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受賞作: スティル・ライフ
都会で働く若者の視線を通して、科学、宇宙、孤独、友情が透明な文体で結び合わされる中編小説。静物画のような題名の通り、目の前の事物を見つめることが世界の広がりへつながっていく。
スティル・ライフは、池澤夏樹の表現の核を伝える一作である。
187ページ都市生活科学と宇宙孤独友情
池澤 夏樹
いけざわ なつき
Ikezawa Natsuki
プロフィール
- 性別
- 男性
- 生誕
- 1945-07-07 (北海道 帯広市)
- 国籍
- 日本
- 言語
- 日本語
- 居住地歴
- 帯広市(出生) → 東京(1951年転居) → ギリシャ(1975–1978) → 沖縄(1993年移住) → フォンテヌブロー(フランス、2005年移住) → 札幌(北海道、2009年移住) → 安曇野(長野、2022年秋転居)
経歴
- 職業
- 小説家, 詩人, 随筆家, 翻訳家, 編集者
- 活動期間
- 1984年〜
- 所属
- 日本芸術院, 北海道立文学館(元館長), 河出書房新社(個人編集『世界文学全集』ほか)
- 所属団体
- 日本芸術院
- 影響を受けた人物
- クロード・レヴィ=ストロース
学歴
| 学校 | 学部 | 学科 | 学位 | 期間 | 国 |
|---|---|---|---|---|---|
| 埼玉大学 | 理工学部 | 物理学科 | — | 1964-1968 | 日本 |
受賞歴
| 年 | 賞名 | 対象作品 | 部門 | 主催 | 結果 |
|---|---|---|---|---|---|
| 1987 | 中央公論新人賞 | スティル・ライフ | — | 中央公論新社 | Won |
| 1988 | 芥川龍之介賞 | スティル・ライフ | — | 文藝春秋 | Won |
| 1992 | 小学館文学賞 | 南の島のティオ | — | 小学館 | Won |
| 1993 | 読売文学賞 | 母なる自然のおっぱい | 随筆・紀行 | 読売新聞社 | Won |
| 1993 | 谷崎潤一郎賞 | マシアス・ギリの失脚 | — | 谷崎潤一郎賞選考委員会 | Won |
| 1994 | 伊藤整文学賞 | 楽しい終末 | — | 伊藤整文学賞選考委員会 | Won |
| 1996 | JTB出版文化賞 | ハワイイ紀行 | — | JTBパブリッシング | Won |
| 2000 | 毎日出版文化賞 | 花を運ぶ妹 | 文学・芸術部門 | 毎日新聞社 | Won |
| 2001 | 芸術選奨文部科学大臣賞 | すばらしい新世界 | — | 文化庁 | Won |
| 2003 | 宮沢賢治賞 | 言葉の流星群 | — | 宮沢賢治賞選考委員会 | Won |
| 2003 | 司馬遼太郎賞 | 著作活動全般(『イラクの小さな橋を渡って』等) | — | 司馬遼太郎賞運営委員会 | Won |
| 2004 | 親鸞賞 | 世界文学を読みほどく / 静かな大地 | — | 親鸞賞選考委員会 | Won |
| 2005 | 桑原武夫学芸賞 | パレオマニア | — | 桑原武夫学芸賞選考委員会 | Won |
| 2007 | 紫綬褒章 | — | — | 日本政府 | Awarded |
| 2010 | 毎日出版文化賞(企画部門) | 『世界文学全集』編纂(河出書房新社) | 企画部門 | 毎日新聞社 | Won |
| 2011 | 朝日賞 | 2010年度の業績 | — | 朝日新聞社 | Won |
| 2020 | 毎日出版文化賞(企画部門) | 『日本文学全集』編纂(河出書房新社) | 企画部門 | 毎日新聞社 | Won |
| 2021 | フランス芸術文化勲章(オフィシエ) | — | — | フランス政府(文化省)/駐日フランス大使館 | Awarded |
| 2023 | 早稲田大学坪内逍遥大賞 | — | — | 早稲田大学 | Won |
受賞・候補エディション
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第41回(1992年) 受賞受賞作: 南の島のティオ
南の島に住む少年ティオが出会う人々と不思議な出来事を描く連作短編集。島の素朴な暮らしの中に、旅人、絵はがき、記憶、別れが静かに現れる。
南の島の少年ティオが、出会いのたびに世界の広さを知っていく。
285ページ児童文学島出会い連作短編
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第29回(1993年) 受賞受賞作: マシアス・ギリの失脚
南洋の島国ナビダードを舞台に、権力を握った大統領マシアス・ギリと、消えた慰霊団をめぐる出来事が神話的な広がりを帯びて進む長編。政治風刺、亡霊譚、冒険小説の要素が溶け合う。
南の島の噂と霊力が、独裁者の掌中にある世界を揺さぶる。
632ページ南洋の架空国家権力と神話政治風刺
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第5回(1994年) 受賞受賞作: 楽しい終末
『楽しい終末』は池澤夏樹による作品で、ito-sei-literary-awardの1994年回で評価された。作品名と著者名で単行本・文庫・収録書籍の有無を確認したうえで、確認できた範囲の作品情報を示す。
楽しい終末は、池澤夏樹の創作や批評の特色が受賞時に注目された作品。
受賞作1994年文学
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第54回(2000年) 受賞受賞作: 花を運ぶ妹
『花を運ぶ妹』は池澤夏樹による作品で、mainichi-publishing-culture-award/2000-1#0の対象作です。集英社、2020-10-23の刊行として確認でき、物語や詩歌、評論など各賞の領域に沿って読まれてきた一作です。
