日本の文学賞

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歴史時代作家クラブ賞 れきしじだいさっかクラブしょう

第7回(2018年)

歴史小説時代小説

受賞者

7名
武川佑 たけかわ ゆう 受賞

武田信玄以前の甲斐を舞台に、武田信虎の異母弟と足軽大将・原虎胤が、それぞれの出自と呪縛を背負って乱世を駆ける長編歴史小説。山の民、武家の血脈、戦国の合戦を重ね、武田家が勢力を伸ばす時代の荒々しさを描く。

信玄以前の武田家に、虎と牙の名を背負う男たちがいた。

352ページ
戦国時代武田家山の民血脈と宿命歴史長編
今村翔吾 いまむら しょうご 受賞

かつて「火喰鳥」と呼ばれた新庄藩火消頭・松永源吾が、失意の浪人暮らしから再び火消しの誇りを取り戻していく時代小説。個性豊かな仲間たちと壊滅寸前の火消組を立て直し、江戸の火事場に立ち向かう。

炎に背を向けた男が、仲間とともに再び火事場へ戻る。

448ページ
江戸火消再起仲間職能集団時代小説
千野隆司 ちの りゅうじ 受賞
おれは一万石シリーズ/長谷川平蔵人足寄場シリーズ

千野隆司による二つの時代小説シリーズへの顕彰。譜代大名家の若き藩主を描く「おれは一万石」と、長谷川平蔵ゆかりの人足寄場を舞台にした「平之助事件帖」が、継続的な文庫時代小説の仕事として評価された。

小藩の政と人足寄場の事件を通じて、江戸の制度と人情を描く二つのシリーズ。

文庫時代小説シリーズ受賞大名家人足寄場江戸の制度
中島要 なかじま かなめ 受賞
着物始末暦シリーズ

着物の始末屋・余一と、彼を取り巻く人びとを描く中島要の文庫時代小説シリーズ。着物に残る思い出や傷を手がかりに、江戸の暮らしのなかの情と謎を拾い上げる。

一枚の着物に残された思いを、始末屋が静かにほどいていく。

着物江戸の暮らし人情連作シリーズ時代小説
浮穴みみ うきあな みみ 受賞

明治初期の函館を舞台に、洋式帆船造りの名匠だった続豊治をはじめ、北海道開拓期を生きる人びとの逡巡と決意を描く短編集。表題作では、失われた造船への情熱が若い船大工との出会いで再び動き出す。

江戸の残影が残る函館で、老船大工の胸に消えた火が戻る。

248ページ
明治初期函館北海道開拓船大工短編集
谷津矢車 やつ やぐるま 受賞
おもちゃ絵芳藤

幕末から明治へ移る時代に、歌川国芳門下の絵師・芳藤が、自分の才能への劣等感を抱えながらも絵筆を取り続ける長編時代小説。芳年、芳幾、暁斎ら同時代の絵師たちの個性を交え、失われやすいおもちゃ絵に託された矜持を描く。

才能の乏しさを知る絵師が、それでも消えゆく絵に自分の道を刻む。

320ページ
浮世絵幕末明治職人の矜持才能と劣等感歴史長編
林真理子 はやし まりこ 受賞
西郷どん!

林真理子が西郷隆盛の生涯を描いた、NHK大河ドラマ原作小説。薩摩の下級武士の家に生まれた吉之助が、家族、盟友、藩主との出会いを通じて幕末維新の中心へ進んでいく姿を、人間味に重きを置いて描く。

薩摩の貧しい少年が、情と義を抱えて維新の表舞台へ歩き出す。

西郷隆盛幕末維新薩摩藩大河ドラマ原作歴史小説