毎日出版文化賞 まいにちしゅっぱんぶんかしょう
第8回(1954年)
受賞者
10名『姉妹』は、畔柳二美が自身の女学校時代をもとに、性格の異なる二人の姉妹の成長を描いた長編小説である。昭和29年刊行の作品として毎日出版文化賞を受賞し、のちに映画化もされた。北海道の自然や家庭、学校生活を背景に、少女たちが互いに違いを抱えながら信頼を育てていく。
対照的な姉妹の成長を通して、北海道の自然と少女期の信頼を描く自伝的長編。
『夜あけ朝あけ』は、住井すゑによる児童文学の長編小説。戦後の茨城県の農村を舞台に、両親を失った兄弟姉妹が貧しさと孤独の中で支え合いながら生きていく姿を描く。農村の厳しい現実を子どもの視点からとらえ、苦難の中にある希望と成長を描いた作品である。
夜が明け、朝が来るように、子どもたちは貧しさの中で互いを支えながら生きる力を育てていく。
「村の図書室」は、岩波書店が1950年代に農村の読者へ向けて刊行した教養書シリーズです。農村の生活、政治、医療、国際情勢などを平易に扱い、地域の読書会や学習の場で使われることを意識した出版企画でした。
農村の読者に社会と暮らしを考える本を届けようとした、戦後の教養出版シリーズです。
『民家の庭』は、美術史家の西村貞が日本の民家に付随する庭を取り上げ、その形、生活との結びつき、地域性を図版と文章で示した研究書である。美術出版社から1953年に刊行され、1954年度毎日出版文化賞を受けた。
民家の庭を生活の場として見つめ、日本の住まいと庭の関係を図版とともに読み解く。
波多野勤子『幼児の心理』は、幼児期の心の発達を、母親や保育者に向けてわかりやすく説いた児童心理学の本です。子どもの可能性を信じ、日常の行動や感情を理解することから育児を考える姿勢を示しています。
幼児の行動の奥にある心を理解し、子どもの伸びる力を見つめる育児書です。
『自然科学の名著』は、湯浅光朝が編んだ自然科学古典への案内書。古代から近代に至る科学の代表的著作を時代別に見渡し、現代の読者が科学の古典をどう読み、どのように役立てるかを示している。
科学の古典を、時代の流れと現代的な読み方の両面から案内する一冊。
『心理学講座』は、日本応用心理学会が編集し、中山書店から1953年から1954年にかけて刊行された心理学の大規模講座である。現代心理学、発達、学習、臨床、社会心理などを幅広く扱い、戦後日本の心理学を体系的に紹介する「現代心理学の百科事典」として企画された。
戦後日本の心理学を、基礎から応用まで体系的に見渡すために編まれた大規模講座。
『農業図説大系』は、野口弥吉編による全5巻の農学・農業技術の図説大系。作物、育種、農業の基礎など、戦後日本の農業を体系的に理解するための知識を図版と解説でまとめた。実務と教育の双方に向けて、農業技術を視覚的に整理した自然科学系の出版物である。
図版と解説を通じて、戦後日本の農業技術と作物理解を体系的に示す。
『学生の理科辞典』は、中教出版が1954年に刊行した学生向けの理科辞典です。自然科学の用語や基礎知識を大部の一冊にまとめ、理科を学ぶ学生が参照できる実用的な辞典として作られました。
戦後の理科学習を支えるため、自然科学の知識を一冊に集めた学生向け辞典です。
平凡社による世界史の大型事典。古代から現代までの人名、地名、事件、制度、文化事項を広く扱い、本文巻に索引と史料篇を加えた多巻構成で刊行された。
世界史の主要事項を見出しごとに解説し、索引と史料篇を備えて、読者が時代や地域を横断して歴史を参照できるようにした事典。