日本の文学賞

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筒井 康隆

つつい やすたか

Tsutsui Yasutaka

ペンネーム: 澱口襄若年期に用いたペンネームの一つ, 花田秀次郎一部の作品やノベライズで用いた筆名(ゴーストライティング時に使用)

プロフィール

性別
男性
生誕
1934-09-24 (大阪府大阪市(北堀江付近))
国籍
日本
言語
日本語
居住地歴
大阪市(出生・幼少期) → 京都(同志社大学在学) → 東京(原宿等、作家活動期) → 神戸市垂水区(長年の居住地) → 有料老人ホーム(2024年以降)

経歴

職業
小説家, 劇作家, 俳優, 脚本家, エッセイスト
活動期間
1960年〜
所属
ホリプロ, 日本芸術院(会員), 日本SF作家クラブ(参加・会長歴あり)
所属団体
日本SF作家クラブ, 日本芸術院(会員)
影響を受けた人物
フランツ・カフカ, ジークムント・フロイト, アルトゥル・ショーペンハウエル, ガブリエル・ガルシア=マルケス, アーネスト・ヘミングウェイ
影響を与えた人物
夢枕獏, 山本弘, 牧野修, 高井信, 水見稜(井沢昭夫名義等)
ノミネート
直木賞候補(1967年)『ベトナム観光公社』, 直木賞候補(1968年)『アフリカの爆弾』, 直木賞候補(1972年)『家族八景』

学歴

同志社大学
文学部 / 美学芸術学科(入学当初は心理学専攻)
期間: 1952-1957
卒業年: 1957
国: 日本
入学当初は心理学専攻、その後美学・芸術学に転じ、同志社小劇場に参加。

受賞歴

星雲賞(日本長編部門)
1970
対象作品: 霊長類南へ
部門: 日本長編部門
主催: 日本SF作家クラブ
結果: Winner
星雲賞(日本短編部門)
1970
対象作品: フル・ネルソン
部門: 日本短編部門
主催: 日本SF作家クラブ
結果: Winner
星雲賞(日本短編部門)
1971
対象作品: ビタミン
部門: 日本短編部門
主催: 日本SF作家クラブ
結果: Winner
星雲賞(日本短編部門)
1974
対象作品: 日本以外全部沈没
部門: 日本短編部門
主催: 日本SF作家クラブ
結果: Winner
星雲賞(日本長編部門)
1975
対象作品: おれの血は他人の血
部門: 日本長編部門
主催: 日本SF作家クラブ
結果: Winner
星雲賞(日本長編部門)
1976
対象作品: 七瀬ふたたび
部門: 日本長編部門
主催: 日本SF作家クラブ
結果: Winner
星雲賞(映画・演劇部門)
1976
対象作品: スタア
部門: 映画・演劇部門
主催: 日本SF作家クラブ
結果: Winner
星雲賞(日本短編部門)
1977
対象作品: メタモルフォセス群島
部門: 日本短編部門
主催: 日本SF作家クラブ
結果: Winner
泉鏡花文学賞
1981
対象作品: 虚人たち
主催: 泉鏡花賞選考委員会
結果: Winner
谷崎潤一郎賞
1987
対象作品: 夢の木坂分岐点
主催: 谷崎潤一郎賞選考委員会
結果: Winner
川端康成文学賞
1989
対象作品: ヨッパ谷への降下
主催: 川端康成文学賞選考委員会
結果: Winner
日本SF大賞
1992
対象作品: 朝のガスパール
主催: 日本SF作家クラブ
結果: Winner
芸術文化勲章(シュヴァリエ)
1997
主催: フランス文化省
結果: Recipient
パゾリーニ賞
1997
主催: パゾリーニ賞実行委員会
結果: Winner
読売文学賞
1999
対象作品: わたしのグランパ
主催: 読売新聞社
結果: Winner
紫綬褒章
2002
主催: 日本政府
結果: Recipient
菊池寛賞
2010
主催: 菊池寛賞選考委員会
結果: Winner
毎日芸術賞
2017
対象作品: モナドの領域
主催: 毎日新聞社
結果: Winner
レトロ星雲賞(日本短編部門)
2019
対象作品: 東海道戦争
部門: 日本短編部門
主催: 日本SF作家クラブ(レトロ星雲賞事務局)
結果: Winner
星雲賞(ノンフィクション部門)
2019
対象作品: 筒井康隆、自作を語る(編集:日下三蔵)
部門: ノンフィクション部門
主催: 日本SF作家クラブ
結果: Winner
日本芸術院賞・恩賜賞
2022
主催: 日本芸術院
結果: Winner

