貞夫の音楽活動を示すジャズ公演・プロジェクトです。サックスの伸びやかな歌心と、バンドの躍動感を前面に出したライブ性の強い作品として位置づけられます。
サックスの歌心が、バンドの熱とともに広がる。
佐伯彰一が自伝というジャンルを近代文学の中心的な問題として読み解く評論です。作家が自らを語る行為を、個人史、文学形式、時代精神の交差点として考察します。
自分を語る形式から、近代文学の精神を読み解く。
伊達騒動を素材にした歌舞伎の古典演目です。乳人政岡を中心に、忠義、母性、陰謀が緊密に組み合わされ、女方芸の見せ場としても重視されてきました。
忠義と母の情が、政岡の沈黙と所作に凝縮する。
柳町光男監督の映画作品です。熊野を思わせる土地を舞台に、自然、共同体、男の衝動がぶつかり合い、神事と暴力が隣り合う濃密な世界を描きます。
火と海と山の気配が、共同体の奥に眠る衝動を照らす。
山田太一脚本によるテレビドラマ作品です。老い、家族、人生の晩年を見つめ、静かな会話と抑制された演出で人間関係の温度を描きます。
冬に向かう時間の中で、人は家族と自分の来し方を見つめる。
木之下晃の写真作品群です。指揮者や演奏家の姿を、舞台上の華やかさだけでなく、音楽に向かう身体と集中の瞬間として写し取ります。
音楽が鳴る前後の身体に、演奏家の精神が表れる。
義仲伝説を背景にする浄瑠璃・歌舞伎の古典演目です。恩義、復讐、親子の情が重なり、語りと所作によって悲劇の緊張を高めます。
古典の語りが、義理と情の裂け目を舞台に刻む。