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第2回(1980年) 受賞受賞作: 遠雷
宇都宮郊外で、団地に囲まれながらわずかに残った土地にしがみつき、トマトのハウス栽培を続ける青年・満夫を描く長編小説。高度成長後の都市化、農地と家族の変質、性と金をめぐるむき出しの欲望が、遠く鳴る雷のように生活へ迫ってくる。
団地のそばのビニールハウスで、青年は変わりゆく土地に抗うようにトマトを育てる。
271ページ都市化農地宇都宮トマト栽培家族の崩れ青春小説
立松 和平
たてまつ わへい
Tatematsu Wahei
プロフィール
- 性別
- 男性
- 生誕
- 1947-12-15 (栃木県宇都宮市)
- 死没
- 2010-02-08 (東京都) 62歳
- 国籍
- 日本
- 言語
- 日本語
- 宗教
- 仏教
- 居住地歴
- 栃木県宇都宮市 → 東京都 → 知床(北海道)
経歴
- 職業
- 小説家, 作家
- 活動期間
- 1978年〜2010年
- 所属
- 日本ペンクラブ
- 所属団体
- 日本ペンクラブ
- 影響を受けた人物
- 有馬頼義, 三浦哲郎, 中上健次
- 影響を与えた人物
- 林心平(長男・文筆活動), 横松桃子(長女・イラストレーター)
学歴
| 学校 | 学部 | 学科 | 学位 | 期間 | 国 |
|---|---|---|---|---|---|
| 早稲田大学 | 政治経済学部 | — | 学士 | — | 日本 |
受賞歴
| 年 | 賞名 | 対象作品 | 部門 | 主催 | 結果 |
|---|---|---|---|---|---|
| 1970 | 早稲田文学新人賞 | 自転車 | — | 早稲田文学 | 受賞 |
| 1980 | 野間文芸新人賞 | 遠雷 | — | 野間文化財団 | 受賞 |
| 1985 | ロータス賞(若い作家のためのロータス賞) | — | — | アジア・アフリカ作家会議 | 受賞 |
| 1993 | 坪田譲治文学賞 | 卵洗い | — | 坪田譲治文学賞選考委員会 | 受賞 |
| 1997 | 毎日出版文化賞 | 毒 - 風聞・田中正造 | — | 毎日新聞社 | 受賞 |
| 2002 | 大谷竹次郎賞 | 道元の月(歌舞伎台本) | — | 大谷竹次郎賞選考委員会 | 受賞 |
| 2007 | 泉鏡花文学賞 | 道元禅師 | — | 泉鏡花文学賞選考委員会 | 受賞 |
| 2008 | 親鸞賞 | 道元禅師 | — | 親鸞賞選考委員会 | 受賞 |
受賞・候補エディション
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第8回(1992年) 受賞受賞作: 卵洗い
立松和平の長編小説。山里の暮らし、家族、生命をめぐる感覚を、卵を洗うという具体的な行為に重ね、子どもにも届く物語として描く。
卵を洗う手の感触から、命と暮らしの物語が始まる。
259ページ家族山里の暮らし生命児童文学
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第51回(1997年) 受賞受賞作: 毒:風聞・田中正造
『毒:風聞・田中正造』は、立松和平による作品で、1997年の毎日出版文化賞で受賞対象となった。東京書籍から刊行された作品として読まれている。
毎日出版文化賞で受賞対象となった『毒:風聞・田中正造』。
313ページ
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第35回(2007年) 受賞受賞作: 道元禅師
『道元禅師』は立松和平による受賞作。作品は賞の対象分野に沿って、人物の選択、時代背景、感情の変化を中心に読ませる。
『道元禅師』は、立松和平の作風と受賞年の評価を伝える一作である。
歴史信仰幻想
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第5回(2008年) 受賞受賞作: 道元禅師
曹洞宗の開祖である道元の生涯を、修行、思想、時代の動きとともにたどる長篇。宗教者としての孤独と、真理を求める歩みが物語として描かれる。
