日本の文学賞

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読売文学賞 よみうりぶんがくしょう

第54回(2002年)

小説戯曲・シナリオ随筆・紀行評論・伝記詩歌・俳句研究・翻訳

受賞者

6名
水村美苗 みずむら みなえ 受賞

戦後日本とアメリカをまたぎ、東太郎とよう子の恋を軸に、没落する一族と階級の記憶を描く大長編。古典的な恋愛小説の骨格を、日本語の語りの中で大胆に組み替えている。

古典的恋愛小説の熱を、戦後日本の記憶へ移し替えた大長編。

469ページ
恋愛階級戦後日本語り
坂手洋二 さかて ようじ 受賞

人が身を潜める「屋根裏」をめぐって、ひきこもり、監視、幻想が入り混じる戯曲。小さな空間を増殖させる発想が、現代社会の孤独と不安を鋭く舞台化する。

世界一小さな舞台空間が、社会の閉塞と孤独を映し出す。

380ページ
戯曲ひきこもり閉塞社会不安
佐々木幹郎 ささき みきお 受賞

東シナ海をめぐる旅を通して、海を都市であり通路であるものとして読み直す紀行。島々、港、歴史の記憶をたどりながら、アジアの交流のかたちを描く。

海は境界ではなく、人と歴史が行き交う都市として立ち上がる。

280ページ
紀行東シナ海海域交流歴史
野口武彦 のぐち たけひこ 受賞

幕末を遠い過去ではなく、現代にもよみがえる時代の気分として読む歴史評論。政治、利害、事件、人間の動きを通じて、時代末期の熱と混乱を描き出す。

幕末は過去の事件ではなく、いまにも回帰する時代の気分として読まれる。

284ページ
幕末歴史評論時代精神
長谷川櫂 はせがわ かい 受賞

空や風、死者への思いを、短い俳句の中に大きく開いていく句集。言葉の余白が、季節の感触と喪失の気配を同時に呼び込む。

虚空に向けて放たれた句が、風景と死者の気配を静かに広げる。

231ページ
俳句季節虚空喪失
高松雄一 たかまつ ゆういち 受賞

十九世紀末から二十世紀の英詩を、技法と構造の面から読み解く研究書。ワイルド、イェイツ、エリオットらの詩を通して、モダニズム文学の豊かな緊張を示す。

英詩の技法を精密に読み、近代詩の構造をたどる。

436ページ
英文学近代詩モダニズム詩法