-
第17回(1983年) 受賞受賞作: 禁忌と好色
禁忌とエロスをめぐる感覚を、短歌的な言葉の密度で掘り下げる作品。身体、欲望、表現の境界を見つめ、近現代短歌の緊張を浮かび上がらせる。
『禁忌と好色』は、短歌評論・歌集として人の記憶と時代の手触りを静かに浮かび上がらせる。
記憶家族時代自己
岡井 隆
おかい たかし
Okai Takashi
プロフィール
- 性別
- 男性
- 生誕
- 1928-01-05 (愛知県名古屋市東区主税町)
- 死没
- 2020-07-10 (東京都武蔵野市) 92歳
- 国籍
- 日本
- 言語
- 日本語
- 宗教
- キリスト教 1949年受洗
- 居住地歴
- 愛知県名古屋市東区主税町 → 東京都(主に武蔵野市) → 九州(隠遁期間)
経歴
- 職業
- 歌人, 詩人, 文芸評論家, 内科医, 大学教授
- 活動期間
- 1946年〜2020年
- 所属
- 未来(短歌結社), 北里研究所付属病院(勤務歴), 国立豊橋病院(元内科医長), 京都精華大学 人文学部(元教授)
- 所属団体
- 未来(短歌結社), 日本藝術院, 京都精華大学 人文学部(元教授), 歌会始 選者(宮廷歌人), 宮内庁 御用掛(2007年)
- 影響を受けた人物
- 塚本邦雄, 寺山修司, 吉本隆明, W・H・オーデン
- 影響を与えた人物
- 小嵐九八郎, 池田はるみ, 山田富士郎, 加藤治郎, 大辻隆弘, 江田浩司, 田中槐, 紀野恵, 大滝和子, 東直子, 高島裕, さいかち真, 嵯峨直樹, 笹公人, 岡崎裕美子, 中沢直人, 萩原慎一郎
学歴
| 学校 | 学部 | 学科 | 学位 | 期間 | 国 |
|---|---|---|---|---|---|
| 旧制愛知一中(現・愛知県立旭丘高等学校) | — | — | — | — | 日本 |
| 旧制第八高等学校 | — | — | — | — | 日本 |
| 慶應義塾大学医学部・大学院医学研究科 | 医学部 | 内科 | 医学博士 (Doctor of Medicine / PhD) | — | 日本 |
受賞歴
| 年 | 賞名 | 対象作品 | 部門 | 主催 | 結果 |
|---|---|---|---|---|---|
| 1980 | 愛知県芸術文化選奨(文化賞) | — | 文化賞 | 愛知県 | recipient |
| 1983 | 迢空賞 | 禁忌と好色 | — | 迢空賞選考委員会 | recipient |
| 1990 | 斎藤茂吉短歌文学賞 | 親和力 | — | 斎藤茂吉短歌文学賞選考委員会 | recipient |
| 1995 | 現代短歌大賞 | 岡井隆コレクション | — | 現代短歌社 | recipient |
| 1996 | 紫綬褒章 | — | — | 日本政府 | recipient |
| 1999 | 詩歌文学館賞 | ウランと白鳥 | — | 詩歌文学館 | recipient |
| 2000 | 毎日芸術賞 | ヴォツェック/海と陸―声と記憶のためのエスキス(企画編集) | 企画編集 | 毎日新聞社 | recipient |
| 2004 | 旭日小綬章 | — | — | 日本政府 | recipient |
| 2005 | 読売文学賞(詩歌俳句賞) | 馴鹿時代今か来向かふ | 詩歌俳句賞 | 読売新聞社 | recipient |
| 2007 | 藤村記念歴程賞 | 岡井隆全歌集 | — | 藤村記念歴程賞選考委員会 | recipient |
| 2009 | 小野市詩歌文学賞 | ネフスキイ | — | 小野市 | recipient |
| 2009 | 日本藝術院会員 | — | 会員 | 日本藝術院 | inducted |
| 2010 | 高見順賞 | 注解する者 | — | 高見順賞選考委員会 | recipient |
| 2011 | 短歌新聞社賞 | X-述懐スル私 | — | 短歌新聞社 | recipient |
| 2016 | 文化功労者 | — | — | 文化庁/日本政府 | selected |
| 2020 | 旭日中綬章 | — | — | 日本政府 | posthumous award |
受賞・候補エディション
-
第1回(1989年) 受賞受賞作: 親和力
『親和力』は、岡井隆による歌集。受賞時の評価対象となった作品で、題名が示す情景や関係性を軸に、人物の記憶、土地、時代の空気を読ませる。
