日本推理作家協会賞 にほんすいりさっかきょうかいしょう
第76回(2023年)
推理小説
受賞者
6名
芦沢央
長編および連作短編集部門
殺人犯をかくまう女、捜査を続ける刑事、虐待を受ける少年の三者が、それぞれの守りたいものを抱えながら交差していく。事件の謎と人間の事情が重なり、静かな圧力のある社会派ミステリになっている。
それぞれの守りたいものが、事件の輪郭を変えていく。
360ページ
社会派ミステリ殺人事件刑事虐待家族
小川哲
長編および連作短編集部門
自称名探偵と五人の助手候補が、空想のような事件と現実の秘密のあいだを行き来するミステリラブコメ。助手に指名された高校生の視点から、推理が真実へ変わる瞬間の危うさが描かれる。
名探偵は絶対に間違えない。
328ページ
ミステリラブコメ名探偵助手高校生非日常
西澤保彦
短編部門
シャーロック・ホームズ物語の誕生から日本への移入史までを、時代背景と受容史の両面からたどる評論・研究書。ドイル自身やファン文化にも目を向け、名探偵の魅力を多角的に整理している。
永遠の名探偵をめぐる170年の物語。
552ページ
評論シャーロック・ホームズ受容史翻訳研究
日暮雅通
評論・研究部門
ストックホルムの暗い時代を舞台に、暴力と奸計の渦の中で生き抜こうとする人々を描く歴史ミステリの日本語版。前作に続き、権力の腐敗と正義の揺らぎが濃密に立ち上がる。
混沌の時代に、己の正義を貫こうとする。
640ページ
歴史ミステリスウェーデンストックホルム権力暴力
ニクラス・ナット・オ・ダーグ
翻訳部門
前作の続編として、暴力と混迷が深まる1795年のストックホルムを描く日本語版歴史ミステリ。シリーズの終盤に向かう緊迫感の中で、人物たちの選択がいっそう重みを帯びる。
暴力と奸計に満ちた、一七九五年のストックホルム。
592ページ
歴史ミステリスウェーデンストックホルム続編終末感
ヘレンハルメ美穂
翻訳部門
コロナ禍の櫃洗市で、オンライン相談窓口を通じて公務員探偵が事件を解き明かす連作短編集。表題作を中心に、日常の距離感を保ったまま謎へ迫る工夫が光る。
リモート相談窓口から、謎は鮮やかに解かれる。
320ページ
連作短編集コロナ禍オンライン安楽椅子探偵ミステリ