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第16回(1979年) 受賞受賞作: 南風
文藝賞の佳作として発表された短編で、南風という言葉が呼び起こす空気や移動の気配を、穏やかな筆致でたどる。大きな事件よりも、感覚の移ろいを読む作品として印象に残る。
南風が吹くたび、気持ちの向きが少し変わる。
風移動感覚季節余韻
宮内 勝典
みやうち かつのり
Miyauchi Katsunori
プロフィール
- 性別
- 男性
- 生誕
- 1944-10-04 (ハルビン(旧満洲国))
- 国籍
- 日本
- 言語
- 日本語
- 居住地歴
- ハルビン(旧満洲国) → 鹿児島県指宿市(旧山川町) → カリフォルニア州(アメリカ合衆国) → ニューヨーク州(アメリカ合衆国) → 東京都(日本) → 長期渡航・滞在(60数カ国)
経歴
- 職業
- 小説家, エッセイスト, 大学教授, 講師
- 活動期間
- 1979年〜
- 所属
- 早稲田大学(客員教授), 日本大学芸術学部(講師), 大阪芸術大学 文芸学科(教授), 南日本文学賞 選考委員(過去)
- 所属団体
- 脱原発社会をめざす文学者の会(呼びかけ人), 南日本文学賞 選考委員(過去)
- 影響を与えた人物
- 宮内 悠介
- ノミネート
- 第85回芥川龍之介賞 候補(『金色の象』, 1981年), 第86回芥川龍之介賞 候補(『火の降る日』, 1982年)
学歴
| 学校 | 学部 | 学科 | 学位 | 期間 | 国 |
|---|---|---|---|---|---|
| 鹿児島県立甲南高等学校 | — | — | — | 1959-1963 | 日本 |
受賞歴
| 年 | 賞名 | 対象作品 | 部門 | 主催 | 結果 |
|---|---|---|---|---|---|
| 1979 | 文藝賞 | 南風 | — | 文藝賞選考委員会 | winner |
| 1981 | 芥川龍之介賞 | 金色の象 | — | 芥川賞選考委員会 | nominee |
| 1981 | 野間文芸新人賞 | 金色の象 | — | 野間文化財団 | winner |
| 1982 | 芥川龍之介賞 | 火の降る日 | — | 芥川賞選考委員会 | nominee |
| 2006 | 読売文学賞 | 焼身 | — | 読売新聞社 | winner |
| 2006 | 芸術選奨(文部科学大臣賞) | 焼身 | — | 文化庁(芸術選奨選考委員会) | winner |
| 2011 | 伊藤整文学賞 | 魔王の愛 | — | 伊藤整文学賞選考委員会 | winner |
| 2023 | 南日本文化賞(学術教育部門) | — | 学術教育部門 | 南日本新聞社 | winner |
受賞・候補エディション
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第3回(1981年) 受賞受賞作: 金色の象
世界を放浪した末に日本へ戻った青年と、自分の若さを持て余して家を出た少女が、都会の雑踏の中で出会う。二人の同棲と出産を通して、愛、性、死、自然への感覚が混ざり合い、若い身体が世界を受け止める瞬間を鮮烈に描く。
若い二人の出会いは、都市のざわめきの中で生命の光へ向かっていく。
206ページ青春放浪同棲出産愛と性都市と自然
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第57回(2005年) 受賞受賞作: 焼身
ベトナム僧の焼身抗議を想起させる主題を通じ、記憶、信仰、政治的暴力を見つめる長編小説。個人の身体をめぐる極限的な行為から、アジアと世界の精神史へ視野を広げます。
焼身は、宮内勝典の作品世界を端的に伝える一作です。
272ページ記憶信仰政治アジア
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第56回(2006年) 受賞受賞作: 焼身
宮内勝典が、焼身という極限の行為を通じて戦争、信仰、政治の影を掘り下げる長編。個人の肉体に刻まれる時代の暴力を、重い問いとして差し出す。
燃える身体が、時代の矛盾を照らし出す。
272ページ戦争信仰政治身体
