-
第1回(1954年) 受賞受賞作: 異質への情熱
「異質への情熱」は、上田三四二による短歌評論で、1954年の第1回現代短歌評論賞を受賞した作品である。既成の短歌理解の内側にとどまらず、異なる感性や表現を引き受けようとする姿勢を題名に示し、のちに歌人・小説家・評論家として展開する上田の批評意識の出発点に位置づけられる。
異なるものへ向かう熱を、短歌批評の新しい出発点として示した初期評論。
短歌評論現代短歌異質性批評の出発点上田三四二
上田 三四二
うえだ みよじ
Ueda Miyoji
プロフィール
- 性別
- 男性
- 生誕
- 1923-07-21 (兵庫県加東郡市場村字樫山(現・小野市樫山町))
- 死没
- 1989-01-08 (東京都東村山市) 65歳
- 国籍
- 日本
- 言語
- 日本語
- 宗教
- 仏教
経歴
- 職業
- 歌人, 小説家, 文芸評論家, 内科医
- 活動期間
- 1949年〜1989年
- 所属
- 国立京都療養所, 国立療養所東京病院
- 所属団体
- 歌誌新月, アララギ派, 青の会
- 影響を受けた人物
- 西行, 良寛
学歴
| 学校 | 学部 | 学科 | 学位 | 期間 | 国 |
|---|---|---|---|---|---|
| 兵庫県立柏原高等学校 | — | — | — | — | 日本 |
| 第三高等学校 | — | — | — | — | 日本 |
| 京都帝国大学医学部 | 医学部 | 医学科 | 医学博士 | — | 日本 |
受賞歴
| 年 | 賞名 | 対象作品 | 部門 | 主催 | 結果 |
|---|---|---|---|---|---|
| 1954 | 現代短歌評論賞 | 異質への情熱 | — | — | 受賞 |
| 1961 | 群像新人文学賞 | 斎藤茂吉論 | 評論部門 | — | 受賞 |
| 1961 | 群像新人文学賞 | 逆縁 | 小説部門 | — | 最優秀作 |
| 1968 | 短歌研究賞 | 佐渡玄冬 | — | — | 受賞 |
| 1975 | 迢空賞 | 湧井 | — | — | 受賞 |
| 1975 | 亀井勝一郎賞 | 眩暈を鎮めるもの | — | — | 受賞 |
| 1979 | 平林たい子文学賞 | うつしみ-この内なる自然 | — | — | 受賞 |
| 1983 | 日本歌人クラブ賞 | 遊行 | — | — | 受賞 |
| 1985 | 読売文学賞 | この世この生 | — | — | 受賞 |
| 1985 | 芸術選奨文部大臣賞 | 惜身命 | — | — | 受賞 |
| 1986 | 野間文芸賞 | 島木赤彦 | — | — | 受賞 |
| 1987 | 日本芸術院賞 | — | — | — | 受賞 |
| 1987 | 紫綬褒章 | — | — | — | 受章 |
| 1988 | 川端康成文学賞 | 祝婚 | — | — | 受賞 |
受賞・候補エディション
-
第4回(1961年) 最優秀作受賞作: 逆縁
-
第6回(1968年) 受賞受賞作: 佐渡玄冬
佐渡の冬を背景に、土地の厳しさと人間の内面を重ねる歌集。医師でもあった作者の視線が、生と死、孤独と祈りを深く掘り下げる。
佐渡玄冬は、佐渡の冬を背景に、土地の厳しさと人間の内面を重ねる歌集。
短歌佐渡冬生と死
-
第9回(1975年) 受賞受賞作: 湧井
医師でもあった上田三四二の感覚を背景に、身体と自然、老いと生を見つめる歌集。抑制された言葉のなかに生命感を湧き上がらせ、迢空賞の対象となった。
『湧井』は、上田三四二の表現を受賞作として伝える作品です。
270ページ短歌身体自然老い
-
第7回(1979年) 受賞受賞作: うつしみ-この内なる自然
『うつしみ-この内なる自然』は上田三四二による作品で、1979-1回の受賞作として位置づけられる。
『うつしみ-この内なる自然』は、上田三四二の表現と受賞当時の文学的関心を伝える作品である。
文学賞人物時代
-
第10回(1983年) 受賞受賞作: 遊行
「遊行」は、japan-tanka-poets-club-awardの受賞作として記録されている作品です。受賞情報をもとに作品単位の項目を作成し、単行本識別子は確認できる公開書誌で未確認のため空欄にしています。
遊行。受賞記録に残る作品として、関連する書誌確認の起点になる一作です。
受賞作日本文学書誌確認
-
第35回(1985年) 受賞受賞作: 惜身命
自身も病を経験した上田三四二が、死病に向き合う知友の運命を描きながら、生のはかなさと人間の尊厳を見つめる小説です。静かな観照の文体で死生観を掘り下げます。
病と死を見つめる静かなまなざしが、生の尊さを浮かび上がらせます。
218ページ死生観病友情尊厳
-
第39回(1986年) 受賞受賞作: 島木赤彦
歌人・島木赤彦の生涯と文学を扱う評伝的作品。短歌史の中での位置づけと、人間としての赤彦の姿を重ねて描く。
歌人・島木赤彦の生涯と文学を扱う評伝的作品。
評伝短歌島木赤彦近代文学
-
第43回(1987年) 受賞受賞作: 評論、短歌と広汎な分野にわたる文学上の業績
『評論、短歌と広汎な分野にわたる文学上の業績』は、上田三四二の長年の芸術活動を対象とする顕彰名。個別作品に限らず、表現の成熟、分野への貢献、後進への影響を含む幅広い成果を示している。
『評論、短歌と広汎な分野にわたる文学上の業績』は、上田三四二の表現の特色が凝縮された文学上の業績である。
芸術業績表現継承
-
第15回(1988年) 受賞受賞作: 祝婚
『祝婚』は上田三四二による、人物の記憶や関係の揺らぎを通じて、時代や人生の陰影を描く作品です。受賞作として、題名が示す主題を軸に、読後に残る余韻を重んじた一作として位置づけられます。
『祝婚』は、短い題名の奥に人物、時代、土地の気配を重ねる作品です。
192ページ記憶家族時代喪失
作品
代表作
黙契
1955年 歌集眩暈を鎮めるもの
1974年 歌集この世この生-西行・良寛・明恵・道元
1984年 評論健康
-
大腸癌1966
-
膀胱癌1983
評価・遺産
昭和期を代表する短歌作家・文芸評論家の一人。医師としての経験と仏教的思索を背景に、短歌と随筆・評論を通じて死生観や日本語の根源的問題を探求し、多くの文学賞を受賞して短歌界に影響を残した。
引用
-
短歌は日本語の底荷だと思っている
出典: 『短歌一生』 (1987年)