受賞作として読まれてきた『親和力』は、静かな題名の奥に人間と時代の手触りを残す。
受賞作歌集記憶時代
-
第18回(1995年) 受賞受賞作: 岡井隆コレクション
『岡井隆コレクション』は、岡井隆による現代短歌大賞受賞作。受賞時の評価対象となった作品で、題名やジャンルの特性を手がかりに、作者の関心が凝縮された一作として読める。
岡井隆の表現が、岡井隆コレクションという題名に凝縮された現代短歌大賞受賞作。
511ページ受賞作現代短歌大賞作者性
-
第14回(1999年) 受賞受賞作: ウランと白鳥
『ウランと白鳥』は、詩歌文学館賞の受賞作で、詩歌の言葉を通じて記憶、身体、風景を凝縮して表す作品です。
『ウランと白鳥』は、受賞対象となった作品の主題と語り口が端的に表れた一作です。
受賞作文学賞人間描写
-
第56回(2004年) 受賞受賞作: 馴鹿時代今か来向かふ
『馴鹿時代今か来向かふ』は、岡井隆による小説作品。受賞時の評価対象として、題名が示す情景や人物の動きを軸に、短い形式の中にも時間の厚みを感じさせる作品である。
馴鹿時代今か来向かふという題名が、作品の中心にある気配と緊張を端的に伝えている。
人物関係成長時代
-
第45回(2007年) 受賞受賞作: 全歌集
岡井隆の長い歌業を通覧する全歌集。戦後短歌から現代短歌へ至る表現の変化と、思想、身体、言葉への探求が一望できる。
岡井隆の長い歌業を通覧する全歌集。
短歌全歌集戦後文学言葉
-
第1回(2009年) 受賞受賞作: ネフスキイ
『ネフスキイ』は、岡井隆による2009年の受賞作です。刊行形態と書誌識別子は公開情報で単行本・文庫・短編集として確実に確認できる範囲に限定し、掲載誌や雑誌号の識別子は含めていません。
『ネフスキイ』は、岡井隆の受賞歴を語るうえで重要な作品です。
受賞作現代文学2009年
-
第40回(2010年) 受賞受賞作: 注解する者
注解という行為そのものを詩の方法に引き寄せ、古典・文学・記憶を横断する詩集。余白に書き込まれる声や疑いを、知的な詩の運動として立ち上げる。
ページの余白から、注解の声が詩として動き出す。
110ページ詩批評
作品
代表作
鵞卵亭
1975年 短歌1975年刊行の歌集。文学活動再開の契機となり、復帰後の作風変化を示す作品群。
海への手紙 歌論集
1962年 評論短歌表現や理論について論じた評論集。短歌の新しい方向性を探る試みを含む。
ヴォツェック/海と陸―声と記憶のためのエスキス
1999年 短歌/詩声と記憶を主題にした実験的な歌集。形式と主題の新たな融合を試みる作品群。
岡井隆全歌集
1987年 短歌集(全集)これまでの短歌を総括した全集。以降、増補版や全作集が刊行されている。
ネフスキイ
2008年 詩/歌集ロシアや海外志向のモチーフを含む近年の作品。2000年代の主要歌集の一つ。
全著作
- 斉唱
- 土地よ、痛みを負え
- 海への手紙 歌論集
- 朝狩
- 眼底紀行
- 現代短歌入門 危機歌学の試み
- 鵞卵亭
- 岡井隆歌集
- 茂吉の歌私記
- 禁忌と好色
- 岡井隆コレクション
- ウランと白鳥
- ヴォツェック/海と陸 声と記憶のためのエスキス
- 馴鹿時代今か来向かふ
- 注解する者
- X-述懐スル私
- ネフスキイ
- 鉄の蜜蜂
- 伊太利亜(日英独対訳版)
- あばな
作品の翻訳
- 伊太利亜(日英独対訳版)
作風・主題
- 文体
- 前衛短歌口語と文語の融和思想性の導入ライト・ヴァースの影響
- 頻出モチーフ
- 海記憶日常時間愛
健康
-
心不全2020-07-102020年7月10日に自宅で心不全のため死去
評価・遺産
岡井隆は戦後日本の前衛短歌を牽引した歌人の一人で、短歌表現の拡張と評論・教育面での貢献が高く評価されている。文化功労者・日本藝術院会員など多くの栄誉を受け、後進への影響も大きい。
関連学会
- 日本藝術院
- 京都精華大学(人文学部)
引用
-
桜なんか勝手に咲けよまだすこし怨念がある昨日の夢に
出典: 代表作(短歌) -
海こえてかなしき婚をあせりたる権力のやわらかき部分見ゆ
出典: 代表作(短歌)
豆知識
- 17歳で作歌を始めた
- 慶應義塾大学医学部卒業、内科医としても活動した
- 1970年に文学活動を停止して九州に隠遁したが、5年後に歌集『鵞卵亭』で復帰した
- 2016年に文化功労者に選出、2020年に没後旭日中綬章が追贈された
- 歌会始の選者(宮廷歌人)となった際には歌壇で論争が起きた