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第67回(1972年) 受賞受賞作: 手鎖心中
『手鎖心中』は、井上ひさしによる作品。受賞時期の文学・出版状況を映し、題名が示す人物、場所、事件を軸にした表現が作品の核になっている。
『手鎖心中』は、受賞作として残る題材の強さと作者の視点を伝える作品である。
269ページ受賞作作品昭和期の文学作者の視点
井上 ひさし
いのうえ ひさし
Inoue Hisashi
プロフィール
- 性別
- 男性
- 生誕
- 1934-11-16 (山形県東置賜郡川西町(旧・小松町))
- 死没
- 2010-04-09 (神奈川県鎌倉市) 75歳
- 国籍
- 日本
- 言語
- 日本語
- 宗教
- カトリック(幼児洗礼、のち棄教) (洗礼名: マリア・ヨゼフ)
- 居住地歴
- 山形県東置賜郡川西町(小松町) → 仙台市(光が丘天使園など) → 代々木上原(上京期の在住) → 市川市(晩年) → 鎌倉市(死没地)
経歴
- 職業
- 小説家, 劇作家, 放送作家
- 活動期間
- 1964年〜2010年
- 所属
- 日本劇作家協会(理事), 日本文藝家協会(理事), 日本ペンクラブ(会長・第14代), 日本芸術院(会員), こまつ座(創設者)
- 所属団体
- 日本芸術院, 日本ペンクラブ(会長を歴任), 日本文藝家協会, 日本劇作家協会, 仙台文学館(初代館長)
- 影響を受けた人物
- 司馬遼太郎, 安部公房, 永六輔
- 影響を与えた人物
- 野田秀樹, 三谷幸喜, 蜷川幸雄, こまつ座関係者や若手劇作家一般
学歴
| 学校 | 学部 | 学科 | 学位 | 期間 | 国 |
|---|---|---|---|---|---|
| 上智大学外国語学部 | 外国語学部 | フランス語科 | 学士 | 1956-1960 | 日本 |
受賞歴
| 年 | 賞名 | 対象作品 | 部門 | 主催 | 結果 |
|---|---|---|---|---|---|
| 1972 | 岸田國士戯曲賞 | 道元の冒険 | — | 岸田國士戯曲賞選考委員会 | winner |
| 1972 | 芸術選奨(新人賞) | 道元の冒険 | — | 文化庁 | winner |
| 1972 | 直木三十五賞 | 手鎖心中 | — | 直木三十五賞選考委員会 | winner |
| 1980 | 読売文学賞(戯曲賞) | しみじみ日本・乃木大将/小林一茶 | 戯曲賞 | 読売新聞社 | winner |
| 1982 | 日本SF大賞 | 吉里吉里人 | — | 日本SF作家クラブ | winner |
| 1982 | 読売文学賞(小説賞) | 吉里吉里人 | 小説賞 | 読売新聞社 | winner |
| 1982 | 星雲賞(日本長編部門) | 吉里吉里人 | 日本長編部門 | 星雲賞運営委員会 | winner |
| 1986 | 吉川英治文学賞 | 腹鼓記/不忠臣蔵 | — | 吉川英治文学賞選考委員会 | winner |
| 1991 | 谷崎潤一郎賞 | シャンハイムーン | — | 谷崎潤一郎賞選考委員会 | winner |
| 1999 | 菊池寛賞 | 東京セブンローズ | — | 菊池寛賞選考委員会 | winner |
| 2001 | 朝日賞 | — | — | 朝日新聞社 | recipient |
| 2003 | 毎日芸術賞 | 太鼓たたいて笛ふいて | — | 毎日新聞社 | winner |
| 2003 | 鶴屋南北戯曲賞 | 太鼓たたいて笛ふいて | — | 鶴屋南北戯曲賞選考委員会 | winner |
| 2004 | 文化功労者 | — | — | 文化庁 | recipient |
| 2009 | 日本芸術院賞・恩賜賞 | — | — | 日本芸術院 | winner |
| 2010 | 読売演劇大賞(芸術栄誉賞) | — | — | 読売新聞社 | recipient |
受賞・候補エディション
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第17回(1972年) 受賞受賞作: 道元の冒険