池澤夏樹の『花を運ぶ妹』は、受賞歴を通じて読み継がれる作品です。
受賞作日本文学作品評価 -
第64回(2010年) 受賞受賞作: 個人編集 世界文学全集(第1・2期)
池澤夏樹が個人編集として世界文学を選び直した全集企画。古典的名作から同時代文学までを新訳・精選で並べ、世界文学を固定した権威ではなく、いま読み直すべき生きた読書体験として提示した。
池澤夏樹の編集眼が、世界文学の読み方そのものを更新する全集企画。
世界文学翻訳全集編集 -
第74回(2020年) 企画賞受賞作: 個人編集 日本文学全集
池澤夏樹が個人編集した全30巻の日本文学全集。古典から近現代までを新訳・新編集で読み直し、日本文学を固定した canon ではなく、今の読者へ開かれた大きな流れとして提示する企画。
池澤夏樹が全30巻で編み直した、現代の読者のための日本文学全集。
日本文学全集古典新訳編集企画文学史
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第51回(2001年) 受賞受賞作: すばらしい新世界
『すばらしい新世界』は、旅、科学、文明論を往復しながら、二十一世紀を前にした世界の変化を見つめる池澤夏樹の作品です。好奇心と批評性が同居し、未知の土地や技術を通して、人間がどのような未来を選ぶのかを問いかけます。
世界の新しさに触れる旅は、未来を考えるための思索へ変わっていく。
723ページ文明論旅科学技術未来への問い
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第7回(2003年) 受賞
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第3回(2004年) 受賞受賞作: 静かな大地
明治期の北海道を背景に、開拓とアイヌ民族の歴史、土地に生きる人々の記憶を重ねる長編小説。個人の暮らしと大きな歴史の変化を静かな筆致で結び、近代化の陰影を描く。
『静かな大地』は、池澤夏樹による作品の核を、読者に届く物語や思考として結晶させた一作である。
688ページ北海道アイヌ民族開拓記憶
作品
代表作
スティル・ライフ
1987年 小説都市や家族の断片を通して現代文明と孤独を描く長編小説。
- La Vie immobile(仏訳、1995)
- Still Lives(英訳、1997)
- L'uomo che fece ritorno(伊訳、2003)
南の島のティオ
1992年 小説 / 児童文学南の海の島を舞台に、子どもと自然、文化の触れ合いを描く物語。
- TIO'S ISLAND(英訳、2010)
- Tio du Pacifique(仏訳、2001)
マシアス・ギリの失脚
1993年 小説権力や歴史の影響下で個人が翻弄されるさまを描く長編。中南米的な情景や政治的要素を含む。
- Aufstieg und Fall des Macias Guili(独訳、2002)
- The Navidad Incident: The Downfall of Matías Guili(英訳、2012)
花を運ぶ妹
2000年 小説家族と喪失、再生をめぐる物語。随所に自然描写と人間関係の細密な観察がある。
- A burden of flowers(英訳、2001)
- La sœur qui portait des fleurs(仏訳、2004)
- Schwere Blumen(独訳、2014)
静かな大地
2004年 小説文明と自然との関係を見つめる物語的エッセイ要素の強い長編。
また会う日まで
2023年 小説 / 伝記小説大伯父・秋吉利雄の伝記を基にした作品。家族史と個人史を織り交ぜる。
夏の朝の成層圏
1984年 小説デビュー作。旅と観察を基調にした物語。
全著作
- 塩の道
- もっとも長い河に関する考察
- 夏の朝の成層圏
- スティル・ライフ
- 真昼のプリニウス
- バビロンに行きて歌え
- 南の島のティオ
- マシアス・ギリの失脚
- 花を運ぶ妹
- 静かな大地
- また会う日まで
作家による翻訳
- ジェラルド・ダレル『虫とけものと家族たち』『鳥とけものと親類たち』『風とけものと友人たち』
- カート・ヴォネガット『母なる夜』
- ジョン・アップダイク『クーデタ』
- ジャック・ケルアック詩集(共訳)
- E・M・フォースターなどの短編・随筆
作品の翻訳
- スティル・ライフ(英・仏・伊など)
- マシアス・ギリの失脚(独・英)
- 花を運ぶ妹(英・仏・独)
- 南の島のティオ(仏・英)
作風・主題
- 文体
- 詩的な散文エッセイ的語り文明批評を含む随想的文章旅とフィールドワークに基づく記述
- 頻出モチーフ
- 海・島動物記憶と家族史自然と文明の対比移動・旅
評価・遺産
旅や自然、文明に関する考察を基軸にした多面的な著作群で知られる。作家・翻訳者・編纂者としての活動を通じて日本の現代文学と世界文学紹介に大きな影響を与えた。
記念館・博物館
- 北海道立文学館 札幌市(北海道)
関連学会
- 日本芸術院
大衆文化への影響
- 『スティル・ライフ』などが大学入試や教科書に採用される
引用
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たくさんの人が一人の人を非難している。その非難に根拠がないとしたら、もっとたくさんの人が立ち上がってその人を守らなければならない。
出典: 発言(負けるな北星!の会結成に関する声明) (2014年) -
ぼくが生まれて育ったのは北海道である。梅雨がないことで知られるとおり、最も乾燥した土地だ。フランスを離れて日本に帰ろうかと思った時、同じ空気の中に住みたいと思って、札幌に決めた。
出典: 週刊文春(発言記事) (2009年)
豆知識
- 出生名は福永夏樹で、後に池澤姓を名乗るようになった。
- 埼玉大学理工学部物理学科を中退して作家・翻訳の道へ。
- 娘の池澤春菜は声優として知られる。
- 河出書房新社で『池澤夏樹=個人編集 世界文学全集』全30巻を編纂した。
- 芥川賞の選考委員を1995年から2011年まで務めた。