曹洞宗の開祖である道元の生涯を、修行、思想、時代の動きとともにたどる長篇。
608ページ仏教修行思想生涯
作品
代表作
途方にくれて
1978年 小説那覇でのナイトクラブ経験などをもとにした処女作。若い放浪者の視点で人間模様を描く。
遠雷
1980年 小説都市近郊の農村を描いた長編。地域社会の細やかな生活や葛藤を描写し、野間文芸新人賞を受賞した。
- [映画] 遠雷 (1981)
- 遠雷
蜜月
1982年 小説人間関係や夫婦関係の機微を描く作品。後に映画化・脚本も担当した。
- [映画] 蜜月 (1984)
卵洗い
1992年 小説社会や人の営みを見つめる短編・中編作品。坪田譲治文学賞を受賞した。
毒 - 風聞・田中正造
1997年 歴史・伝記的要素を含む小説実在の人物・田中正造を題材にした作品。取材と歴史的想像力を織り交ぜた長編で毎日出版文化賞を受賞した。
光の雨
1998年 小説連合赤軍を題材の一つにした長編。初出時に盗作疑惑が生じ一旦連載が中断されたが、再構成のうえで刊行・映画化された。
- [映画] 光の雨 / 高橋伴明 (2001)
道元禅師
2007年 歴史・宗教小説仏教僧・道元を主題にした長編。宗教的な関心と歴史的探究をあわせもつ作品で泉鏡花文学賞などを受賞した。
全著作
- 途方にくれて
- ブリキの北回帰線
- 遠雷
- 蜜月
- ふたつの太陽
- 卵洗い
- 沈黙都市
- 毒 - 風聞・田中正造
- 光の雨
- 道元禅師
- パリ・ダカ 砂の水平線
- ボクシングは人生の御飯です
- 雨の東京に死す
- 卵洗い
- 河出書房新社『遠雷四部作 資料篇』
翻案
- 遠雷 — 映画化(1981年)
- 蜜月 — 映画(脚本担当、1984年)
- 光の雨 — 映画化(2001年)
作家による翻訳
- こどものためのサティ(訳)
- 釣魚大全(訳)
- ハックルベリィ・フィンの冒険(訳)
- 雨をまちながら(訳)
作風・主題
- 文体
- 郷土性を重視したリアリズム紀行文や随筆の要素を織り込む折衷的な文体直接的で語り口のある語り
- 頻出モチーフ
- 水/川自然旅共同体仏教的主題
健康
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多臓器不全2010年1月 - 2010年2月2010年2月8日に多臓器不全で死去(62歳)。1月に体調を崩して入院していた。
評価・遺産
郷土性や自然を描く多作の作家として知られ、野間文芸新人賞や泉鏡花文学賞など多数受賞した。一方で1993年以降の盗作疑惑など論争もあり、評価は功績と問題の双方を含む複合的なものとなっている。
記念館・博物館
- 立松和平文学碑 栃木県那須町 塩原温泉(大正浪漫街道付近) 2022年開館
関連学会
- 日本ペンクラブ
資料所蔵先
- 国立国会図書館(著作・所蔵)
- CiNii Books(著作情報)
大衆文化への影響
- テレビ朝日『ニュースステーション』のコーナー「こころと感動の旅」にレギュラー出演
- 代表作の映画化(『遠雷』『光の雨』など)
引用
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テレビに出るときにはわざとああいう話し方するんだ。おれは三千綱と違って何か工夫しないと仕事こねぇから。
出典: 『週刊朝日』追悼記事(高橋三千綱による回想を含む)、2010年 (2010年)
豆知識
- 本名は横松和夫。筆名の「立松」は本名の「横松」をもじって作ったもの。
- 早稲田大学在学中から放浪生活を送り、さまざまな職業を経験した(肉体労働、病院の看護助手など)。
- 1970年に『自転車』で第1回早稲田文学新人賞を受賞して文壇デビュー。
- 1980年の『遠雷』で野間文芸新人賞を受賞し、1981年に同作は映画化された。
- 1993年に『光の雨』で盗作疑惑が発生し、活動やメディア露出が減少した時期がある。
- 1990年前後にパリ・ダカールラリーにナビゲーターとして参加したことがある。
- 晩年は仏教への関心を深め、知床に毘沙門堂を設立した。
- 長女・横松桃子はイラストレーター/絵本作家として父の作品の挿絵を手がけている。