毎日出版文化賞 まいにちしゅっぱんぶんかしょう
Edition 32 (1978)
Winners
12 people『劇的文体論序説』は、田中千禾夫によるノンフィクション・評論作品で、対象となる人物、事件、制度、文化を丹念に追いながら、時代の構造を読み解こうとする作品である。受賞歴は、調査の厚みと叙述の持続力が出版文化の面から評価されたことを示している。
丹念な調査と叙述を通じて、人物や社会の背後にある時代の形を探る。
『万葉開眼』は、土橋寛が万葉集の歌と言葉を歴史・民俗・信仰の広がりの中で読み解く評論である。古代文学を閉じた古典としてではなく、人びとの生活感覚や共同体の記憶に根ざす表現として捉え直す。
万葉の歌に残る声から、古代の人びとの感情と信仰を開いていく。
『ゲンダーヌ ある北方少数民族のドラマ』は、田中了とダーヒンニェニ・ゲンダーヌが、サハリンから北海道へ移ったウイルタの歴史と戦後の生活をたどる記録である。少数民族の尊厳、移住、差別、支援活動を具体的な人間の経験として描く。
北方少数民族ウイルタの歩みを、一人の生涯と戦後史の中に刻む。
『作文集 泣くものか』は、養護施設で暮らす子どもたちの言葉を集めた作文集である。親子、家庭、社会をめぐる切実な経験が、子ども自身の声として迫ってくる。
施設で暮らす子どもたちの言葉が、家庭と社会のあり方を問いかける。
『天皇観の相剋 1945年前後』は、日本降伏をめぐる連合国側の天皇観の対立を実証的に追い、占領政策と戦後改革を思想史の問題として読み解く研究である。諸外国の視線を通して、天皇制と日本社会の自己像を問い直す。
敗戦前後の天皇制を、国際政治と思想史の交差点から検証する。
『現代社会主義の省察』は、渓内謙がソ連史研究の視点から現代社会主義の権力、制度、思想を検討する評論である。理念と現実のずれを見つめ、社会主義を歴史的経験として考察する。
社会主義の理念と権力の現実を、歴史研究の目で問い直す。
『新南島風土記』は、新川明が八重山を中心とする南島の歴史、祭祀、生活を現地の感触から描いた評論・紀行である。沖縄を国家の周縁としてだけでなく、独自の時間と文化を持つ場として読み直す。
八重山の風土と記憶から、沖縄の歴史意識を掘り起こす。
『化学症』は、横瀬浜三が化学工業と労働現場における健康被害、職業病、安全管理の問題を扱ったノンフィクションである。産業社会の便利さの背後にある身体への負荷を、具体的な被害と制度の課題から考える。
化学物質と労働環境が人間の身体に及ぼす影響を告発的に見つめる。
『クラウン仏和辞典』は、フランス語学習者と一般読者に向けた仏和辞典である。基本語から時事語、豊富な用例までを収め、長く改訂を重ねて使われてきた学習辞典として位置づけられる。
フランス語の語義と用例を広く収めた、学習仏和辞典の定番。
『シリーズ・戦争の証言』は、戦争体験を多様な語り手の証言として残す太平出版社の叢書である。空襲、疎開、軍隊、引き揚げなどの経験を、個人の記憶から社会の記録へとつなげている。
戦争を体験した人びとの声を集め、次世代へ伝える証言の叢書。
『世界教育史大系』は、梅根悟によるノンフィクション・評論作品で、対象となる人物、事件、制度、文化を丹念に追いながら、時代の構造を読み解こうとする作品である。受賞歴は、調査の厚みと叙述の持続力が出版文化の面から評価されたことを示している。
丹念な調査と叙述を通じて、人物や社会の背後にある時代の形を探る。
『小熊秀雄全集』は、小田切秀雄によるノンフィクション・評論作品で、対象となる人物、事件、制度、文化を丹念に追いながら、時代の構造を読み解こうとする作品である。受賞歴は、調査の厚みと叙述の持続力が出版文化の面から評価されたことを示している。
丹念な調査と叙述を通じて、人物や社会の背後にある時代の形を探る。