-
第15回(1974年) 受賞受賞作: 気ちがい通りのリナ
『気ちがい通りのリナ』は、柏葉幸子による児童文学。子どもの視点に近い語りで日常と想像力を結び、1974年の受賞作として物語の親しみやすさと心の動きの描写が評価された。
気ちがい通りのリナは、限られた形式の中に時代と人の気配を刻む作品。
成長想像力家族
柏葉 幸子
かしわば さちこ
Kashiwaba Sachiko
プロフィール
- 性別
- 女性
- 生誕
- 1953-06-09 (岩手県宮古市)
- 国籍
- 日本
- 言語
- 日本語
- 居住地歴
- 岩手県盛岡市
経歴
- 職業
- 小説家, 翻訳家, 薬剤師
- 活動期間
- 1975年〜
- 所属
- 日本ペンクラブ
- 所属団体
- 日本ペンクラブ会員
- 影響を与えた人物
- 宮崎駿
学歴
| 学校 | 学部 | 学科 | 学位 | 期間 | 国 |
|---|---|---|---|---|---|
| 東北薬科大学(現:東北医科薬科大学) | — | — | 学士 | 1972-1976 | 日本 |
受賞歴
| 年 | 賞名 | 対象作品 | 部門 | 主催 | 結果 |
|---|---|---|---|---|---|
| 1974 | 講談社児童文学新人賞(第15回) | 気ちがい通りのリナ | — | 講談社 | 受賞 |
| 1976 | 日本児童文学者協会新人賞(第9回) | — | — | 日本児童文学者協会 | 受賞 |
| 1998 | 産経児童出版文化賞(第45回) | ミラクル・ファミリー | — | 産経新聞社 | 受賞 |
| 2007 | 産経児童出版文化賞(第54回)大賞 | 牡丹さんの不思議な毎日 | 大賞 | 産経新聞社 | 受賞 |
| 2010 | 小学館児童出版文化賞(第59回) | つづきの図書館 | — | 小学館 | 受賞 |
| 2016 | 野間児童文芸賞(第54回) | 岬のマヨイガ | — | 野間文化財団 | 受賞 |
| 2022 | The Batchelder Award | 帰命寺横丁の夏(英訳版: Temple Alley Summer) | — | アメリカ図書館協会(ALA) | 受賞 |
受賞・候補エディション
-
第9回(1976年) 受賞受賞作: 霧のむこうのふしぎな町
小学六年生のリナが霧の谷の先にある不思議な町へ入り、風変わりな住人たちとの生活を通じて少しずつ自立していく児童文学ファンタジー。日常から異界へ踏み出す明るさと、働くことを通じた成長が瑞々しく描かれる。
霧が晴れると、リナの夏休みは不思議な町での成長の時間へ変わる。
216ページ児童文学ファンタジー自立夏休み
-
第54回(2007年) 大賞受賞作: 牡丹さんの不思議な毎日
牡丹さん一家が、幽霊のおばあさん・ゆきやなぎさんと暮らすことになる児童文学。温泉街を舞台に、不思議な来訪者たちと人情味のある毎日が描かれる。
幽霊のおばあさんと暮らす毎日が、家族を少しずつ変えていく。
174ページ児童文学幽霊温泉街
-
第59回(2010年) 受賞受賞作: つづきの図書館
田舎の小さな図書館で働く司書の桃さんの前に、物語の続きを知りたい絵本の登場人物たちが現れる。図書館を舞台に、物語を読むこと、語り継ぐこと、人と人が出会い直すことの温かさを描く児童文学。
物語の続きを求める声が、司書の桃さんを不思議な出来事へ連れていく。
242ページ図書館物語の力絵本の登場人物再出発ファンタジー
-
第54回(2016年) 受賞受賞作: 岬のマヨイガ
『岬のマヨイガ』は、居場所を失った少女たちが不思議なおばあさんと出会い、岩手の古民家で共同生活を始める児童文学作品である。震災後の痛みを背景に、民話的な想像力と再生の物語が重なる。
傷ついた子どもたちを、海辺の不思議な家と土地の記憶が受け止める。
127ページ児童文学幻想家族震災マヨイガ
作品
代表作
霧のむこうのふしぎな町
1975年 児童文学・ファンタジーデビュー作。見知らぬ町と出会う子どもたちの不思議な冒険を描く。
地下室からのふしぎな旅
1981年 児童文学・ファンタジー地下室から始まる不思議な世界への旅を描いた作品。累計発行部数が多く、アニメ映画『バースデー・ワンダーランド』の原作となった。
- [アニメ映画] バースデー・ワンダーランド / 原 恵一 (2019)
岬のマヨイガ
2015年 児童文学・ファンタジー東北を舞台にした物語。被災地支援の企画でアニメ化されるなど地域と深く結びついた作品。
- [アニメ映画] 岬のマヨイガ (2021)
帰命寺横丁の夏
2011年 児童文学下町の横丁を舞台にした短編集的要素のある作品。英訳版が評価され、海外の賞を受賞した。
- 英訳版: Temple Alley Summer
亜ノ国へ 水と竜の娘たち
2021年 一般小説・ファンタジー児童文学で知られる作者が初めて一般向けに挑戦した長編ファンタジー。
全著作
- 霧のむこうのふしぎな町(1975)
- 地下室からのふしぎな旅(1981)
- ミラクル・ファミリー(1997)
- 牡丹さんの不思議な毎日(2006)
- つづきの図書館(2010)
- 帰命寺横丁の夏(2011)
- 岬のマヨイガ(2015)
- 亜ノ国へ 水と竜の娘たち(2021)
翻案
- 『地下室からのふしぎな旅』 → アニメ映画『バースデー・ワンダーランド』(2019)
- 『岬のマヨイガ』 → アニメ映画『岬のマヨイガ』(2021)
作家による翻訳
- 『プリラの夢の種』(ゲイル・カーソン・レビン著の日本語訳、講談社)
- 『赤毛のアン』(部分・翻訳担当、ポプラ社)
作品の翻訳
- 『帰命寺横丁の夏』 → 英訳版 'Temple Alley Summer'(受賞作あり)
作風・主題
- 文体
- 和製ファンタジー温かな人物描写寓話的・幻想的な展開
- 頻出モチーフ
- 不思議な旅孤独な子どもと大人の交流家や町といった居場所
評価・遺産
児童文学分野で長年にわたり支持され、和製ファンタジーの代表的作家として評価される。複数作品が映像化され、国内外で翻訳・受賞もある。薬剤師としての経歴を持ちながら創作を続ける点でも知られる。
関連学会
- 日本ペンクラブ
大衆文化への影響
- 映画『バースデー・ワンダーランド』(2019)原作
- 映画『岬のマヨイガ』(2021)原作
豆知識
- 本職は薬剤師として岩手県盛岡市で勤務しながら作家活動を続けている。
- 宮崎駿の『千と千尋の神隠し』には柏葉の作品が影響を与えたと指摘されることがある。
- 累計発行部数50万部突破が報じられている(作品による)。
- 自身の作品のいくつかがアニメ映画化されている(『バースデー・ワンダーランド』『岬のマヨイガ』など)。