-
受賞作: 梟の城
『梟の城』は司馬遼太郎による受賞対象作で、当該賞の回次で評価された作品である。刊行形態は作品名と著者名をもとに書籍データベースで確認し、単独書籍または収録書籍として確認できる範囲だけを識別子に反映している。
司馬遼太郎の『梟の城』を、受賞対象作として読むための入口となる作品紹介。
298ページ受賞作品文学賞刊行確認
司馬遼太郎
しば りょうたろう
Shiba Ryotaro
プロフィール
- 性別
- 男性
- 生誕
- 1923-08-07 (大阪府大阪市浪速区西神田町(難波))
- 死没
- 1996-02-12 (大阪府大阪市中央区法円坂(国立大阪病院)) 72歳
- 国籍
- 日本
- 言語
- 日本語
- 宗教
- 浄土真宗(西本願寺系)
- 居住地歴
- 大阪市(浪速区・難波) → 大阪市西長堀(西長堀アパート) → 東大阪市下小阪(晩年の住居、記念館隣接)
経歴
- 職業
- 小説家, ノンフィクション作家, 評論家, 記者
- 活動期間
- 1955年〜1996年
- 所属
- 産経新聞社(元勤務), 日本芸術院(会員), 司馬遼太郎記念財団(創設)
- 所属団体
- 日本芸術院(会員), 東大阪市名誉市民
- 影響を受けた人物
- 萩原延壽, 坂口安吾, 井伏鱒二, 海音寺潮五郎, 吉川英治
- 影響を与えた人物
- 渡部直己(文学の模倣やパスティーシュを生んだ作家ら), 清水義範(文体の受容), 酒見賢一, 宮城谷昌光
学歴
| 学校 | 学部 | 学科 | 学位 | 期間 | 国 |
|---|---|---|---|---|---|
| 大阪外国語学校(旧制、現・大阪大学外国語学部) | 蒙古語部 | モンゴル語学科 | — | 1941-1944 | 日本 |
受賞歴
| 年 | 賞名 | 対象作品 | 部門 | 主催 | 結果 |
|---|---|---|---|---|---|
| 1956 | 講談倶楽部賞(第8回) | ペルシャの幻術師 | — | 講談倶楽部 | 受賞 |
| 1960 | 直木三十五賞(第42回) | 梟の城 | — | 直木賞選考委員会 | 受賞 |
| 1966 | 菊池寛賞(第14回) | 竜馬がゆく/国盗り物語 | — | 菊池寛賞選考委員会 | 受賞 |
| 1967 | 毎日芸術賞 | 殉死 | — | 毎日新聞社 | 受賞 |
| 1970 | 吉川英治文学賞(第6回) | 世に棲む日日 | — | 吉川英治文学賞選考委員会 | 受賞 |
| 1976 | 日本芸術院賞・恩賜賞(文芸) | 空海の風景 | — | 日本芸術院 | 受賞 |
| 1981 | 読売文学賞(第33回) | ひとびとの跫音 | — | 読売新聞社 | 受賞 |
| 1982 | 朝日賞 | — | — | 朝日新聞社 | 受賞 |
| 1984 | 日本文学大賞(学芸部門) | 街道をゆく(南蛮のみち) | — | 日本文学大賞選考委員会 | 受賞 |
| 1988 | 大佛次郎賞(第15回) | 韃靼疾風録 | — | 大佛次郎賞選考委員会 | 受賞 |
| 1991 | 文化功労者 | — | — | 日本政府 | 選定 |
| 1993 | 文化勲章 | — | — | 日本政府 | 受章 |
| 1996 | 従三位(没時叙位) | — | — | 日本政府 | 追賜 |
受賞・候補エディション
-
第20回(1966年) 受賞受賞作: 竜馬がゆく・国盗り物語
坂本龍馬の青春と幕末の動乱、斎藤道三ら戦国の権力闘争を描いた司馬遼太郎の代表的歴史小説群。
「竜馬がゆく・国盗り物語」は、司馬遼太郎の表現が凝縮された受賞対象作品です。
歴史小説幕末戦国
-
第6回(1972年) 受賞受賞作: 世に棲む日日
『世に棲む日日』は、司馬遼太郎による作品。受賞時期の文学・出版状況を映し、題名が示す人物、場所、事件を軸にした表現が作品の核になっている。
『世に棲む日日』は、受賞作として残る題材の強さと作者の視点を伝える作品である。
受賞作作品昭和期の文学作者の視点
-
第33回(1981年) 受賞受賞作: ひとびとの跫音
正岡子規の妹・律の養子となった正岡忠三郎を中心に、子規につながる人びと、詩人や思想家、市井の人々の生をたどる長篇。司馬遼太郎が歴史の大事件ではなく身近な記憶と交友に耳を澄まし、人が生まれ死んでいくことの情趣を静かに描く。
子規ゆかりの人びとの跫音から、名もなき人生の清々しさと哀惜が立ち上がる。
523ページ正岡子規の周辺市井の人生記憶と追悼大正・昭和の人間模様
-
第16回(1984年) 受賞受賞作: 街道をゆく・南蛮のみちI
司馬遼太郎がスペイン、ポルトガルを歩き、ザビエルや大航海時代の記憶から日本と南蛮文化の接点を考える紀行。歴史の現場を訪ねながら、文明の交差を語る。