受賞・候補エディション

星雲賞 6回登壇
  1. 受賞作: 霊長類南へ

    『霊長類南へ』は、筒井康隆による作品で、1970年のseiun-awardで受賞対象となった。受賞記録と公開書誌をもとに、作品単位で参照できる項目として整理される。

    seiun-awardで受賞対象となった『霊長類南へ』。

    369ページ
    受賞作文学賞刊行状況
  2. 受賞作: フル・ネルソン

    『フル・ネルソン』は、筒井康隆による作品で、1970年のseiun-awardで受賞対象となった。受賞記録と公開書誌をもとに、作品単位で参照できる項目として整理される。

    seiun-awardで受賞対象となった『フル・ネルソン』。

    受賞作文学賞刊行状況
  3. 受賞作: ビタミン

    『ビタミン』は、筒井康隆の初期短編SFです。ビタミン発見の経緯をめぐる引用や知識を戯画化し、科学史のまじめさを笑いと奇想でずらしていく。

    科学史の顔をした奇想が、知識そのものを笑いへ変える。

    272ページ
    短編SF風刺科学史引用の戯画化筒井康隆
  4. 『日本以外全部沈没』は、筒井康隆による文学作品。1974年の受賞作として、題材を絞り込んだ表現と、人物や土地、時代の手触りを読者に残す構成が評価された。

    日本以外全部沈没は、限られた形式の中に時代と人の気配を刻む作品。

    381ページ
    人間心理時代性土地
  5. 暴力と身体をめぐる奇想を、筒井康隆らしい速度と黒いユーモアで押し切る長編。SF と犯罪小説の感触が混じり、星雲賞長編部門の初期受賞作として異彩を放つ。

    血と身体への不穏な想像力が、娯楽小説の速度で読者を引き込む。

    608ページ
    SF身体暴力黒いユーモア
  6. 放射能の影響で生物が異様な変異を遂げた世界を描く表題作を中心とする筒井康隆の短編集。奇想、恐怖、ブラックユーモアが混ざり合い、人間中心の世界観を不安定にする。

    足のはえる果実や人を食う植物が、変異した世界の不気味な生命感を立ち上げる。

    291ページ
    突然変異放射能の影ブラックユーモア幻想SF
泉鏡花文学賞 1回登壇
  1. 受賞作: 虚人たち

    筒井康隆による受賞作。作品名と受賞文脈から、当時の創作活動を示す一作として扱われる。

    虚人たちは、筒井康隆の受賞歴を代表する作品の一つ。

    293ページ
谷崎潤一郎賞 1回登壇
  1. 『夢の木坂分岐点』は、筒井康隆による文学作品で、谷崎潤一郎賞の受賞作です。

    『夢の木坂分岐点』は、筒井康隆の受賞歴を語るうえで欠かせない一作です。

    237ページ
    人間記憶時代
  1. 『ヨッパ谷への降下』は、筒井康隆の自選ファンタジー傑作集で、川端康成文学賞受賞作を含む短編集である。表題作では、乳白色に張りめぐらされたヨッパグモの巣を降下する幻想的な情景が、夢幻の異空間へ読者を誘う。

    乳白色の蜘蛛の巣を降下する幻想が、筒井文学らしい異空間を開く。

    304ページ
    幻想異空間不条理短編
日本SF大賞 1回登壇
  1. 朝のガスパール は、新聞連載と読者参加型の試みを結びつけた筒井康隆の長編である。現実、夢、コンピュータ・ネットワークが入り交じり、物語が読者との応答の中で変容していく実験性を備えている。

    物語と読者の境界を揺さぶる、ネットワーク時代初期の実験小説。

    327ページ
    SFメタフィクションネットワーク
読売文学賞 1回登壇
  1. 受賞作: わたしのグランパ

    『わたしのグランパ』は、読売文学賞の受賞作で、小説、戯曲、評論、随筆など各分野の到達点として評価された作品です。

    『わたしのグランパ』は、受賞対象となった作品の主題と語り口が端的に表れた一作です。

    受賞作文学賞人間描写

作品

代表作

時をかける少女

1967年 SF / ジュブナイル

高校生の少女が時間を飛び越える能力を得て経験する出来事を描く短編。世代を超えた人気作で映画やアニメ化が複数回行われている。

時間旅行青春選択と後悔
映像化・舞台化
  • [映画] 時をかける少女(1983年版) / 大林宣彦 (1983)
  • [劇場アニメ] 時をかける少女(2006年アニメ) / 細田守 (2006)
翻訳
  • 英訳: The Girl Who Leapt Through Time(David Karashima訳)