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第22回(2011年) 受賞受賞作: 魔王の愛
『魔王の愛』は、マハトマ・ガンジーを「偉人」ではなく多面的な人間として捉え直す長編小説。非暴力を貫いた人物の内側にある矛盾や強さを、死者との対話を交えながら追っていく。
非暴力を貫いたガンジーを、魔王と呼びながら人間として見つめ直す。
375ページガンジー非暴力歴史小説死者との対話
作品
代表作
南風
1979年 小説デビュー作。旅と帰郷を背景に、記憶と他者との関わりを通して「アイデンティティ」を問いかける長篇。
グリニッジの光りを離れて
1980年 小説海外経験を反映した作品。異国の光景と自己を対照させる叙述を特徴とする。
金色の象
1981年 短編集/中篇疎外感や文化摩擦をテーマにした短・中篇集。国内外の風景と人間の隔たりが描かれる。
火の降る日
1983年 小説人間の暴力性や運命をめぐる問題を描く作品。比喩的なイメージで社会性と個人の交差を描写する。
焼身
2005年 小説政治性や個人の危機を主題にした長篇。自己犠牲や身体性を巡る問いを据え、国際的な視点を含む叙述が評価された。
魔王の愛
2010年 小説複雑な人間関係や欲望を扱う作品。受賞歴があり、作家の成熟を示す一作とされる。
永遠の道は曲がりくねる
2017年 小説人生や歴史の連なりをめぐる長篇。時間と記憶の重なりを描く試みが特徴。
二千億の果実
2021年 小説近年の作品。大きな視点から現代社会と個人の相互作用を捉える野心的な長篇。
全著作
- 南風(1979年)
- グリニッジの光りを離れて(1980年)
- 金色の象(1981年)
- 火の降る日(1983年)
- LOOK AT ME(1983年)
- 宇宙的ナンセンスの時代(1986年)
- ニカラグア密航計画(1986年)
- この惑星こそが楽園なのだ(1991年)
- 戦士のエロス(1992年)
- バリ島の⽇々(1995年)
- ぼくは始祖鳥になりたい(1998年)
- 善悪の彼岸へ(2000年)
- 海亀通信(2001年)
- 裸の王様、アメリカ(2002年)
- 金色の虎(2002年)
- 焼身(2005年)
- 麦わら帽とノートパソコン(2006年)
- 惑星の思考 〈9・11〉以後を生きる(2007年)
- 魔王の愛(2010年)
- 永遠の道は曲がりくねる(2017年)
- 二千億の果実(2021年)
- サイキの海へ 超能力をめぐる対話(共著, 1986年)
- E.T.からのメッセージ 地球外知性体探査講義(共著, 1987年)
- ぼくらの知慧の果てるまで(共著, 1995年)
- 日本社会がオウムを生んだ(共著, 1999年)
- 非戦(監修, 2001年)
- 翻訳:ジッドゥ・クリシュナムルティの〈日記〉(1983年)
- 翻訳:アツーク 少年がみつけたもの(2002年)
作家による翻訳
- ジッドゥ・クリシュナムルティの〈日記〉(翻訳, 1983年)
- アツーク 少年がみつけたもの(翻訳, 2002年)
作風・主題
- 文体
- 旅と遍歴に基づくスケールの大きな叙述冷静で観察的な文体哲学的・社会的な問いを織り込む作風
- 頻出モチーフ
- アイデンティティ旅と異郷記憶と過去美意識と暴力他者との交差
評価・遺産
世界各地を踏査した経験にもとづくスケールの大きな作風と、アイデンティティを根底に据えたテーマ性で評価される作家。大学での教育・選考委員としての活動を通じて文学界にも貢献。複数の主要文学賞を受賞している。
資料所蔵先
- 国立国会図書館 著者レコード
- VIAFほか国際典拠データベースの登録あり
豆知識
- 終戦前年に旧満洲国ハルビンで生まれ、終戦後引き揚げて鹿児島で育った。
- 1967年に渡米し、カリフォルニアとニューヨークで計それぞれ2年ずつ暮らした経験がある。
- 1979年『南風』で文藝賞を受賞して作家デビュー。
- 1981年『金色の象』で野間文芸新人賞を受賞、同作とほかの作品で芥川賞候補にもなった。
- 2006年『焼身』で読売文学賞を受賞し、芸術選奨文部科学大臣賞も受賞。
- 2011年『魔王の愛』で伊藤整文学賞を受賞。
- 2023年に第74回南日本文化賞(学術教育部門)を受賞。
- 妻は詩人の宮内喜美子、息子は小説家の宮内悠介。
- 脱原発関連の呼びかけ人の一人として活動歴がある。
- 世界各地(60数カ国)を渡り歩き、旅の経験を作品に活かしている。