イベリアの道を歩き、日本に届いた南蛮の記憶をたどる。
380ページ紀行南蛮文化ザビエルスペインポルトガル
-
第15回(1988年) 受賞受賞作: 韃靼疾風録 上・下
『韃靼疾風録 上・下』は司馬遼太郎による、人物の記憶や関係の揺らぎを通じて、時代や人生の陰影を描く作品です。受賞作として、題名が示す主題を軸に、読後に残る余韻を重んじた一作として位置づけられます。
『韃靼疾風録 上・下』は、短い題名の奥に人物、時代、土地の気配を重ねる作品です。
518ページ記憶家族時代喪失
作品
代表作
梟の城
1959年 時代小説 / 伝奇小説戦国期を舞台にした長編。忍者や剣劇を取り入れたエンタテインメント性の高い作品群の一つ。
- [映画] 忍者秘帖 梟の城(映画化) / 篠田正浩 (1999)
- 英訳: The Owls' Castle(主要作品として英訳あり)
竜馬がゆく
1962年 歴史小説(幕末)坂本龍馬を中心に幕末の群像を描いた長期連載の歴史小説。近代日本像の形成に影響を与えた代表作。
- [テレビドラマ(大河ドラマ等)] 竜馬がゆく(NHK大河ドラマほか) (1968)
- 英語圏での部分翻訳あり
燃えよ剣
1964年 歴史小説(新選組)新選組とその人間模様を描いた作品。主演級の歴史ドラマや映画の原作にもなった。
- [映画] 燃えよ剣(映画化) / 原田眞人 (2021)
- 英訳・一部翻訳あり
坂の上の雲
1968年 歴史小説(明治・日露戦争期)明治期の群像を通して日本の近代化を描いた大河的歴史小説。NHKスペシャル等でドラマ化された代表作。
- [テレビ(NHKスペシャル / 大河ドラマ)] 坂の上の雲(NHKスペシャルドラマ) (2009)
- 英訳(断片的)
街道をゆく
1971年 紀行・随筆各地を訪ね歩きながら歴史と風土を論じる連載随筆。刊行を通じて長年にわたり読まれた紀行シリーズ。
- [ドキュメント(NHK)] 街道をゆく(NHKドキュメント) (1986)
- 英語要約・一部翻訳あり
国盗り物語
1965年 歴史小説(戦国)戦国期の群像と覇権争いを描く長編。史実を下敷きにした大作シリーズの一つ。
- 英訳・要約あり
全著作
- 梟の城(1959)
- 竜馬がゆく(1962-1966)
- 燃えよ剣(1964)
- 国盗り物語(1965)
- 坂の上の雲(1968)
- 街道をゆく(1971-1996)
- 翔ぶが如く(1975-1976)
- 韃靼疾風録(1987)
- 空海の風景(1975)
- 世に棲む日日(1971)
翻案
- NHK大河ドラマ化(竜馬がゆく、国盗り物語、花神、翔ぶが如く 等)
- 映画化(梟の城、燃えよ剣、関ヶ原 等)
- 漫画・舞台化・ドキュメンタリー多数
作品の翻訳
- 最後の将軍 → The Last Shogun(英訳)
- 空海の風景 → KUKAI THE UNIVERSAL(英訳)
- 韃靼疾風録 → The Tatar Whirlwind(英訳)
作風・主題
- 文体
- 人物中心主義の歴史叙述随筆的な挿入(余談)を多用する語り乾いたユーモアと読みやすい語り口
- 頻出モチーフ
- 日本の歴史・近代化武士・武勇旅と風土軍隊と戦争の倫理
健康
-
坐骨神経痛(疑い)晩年(1990年代)慢性的な腰痛を訴え、取材や執筆活動に影響を与えた可能性がある。
-
腹部大動脈瘤(破裂)1996年(破裂・死因)1996年2月に破裂し死去(最終的な死因)。
評価・遺産
大衆に広く読まれた国民的歴史作家。歴史観(司馬史観)を通して日本の近現代史の大衆理解に大きな影響を与え、多数の映像化・翻訳が行われた。記念館や賞(司馬遼太郎賞)により長期的な遺産を残す。
記念館・博物館
- 司馬遼太郎記念館 大阪府東大阪市(自宅隣接) 2001年開館
- 姫路文学館(司馬遼太郎記念室) 兵庫県姫路市
関連学会
- 日本芸術院
資料所蔵先
- 司馬遼太郎記念館所蔵資料
- 姫路文学館 司馬遼太郎関連資料
- 各出版社および新聞社アーカイブ(産経新聞社等)
大衆文化への影響
- NHK大河ドラマや映画・漫画・舞台など多数の映像化・メディア化
- 『坂の上の雲』などはテレビスペシャルとして高い認知度を有する
引用
-
いったい日本とは何だろうということを、最初に考えさせられたのは、ノモンハン事件でした。
出典: 随筆・対談(ノモンハン関連の発言) -
(当時の将校の答として語られた)「轢っ殺してゆけ」。
出典: 自著随筆・回想(『百年の単位』『石鳥居の垢』等で言及)
豆知識
- 没日は「菜の花忌」と呼ばれる(2月12日)。
- バンダナ収集が趣味で、多数のバンダナを愛用していた。
- 晩年まで喫煙者で、愛用の銘柄はハイライトとされる。
- 速読の逸話があり、対談中に文庫本1冊を読み終えたという話がある。
- 『街道をゆく』は長期連載となり、絶筆は連載中に未完で終わった。