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第25回(1951年) 受賞受賞作: 壁 S・カルマ氏の犯罪, 春の草
『壁 S・カルマ氏の犯罪, 春の草』は安部公房による作品で、1951-1回の芥川龍之介賞で受賞対象となった。初期の同賞を形づくった作品の一つとして、作者の時代認識や人物描写の特色を伝える。
安部公房の『壁 S・カルマ氏の犯罪, 春の草』は、芥川龍之介賞の初期受賞作として記録される作品である。
304ページ近代日本文学芥川賞社会と個人
阿部 公房
あべ こうぼう
Abe Kōbō
プロフィール
- 性別
- 男性
- 生誕
- 1924-03-07 (東京)
- 死没
- 1993-01-22 (東京) 68歳
- 国籍
- 日本
- 言語
- 日本語
- 居住地歴
- 満州(奉天/現:瀋陽) → 東京
経歴
- 職業
- 小説家, 劇作家, 脚本家, 随筆家, 写真家
- 活動期間
- 1947年〜1993年
- 影響を受けた人物
- フランツ・カフカ, アルベール・カミュ, ジャン=ポール・サルトル, サミュエル・ベケット, シュルレアリスム
- 影響を与えた人物
- 現代日本の作家たち
受賞・候補エディション
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第14回(1962年) 受賞受賞作: 砂の女
昆虫採集に出かけた男が、砂丘の穴の底にある家へ閉じ込められ、そこに暮らす女と砂を掻き続ける生活を強いられる長編。脱出劇の緊張を保ちながら、自由、労働、身体、共同体への服従を問い詰める。
砂に閉ざされた穴の底で、逃亡への意志と生への順応がせめぎ合う。
288ページ不条理自由閉塞労働実存
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第12回(1965年) 候補受賞作: 榎本武揚
旧幕臣を率いて戦い、明治政府に降った榎本武揚を、時代の先駆者とも裏切者とも見える存在として描く歴史長篇。安部公房は史実の人物を通じて、忠誠、転向、近代化の不安を問う。
榎本武揚という維新の奇才を通して、歴史の勝者と敗者の境目が揺らぐ。
355ページ歴史小説明治維新忠誠近代化 -
第14回(1967年) 候補受賞作: 燃え尽きた地図
『燃え尽きた地図』は、失踪者を追う興信所員が都市の迷路の中で自分自身の輪郭を失っていく長編小説である。探偵小説の形を借りながら、現代人の孤独、匿名性、存在の不安を鋭く描く。
『燃え尽きた地図』は、時代の気配と人間の内面を重ねて読ませる受賞作である。
416ページ戦後文学自己と社会記憶
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第3回(1967年) 受賞受賞作: 友達
突然訪ねてきた一家が家に居座り、親密さの名のもとに生活を侵食していく戯曲。日常的な善意が暴力へ変わる過程を、不条理な笑いと恐怖の中で描く。
友人であることを強いる声が、家の輪郭を崩していく。
戯曲不条理社会
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第22回(1972年) 受賞受賞作: 未必の故意
本土から置き去りにされた島を舞台に、外部から来た男の死をめぐって共同体の圧力と責任の曖昧さを描く安部公房の戯曲。寓話的な設定の中で、愛、排除、暴力が交錯する。
島という閉じた場所で、共同体の沈黙と責任が不穏に立ち上がる。
519ページ戯曲島同調圧力暴力 -
第22回(1972年) 受賞受賞作: 未必の故意/ガイドブック
安部公房の戯曲「未必の故意」と「ガイドブック」を中心にした演劇上の成果。共同体から置き去りにされた場所や制度化された観光のまなざしを通して、個人と集団、暴力、責任の所在を問い直す。
安部公房らしい寓意と不条理が、共同体と責任の問題を鋭く照らす。
519ページ戯曲共同体不条理責任
作品
代表作
砂の女
1962年 小説ある男が砂丘の村で砂に閉じ込められ、女性と共同生活を強いられながら、存在や孤独、アイデンティティを掘り下げる物語。
- [映画] 砂の女 / Hiroshi Teshigahara (1964)
- 英訳あり
他人の顔
1964年 小説顔に大きな損傷を負った男が仮面を作り、別人として生きようとすることで自己と他者の境界を問い直す心理劇。
- [映画] 他人の顔 / Hiroshi Teshigahara (1966)
- 英訳あり
箱男
1973年 小説箱に入って街を観察する男を通して、匿名性や監視、都市生活からの疎外を抽象的に描いた作品。
- 英訳あり
壊れた地図
1967年 小説私立探偵を主人公に据え、追跡と自己喪失をテーマにしたミステリ風の実験的小説。
- 英訳あり
第四間氷期
1959年 SF(小説)寒冷化が進む世界を舞台に、人間社会と科学技術の在り方を問うSF的寓話。
- 英訳あり
全著作
- 砂の女
- 他人の顔
- 壊れた地図
- 箱男
- 第四間氷期
翻案
- 砂の女(映画、1964年・手塚/寺山等による映像化は多方面で評価)
- 他人の顔(映画化などのメディア展開あり)
作品の翻訳
- 砂の女 — 英訳版あり
- 箱男 — 英訳版あり
作風・主題
- 文体
- 不条理的・実験的冷徹な観察眼比喩的で象徴的シュールレアリスム的要素
- 頻出モチーフ
- 仮面箱砂身体変容疎外
評価・遺産
阿部公房は戦後日本文学を代表する作家の一人であり、実存やアイデンティティ、疎外をテーマとした作品群は国内外で評価されている。特に『砂の女』は映画化され国際的な注目を集めた。実験的かつ象徴的な文体は多くの作家や研究者に影響を与えた。
大衆文化への影響
- 映画化・舞台化が多数行われ、映像文化に大きな影響を与えた
- 実存や不条理を題材にした作品群は現代思想や美術の分野でも言及されることが多い
豆知識
- 幼少期を満州(現・瀋陽)で過ごした。
- 代表作の一つ『砂の女』は映画化され国際的に知られるようになった。
- 作品には仮面や箱、砂といった反復するモチーフが多く登場する。