禅僧道元と現代の患者を夢の中で交差させる戯曲。宗教、欲望、言葉の働きを喜劇的な仕掛けで揺さぶり、思想劇でありながら舞台上の運動感を失わない。
夢の内と外が反転し、悟りをめぐる問答は笑いと混乱を帯びていく。
383ページ禅夢欲望言葉遊び思想喜劇
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第22回(1972年) 受賞受賞作: 道元の冒険
禅僧道元と現代の患者を夢の中で交差させる戯曲。宗教、欲望、言葉の働きを喜劇的な仕掛けで揺さぶり、思想劇でありながら舞台上の運動感を失わない。
夢の内と外が反転し、悟りをめぐる問答は笑いと混乱を帯びていく。
383ページ禅夢欲望言葉遊び思想喜劇
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第33回(1981年) 受賞受賞作: 吉里吉里人
東北の一寒村・吉里吉里村が、日本からの分離独立を宣言し、独自の言語、通貨、政治、医療、農業を備えた国家として立ち上がる長編小説。笑いと方言の力で、中央集権、経済、農村、言語、国家のあり方を痛烈に問い直す。
「あんだ旅券ば持って居だが」から始まる、笑いに満ちたもう一つの国家建設譚。
834ページ独立国家東北方言中央集権批判農村言語と政治
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第2回(1981年) 受賞受賞作: 吉里吉里人
東北の寒村・吉里吉里村が、上野発青森行きの急行列車を止め、日本からの分離独立を宣言する。独自の言語、通貨、制度を掲げる小国家をめぐり、政治、経済、農業、医療、軍事までを巻き込む騒動が広がっていく、井上ひさしの長編風刺小説。
小さな村の独立宣言が、日本という国の矛盾を笑いと熱気で撃ち抜く。
834ページ風刺架空国家東北言語政治と生活
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第13回(1982年) 受賞受賞作: 吉里吉里人
『吉里吉里人』は、井上ひさしによる作品で、1982年前後の文学賞で評価された一作。題名が示す情景や主題を軸に、作者の関心と時代の空気を反映した作品として読むことができる。
井上ひさしの『吉里吉里人』は、受賞歴とともに読み継がれる作品である。
文学賞受賞作1980年代文学作者の主題意識
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第20回(1986年) 受賞受賞作: 腹鼓記、不忠臣蔵
『腹鼓記』は狸や狐、人間が入り乱れる奇想天外な長篇で、『不忠臣蔵』は忠義の物語を反転させる連作的な時代小説です。井上ひさしらしい笑いと批評精神で、歴史や伝説の型を組み替えます。
笑いと奇想によって、忠義や伝説の物語が別の角度から立ち上がります。
431ページ時代小説喜劇忠義の反転伝説
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第27回(1991年) 受賞受賞作: シャンハイムーン
魯迅の最期をめぐり、妻と臨終に立ち会った日本人たちを描く戯曲。滑稽さと哀切を行き来しながら、文学者と時代のつながりを浮かび上がらせる。
魯迅の死の床を囲む人びとの声が、歴史の重みを軽やかに照らす。
211ページ戯曲魯迅日中関係歴史
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第53回(1999年) 受賞
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第6回(2003年) 受賞受賞作: 太鼓たたいて笛ふいて
『太鼓たたいて笛ふいて』は、井上ひさしが林芙美子の後半生をたどる評伝戯曲です。戦意高揚に関わった作家が、敗戦を前に非国民扱いされ、戦後に戦争の実相と普通の人々の悲しみを書き続ける姿を描きます。
国家の物語に踊らされた作家が、戦後、普通の人々の悲しみを書き続ける。
180ページ戯曲林芙美子戦争責任評伝劇戦後
作品
代表作
