日本の文学賞

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読売文学賞 よみうりぶんがくしょう

第75回(2023年)

小説戯曲・シナリオ随筆・紀行評論・伝記詩歌・俳句研究・翻訳

受賞者

6名
川上未映子 かわかみ みえこ 受賞

十七歳の夏に集った少女たちの共同生活は、ある女性の死をきっかけに崩れはじめる。貧しさと暴力の境目で生き延びようとする人々の姿を、緊張感のある筆致で追うクライム・サスペンス。

黄色い家に集った少女たちの時間は、やがて取り返しのつかない現実に変わる。

608ページ
クライム・サスペンス共同生活貧困女性たち
坂元裕二 さかもと ゆうじ 受賞

ある嵐の朝に子どもたちが姿を消した町で、母親、教師、子どもたち、それぞれの視点から出来事の輪郭が少しずつ変わっていく。映画『怪物』の決定稿を収めたオリジナルシナリオブック。

視点が変わるたび、怪物の正体もまた揺らいでいく。

176ページ
シナリオブック家族学校視点のずれ
西加奈子 にし かなこ 受賞

カナダで乳がんを告知された著者が、治療と暮らしのあいだで揺れながら、自分の身体と生き方を見つめ直す。闘病の記録であると同時に、異国で生きることの手触りを静かにすくい取ったエッセイ。

病とともに揺れる身体を、怖れだけでなくユーモアと確かさで見つめた一冊。

256ページ
闘病記身体カナダ自己肯定
澤田直 さわだ ただし 受賞

別人格を生み出しながら作品を書き分けたポルトガルの詩人フェルナンド・ペソアの生涯を、詩や書簡を織り込みながらたどる。人物像の輪郭が進むほど、詩人の内面の複雑さが立ち上がる評伝。

一人でありながら複数であった詩人の姿を、記録と作品の両方から描き出す。

496ページ
評伝ポルトガル文学異名者詩と生涯
正木ゆう子 まさき ゆうこ 受賞

季節や生命のわずかな揺れをすくい取る句が連なり、時間の短さと確かさが静かに響き合う。正木ゆう子の第六句集として、日常の輪郭を深く澄ませる一冊。

ほんのわずかな間にすぎないものが、句の中では長い余韻になる。

208ページ
句集俳句季節
鈴木晶 すずき あきら 受賞

舞踊史家の著者が、ニジンスキーの生涯と作品を資料に基づいてたどり直す評伝。

跳躍の天才の軌跡を、資料と写真で追う。

432ページ
バレエ舞踊史評伝20世紀芸術