霊長類南へ

1969年 SF

風刺とブラックユーモアを盛り込んだ長編。人間社会を奇抜な視点で描く作品群の一つ。

風刺人間観察ブラックユーモア

虚人たち

1981年 純文学 / メタフィクション

登場人物が自らを虚構の存在だと認識するメタフィクション的設定を持つ長編。泉鏡花文学賞受賞作。

虚構と現実自己言及物語構造の実験

虚航船団

1984年 実験小説 / 純文学

擬人化と群像劇を用いて巨大な寓話的世界を描いた長編。純文学としても評価される。

擬人化群像劇文明批評

パプリカ

1993年 SF / サイコスリラー

夢と現実の境界をめぐる物語。心理療法と夢の世界をテーマにした代表作の一つで、今敏によるアニメ映画化で国際的に知られる。

無意識アイデンティティ
映像化・舞台化
  • [劇場アニメ] パプリカ(2006年 映画) / 今敏 (2006)
翻訳
  • 英訳: Paprika(Andrew Driver訳)

文学部唯野教授

1990年 学問小説 / 社会風刺

文芸批評や大学制度を風刺的に描いた学問小説。言語と制度を主題にした作品。

学問権威への風刺言語

わたしのグランパ

1999年 ジュブナイル / 家族小説

家族と老いを見つめる作品で、読売文学賞を受賞した。親しみやすい語り口の中に老いと別れが描かれる。

家族老い思い出
映像化・舞台化
  • [映画] わたしのグランパ(映画) / 東陽一 (2003)

モナドの領域

2015年 小説(作品集)

近年の代表作の一つで、2017年に毎日芸術賞を受賞。老いや幻想を主題に含む作品。

老い幻想記憶

全著作

  • 東海道戦争 (1965)
  • 時をかける少女 (1967)
  • 霊長類南へ (1969)
  • 家族八景 (1972)
  • 日本以外全部沈没 (1973)
  • 虚人たち (1981)
  • 虚航船団 (1984)
  • 文学部唯野教授 (1990)
  • パプリカ (1993)
  • わたしのグランパ (1999)

翻案

  • 時をかける少女(映画・アニメ複数)
  • パプリカ(今敏監督・2006年アニメ映画)
  • わたしのグランパ(映画化・2003年)
  • 富豪刑事(テレビドラマ化)

作家による翻訳

  • 『悪魔の辞典(筒井版)』意訳・監修

作品の翻訳

  • 英訳:The Girl Who Leapt Through Time(David Karashima)
  • 英訳:Paprika(Andrew Driver)
  • 仏訳:La traversée du temps(Jean-Christian Bouvier)

作風・主題

文体
ナンセンス文学ブラックユーモアメタフィクション実験的文体スラップスティック・コメディ
頻出モチーフ
虚構と現実の浸透言語遊戯と文体実験家族の裏側老いと死夢と無意識

健康

  • 胃穿孔(ストレスによる合併症)
    1990年代初頭(『残像に口紅を』『文学部唯野教授』連載期の入院)
    入院・療養を要し、執筆活動に一時的な影響
  • 頸椎損傷(転倒による)
    2024年(転倒・入院)
    麻痺が残り車椅子生活。その後有料老人ホームに入居しながら執筆活動を継続

評価・遺産

筒井康隆は1960年代以降の日本SF/現代文学における重要な作家であり、ナンセンスやブラックユーモア、メタフィクション的手法を通じてジャンルの垣根を越える多彩な作品群を残した。映画・アニメ化や海外翻訳を通じて国際的な認知も得ている。日本SF界の発展にも寄与し、多数の作家に影響を与えた。

関連学会

  • 日本SF作家クラブ
  • 日本芸術院

大衆文化への影響

  • 『時をかける少女』映画・アニメ各種
  • 『パプリカ』の国際的な映画化(今敏監督)
  • テレビドラマ化(例:富豪刑事など)

引用

  • 私、ぷっつんしちゃいました。
    出典: 『噂の眞相』連載日記(断筆宣言) (1993年)
  • 差別者の筒井です。
    出典: 部落解放西日本夏期講座 基調講演(差別問題と表現の自由) (1994年)
  • ぼくは戦争前から生きている人間だから、韓国の人たちをどれだけ日本人がひどいめに遭わせたかよく知っています。
    出典: インタビュー(慰安婦像に関する発言の釈明) (2017年)

豆知識

  • 幼少期の知能検査でIQ187と報告されたとされる(出典あり)。
  • 父は大阪市立自然史博物館の初代館長・筒井嘉隆で、博物学的な影響を受けた。
  • 断筆宣言(1993年)とその後の和解・断筆解除は大きな論争を呼んだ。
  • 代表作『時をかける少女』『パプリカ』は映像化され国際的にも知名度が高い。
  • 晩年は車椅子生活となり、有料老人ホームから執筆・発信を続けている。