ひょっこりひょうたん島
1964年 人形劇 / テレビ山元護久と共作したNHKの国民的人気人形劇。子ども向けの寓話風設定の中に時折風刺的な要素を盛り込んだ。
- [テレビ] ひょっこりひょうたん島(放映) (1964)
手鎖心中
1972年 戯曲江戸時代を題材にした戯曲で、1972年に直木三十五賞を受賞した作品。
藪原検校
1973年 戯曲1973年初演の戯曲。『雨』『小林一茶』とともに井上の『江戸三部作』の一作とされることがある。
吉里吉里人
1981年 小説 / SF的要素を含む長編架空の国『吉里吉里国』を舞台に、言語や文明、国家と市民の関係を描いた長篇。日本SF大賞・読売文学賞などを受賞した。
四千万歩の男
1986年 小説様々な歴史的・風俗的要素を織り込んだ長篇。井上の歴史観や人物描写が反映された作品群の一つ。
父と暮せば
1994年 戯曲広島の原爆投下を主題の一つとした戯曲。家族と喪失、記憶を扱う深い作品。
- [映画] 父と暮せば(映画化) / 黒木和雄 (2004)
全著作
- ひょっこりひょうたん島
- 手鎖心中
- 藪原検校
- 新釈遠野物語
- 吉里吉里人
- 四千万歩の男
- 父と暮せば
- 東京セブンローズ
- モッキンポット師の後始末
- 青葉繁れる
- 四十一番の少年
- イサムよりよろしく
- 新東海道五十三次
- 熱風至る(未完)
翻案
- ひょっこりひょうたん島(テレビ放映)
- 父と暮せば(映画化 2004年、黒木和雄監督)
- ムサシ(舞台・海外公演)
作風・主題
- 文体
- 軽妙で言語感覚に鋭い文体ユーモアと真面目さを併せ持つ表現
- 頻出モチーフ
- 言葉・日本語に関する考察広島・原爆の主題昭和の庶民生活歴史とパロディ
健康
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吃音症幼少期子供の頃に発症し対人スピーチに影響があったが創作活動に転じた
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円形脱毛症幼少期孤児院時代のストレスなどに伴う症状として記録されている
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うつ / 自殺未遂1985(自殺未遂)1985年に自殺未遂を行い、その後も創作活動と治療を続けた
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肺癌2009-20102009年に肺癌と診断され、2010年に死去した
評価・遺産
演劇と小説の両面で日本を代表する作家の一人。言語に対する深い造詣とユーモアを併せ持つ作風、こまつ座を通じた戯曲上演の実践、遅筆堂文庫への蔵書寄贈など資料収集と教育活動でも知られる。
記念館・博物館
- 遅筆堂文庫 山形県東置賜郡川西町 1987年開館
関連学会
- 日本芸術院
- 日本劇作家協会
- 日本文藝家協会
- 日本ペンクラブ
資料所蔵先
- 遅筆堂文庫(蔵書寄贈)
- こまつ座(劇団資料)
大衆文化への影響
- 『平成狸合戦ぽんぽこ』など映像作品への資料協力
- 『父と暮せば』は映画化され広く知られる
引用
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難しいことを易しく、易しいことを深く、深いことを愉快に、愉快なことを真面目に書くこと。
出典: 井上自身の創作モットー(発言・随筆等) -
やはり肺がんとたばこには因果関係があるんだね。さすがに禁煙したよ。
出典: 2009年の療養・報道における発言 (2009年)
豆知識
- 自称「遅筆堂」として知られ、極度の遅筆で有名だった。
- 幼少期にラ・サール会の孤児院『光が丘天使園』に預けられ洗礼を受けた(洗礼名:マリア・ヨゼフ)。後に棄教。
- 1日に40本の喫煙を公言していたが、肺癌診断後に禁煙した。
- 1985年に自殺未遂をしているが、その後も創作活動を継続した。
- 蔵書を山形県川西町に寄贈して遅筆堂文庫を開設した。
- 没後、代表作『吉里吉里人』にちなんで命日を『吉里吉里忌』と称する慣習がある(2015年より)。