読売文学賞 よみうりぶんがくしょう
第53回(2001年)
小説戯曲・シナリオ随筆・紀行評論・伝記詩歌・俳句研究・翻訳
受賞者
6名虚実の境目を軽やかに越える語りで、アンリという人物の冒険をユーモラスに描く小説。知的な遊びと異国的な感覚が、物語を自由に広げていく。
『ホラ吹きアンリの冒険』は、荻野アンナの作風が凝縮された受賞作。
317ページ
小説冒険ユーモア虚実異国
在日コリアンの高校生を主人公にした映画脚本をもとに、国籍、恋愛、暴力、家族の問題を疾走感のある会話で描く作品。原作の鋭さを映像的なリズムへ変換している。
『GO』は、宮藤官九郎の作風が凝縮された受賞作。
150ページ
脚本在日コリアン青春恋愛家族
食の記憶を通して、旅、交友、家族、時代の移り変わりを味わい深く綴る随筆集。料理そのものよりも、人と土地を結ぶ時間の豊かさが前面に出る。
『食味風々録』は、阿川弘之の作風が凝縮された受賞作。
277ページ
随筆食旅記憶交友
生と死、明るさと暗さが対になって回転するような詩的世界を構築する詩集。幻想性と思想性が交わり、言葉の奥に異界の気配を残す。
『幽明偶輪歌』は、天沢退二郎の作風が凝縮された受賞作。
136ページ
詩生死幻想異界思想
書物の物質性と精神性をめぐり、読むこと、所有すること、文化として伝えることを考察する評論。形而下と形而上を行き来しながら、本の存在を問い直す。
『書物について』は、清水徹の作風が凝縮された受賞作。
400ページ
評論書物読書文化物質性
失われた時を求めて
プルーストの大長編を日本語へ移した翻訳業績。記憶、時間、社交界、芸術をめぐる精密な文体を、日本語の持続するリズムとして読ませる仕事である。
『失われた時を求めて』は、鈴木道彦の作風が凝縮された受賞作。
翻訳プルースト記憶時間文学