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第15回(1969年) 受賞受賞作: 桜花の記憶
「桜花の記憶」は、河野裕子が若くして角川短歌賞を受けた五十首連作である。のちの第一歌集『森のやうに獣のやうに』へつながる、身体感覚の鮮やかさと恋愛の切実さを備えた初期代表作として位置づけられる。
若い身体と記憶の震えを、桜のイメージに重ねて歌い上げた初期連作。
短歌恋愛身体感覚桜
河野 裕子
かわの ゆうこ
Kawano Yuko
プロフィール
- 性別
- 女性
- 生誕
- 1946-07-24 (熊本県上益城郡御船町)
- 死没
- 2010-08-12 (京都市(自宅)) 64歳
- 国籍
- 日本
- 言語
- 日本語
- 居住地歴
- 熊本県上益城郡御船町(出生) → 滋賀県石部町(現:湖南市)(育) → 京都市(居住・逝去) → 米国(夫の留学に伴う滞在、1984–1986)
経歴
- 職業
- 歌人
- 活動期間
- 1964年〜2010年
- 所属
- 毎日新聞歌壇(選者), NHK短歌(選者), 織田作之助賞(選考委員)
- 所属団体
- コスモス, 塔(短歌結社), 現代歌人協会, 賀茂曲水宴の歌人(上賀茂神社)
- 影響を受けた人物
- 宮柊二
- 影響を与えた人物
- 永田淳, 永田紅, 永田和宏
学歴
| 学校 | 学部 | 学科 | 学位 | 期間 | 国 |
|---|---|---|---|---|---|
| 京都女子大学 | 文学部 | 国文科 | Bachelor of Arts | 1965–1969 | 日本 |
受賞歴
| 年 | 賞名 | 対象作品 | 部門 | 主催 | 結果 |
|---|---|---|---|---|---|
| 1969 | 角川短歌賞 | 桜花の記憶 | 第15回 | 角川書店 | winner |
| 1976 | 現代歌人協会賞 | ひるがほ | — | 現代歌人協会 | winner |
| 1980 | 現代短歌女流賞 | 桜森 | — | 現代短歌女流賞選考委員会 | winner |
| 1987 | コスモス賞 | — | — | コスモス | winner |
| 1997 | 短歌研究賞 | 耳掻き | — | 短歌研究社 | winner |
| 1998 | 河野愛子賞 | 体力 | — | 河野愛子賞選考委員会 | winner |
| 2001 | 京都府文化賞(功労賞) | — | — | 京都府 | winner |
| 2002 | 若山牧水賞 | 歩く | — | 若山牧水賞選考委員会 | winner |
| 2002 | 紫式部文学賞 | 歩く | — | 紫式部文学賞選考委員会 | winner |
| 2009 | 斎藤茂吉短歌文学賞 | 母系 | — | 斎藤茂吉賞選考委員会 | winner |
| 2009 | 迢空賞 | 母系 | — | 迢空賞選考委員会 | winner |
| 2009 | 京都市文化功労者 | — | — | 京都市 | honor |
| 2010 | 小野市詩歌文学賞 | 葦舟 | — | 小野市 | winner |
| 2012 | 日本一行詩大賞 | 蟬声 | — | — | winner |
受賞・候補エディション
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第21回(1977年) 受賞受賞作: ひるがほ
『ひるがほ』は、河野裕子の第二歌集です。身体、母性、孤独、生活の時間を切実な声で詠み、若い歌人としての衝迫と成熟への入口を示した作品です。
身体と家族の時間を、しなやかで切実な声が照らします。
132ページ短歌母性身体感覚
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第33回(1997年) 受賞受賞作: 耳掻き
河野裕子『耳掻き』は、短歌研究賞で取り上げられた作品です。題名が示す印象を軸に、人物の選択や時代の空気を通して、読後に余韻を残す世界を描いています。
『耳掻き』は、受賞作として読まれてきた作品の核を静かに伝える一作です。
詩歌言葉内面
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第8回(1998年) 受賞受賞作: 体力
『体力』は、河野裕子の女性文学・短歌の文脈で評価された作品です。題名が示すモチーフを軸に、人物の行動や時代の空気を通して主題を立ち上げる作品として読めます。
『体力』は、受賞時の評価対象となった主題を読者に印象づける作品です。
330ページ受賞作人物描写時代性
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第6回(2001年) 受賞受賞作: 歩く
歩行という日常の動きを軸に、家族、身体、老い、季節を見つめる歌集。平明な言葉が、生活の深い時間と感情の輪郭を鮮やかに浮かび上がらせる。
『歩く』は、河野裕子の作風が凝縮された受賞作。
229ページ短歌家族身体歩行季節
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第12回(2002年) 受賞受賞作: 歌集 歩く
『歌集 歩く』は、河野裕子による作品。紫式部文学賞の対象作として扱われている。
河野裕子の『歌集 歩く』。
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第20回(2008年) 受賞受賞作: 母系
「母系」は、言葉の響きと余白を通して、身体感覚、記憶、時間の揺らぎを掘り下げる詩歌作品。日常の断片が、内面の深い動きへと結びつく。
「母系」は、言葉の響きと余白を通して、身体感覚、記憶、時間の揺らぎを掘り下げる詩歌作品。
184ページ詩歌記憶時間身体
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第43回(2009年) 受賞受賞作: 母系
『母系』は河野裕子の歌集。受賞対象となった作品として、作者の関心が凝縮され、時代や生活の感覚をそれぞれの文体で掘り下げている。
母系は、短い題名の奥に作者の主題を凝縮した作品である。
記憶言葉人間関係
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第2回(2010年) 受賞受賞作: 葦舟
『葦舟』は、病と向き合いながら歌を作り続けた河野裕子の第十四歌集です。家族、身体、季節の移ろいを見つめる歌が、死へ近づく時間の中でもなお生を手放さない強さを伝えます。
病とともにある日々の中で、家族と季節を見つめる歌が静かな強さを放ちます。
212ページ病と生家族短歌季節
作品
代表作
森のやうに獣のやうに
1972年 短歌第1歌集。青春期の恋愛や身体感覚を瑞々しい言葉で表現し、女性の内面をのびやかに描いた作品群。
ひるがほ
1976年 短歌日常の細部と身体の感覚を結びつける歌が多い歌集。感覚の鮮やかさが特徴。
桜森
1980年 短歌成熟した作風で母性や家庭、自然を題材にした歌を多く含む歌集。
体力
1997年 評論・歌集自己の身体性や感覚を主体に置いた表現と評論的な思索を含む作品。
歩く
2001年 短歌移動や身体の動きを通して周囲との関係や時間を見つめる歌集。
母系
2008年 短歌家族や血縁、母性を主題にした作品が中心。晩年の深い視線が反映されている。
葦舟
2009年 短歌晩年に刊行された歌集。生と死、病を意識した作品が含まれる。
蟬声
2011年 短歌没後刊。晩年の歌を集めた作品で、辞世とされる歌も含まれる。
全著作
- 森のやうに獣のやうに
- ひるがほ
- 桜森
- 燦(自選歌集)
- はやりを
- みどりの家の窓から(エッセー)
- 体あたり現代短歌(評論)
- 紅
- 河野裕子歌集(選集)
- 現代うた景色(エッセー)
- 河野裕子作品集
- 歳月
- 体力
- 家
- 歩く
- 日付のある歌
- 季の栞
- 庭
- 母系
- 歌人河野裕子が語る(回想)
- 続 河野裕子歌集
- 葦舟
- 京都うた紀行:近現代の歌枕を訪ねて(共著)
- 蟬声(没後刊)
- たとへば君:四十年の恋歌(共著)
- たったこれだけの家族:河野裕子エッセイ・コレクション
- わたしはここよ(エッセー)
- うたの歳時記(エッセー)
- 桜花の記憶:河野裕子エッセイ・コレクション
- 続々 河野裕子歌集
- どこでもないところで:エッセー・コレクション
- あなた:河野裕子歌集(編著)
翻案
- ETV特集『この世の息~歌人夫婦・40年の相聞歌~』(NHK教育、2011年)
- プレミアムドラマ『うたの家~歌人・河野裕子とその家族~』(NHK BS、2012年)
- FNN特集(関西テレビ、2012年)
- NHK BS1スペシャル『ほんたうに俺でよかつたのか』(2022年)
作風・主題
- 文体
- 瑞々しい言語感覚身体性を重視した描写女性の視点からの繊細な心情表現
- 頻出モチーフ
- 母性身体(乳房など)病と生死自然(桜・森・蟬)日常の細部
健康
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乳がん2000年代〜2010年(晩年)長年の闘病が作品に反映され、生と死に直面する歌が増えた。
評価・遺産
戦後の女性短歌を代表する歌人の一人。感覚的で身体性のある表現を通じて女性の心情を生々しく詠んだ業績が評価され、多数の文学賞を受賞。出身地には歌碑が建立されている。
記念館・博物館
- 河野裕子歌碑(御船町) 熊本県上益城郡御船町 2023年開館
関連学会
- 現代歌人協会
- 塔(短歌結社)
資料所蔵先
- 永田家(関連資料所蔵)
大衆文化への影響
- NHKプレミアムドラマ『うたの家』
- ETV特集『この世の息~歌人夫婦・40年の相聞歌~』
- NHK BS1スペシャル(関連番組)
引用
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たとへば君ガサッと落葉すくふやうに私をさらつて行つてはくれぬか
出典: 『森のやうに獣のやうに』 (1972年) -
ブラウスの中まで明るき初夏の日にけぶれるごときわが乳房あり
出典: 『森のやうに獣のやうに』 (1972年) -
あるだけの静脈透けてゆくやうな夕べ生きいきと鼓動ふたつしてゐる
出典: 『ひるがほ』 (1976年) -
手をのべてあなたとあなたに触れたきに息が足りないこの世の息が
出典: 『蟬声』(辞世) (2011年)
豆知識
- 夫は歌人の永田和宏、長男・長女も歌人。
- 高校時代から作歌を始め、大学4回生で角川短歌賞を受賞してデビュー。
- 晩年は乳がんと闘病し、その経験を歌に詠んだ。
- 出身地・御船町に歌碑が建立されている。