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55 件の新刊

最後の皇帝と謎解きを
宝島社

最後の皇帝と謎解きを

犬丸 幸平

1920年、中国。北京在住の日本人絵師・一条剛は、清朝最後の皇帝・溥儀(ふぎ)に水墨画の師として雇われる。だが溥儀には秘めた目的があった。紫禁城に眠る水墨画を贋作にすり替えて真作を秘密裏に売却し、清朝復興の資金を調達するというのだ。やがて宦官のひとりが密室で不審死を遂げ、龍の絵に何者かが目を描き加え、ある宦官が感情を失うという怪事が続発する。齢十八の絵師と十五歳の少年廃帝は、謎を解き明かすうちに身分も国も超えた友情を育んでいく。

摂氏千度、五万気圧
早川書房

摂氏千度、五万気圧

関元 聡

深刻な高温化により人類がほぼ絶滅した数百年後の地球を舞台にした、灼熱地球のポスト・アポカリプスSF。異星人「救済者」が設置した密閉ドーム「コクーン」で生き延びる技術者エリー、高温環境に適応進化した女系民族〈結晶の民〉の娘アサヒ、一族を失い人類殲滅を決意するユズリ――過酷な環境を生き抜く者たちの罪と復讐の物語。

BOXBOXBOXBOX
河出書房新社

BOXBOXBOXBOX

坂本 湾

宅配所で箱を仕分ける作業員・安が、ある箱の中身を覗き見たことから、次々と箱が消えていく。顔なき労働者たちの倦怠と衝動を描くベルトコンベア・サスペンス。「私」であることを求められない労働の中でいかに「私」を保つかを問い、時代の息苦しさを暴き出すデビュー作。

夢詣 (角川ホラー文庫)
KADOKAWA

夢詣 (角川ホラー文庫)

雨宮 酔

精神科医の紙森千里は、「死に至る夢」を見たと訴える患者の相次ぐ不審死に直面する。悪夢は彼女自身にも「感染」し、謎の儀式に参列する夢を見始める。一方、都市伝説〈呪夢〉を追うオカルトライターの伊東壮太は、死亡した同業者のメモ「鍵は夢詣」からある孤島の奇妙な祭祀の存在を知る。二つの調査線が孤島の忌まわしい因習に交差するとき、「死の順番」が迫ってくる。第45回横溝正史ミステリ&ホラー大賞〈読者賞〉受賞作。受賞時タイトル「夢に棲みつくもの」を改題・改稿して刊行。

砂上の王国
角川春樹事務所

砂上の王国

坂井 のどか

七世紀、シルクロード交易の要衝に位置する小国・高昌国。大国の唐か強大な西突厥か、いずれかに従うことを迫られる中、第一皇子・麴智盛は西域の国々が手を取り合って生き抜くべきだと考えていた。しかし父王は西突厥との同盟を選択し、小国の命運は風前の灯となる。誇り高き皇子とその兄弟たちの熱血歴史ロマン。

うたかたの娘
KADOKAWA

うたかたの娘

綿原 芹

若狭の港町に伝わる人魚伝説を舞台に、「圧倒的な美しさ」をめぐる怪異と人間の業を描く連作短編集。高校時代に「私、人魚かもしれん」と秘密を打ち明けた同級生・水嶋の記憶とともに、人魚の血がもたらす美貌と呪いの連鎖が四つの物語で紡がれる。ミステリとホラー両面を備えた著者・綿原芹のデビュー作。

降りる人
KADOKAWA

降りる人

木野 寿彦

心身ともに疲弊して仕事を辞めた30歳の宮田は、唯一の友人である浜野から、期間工は人と接することが少なく「人間だとは思われない、ほとんど透明」な仕事だと聞き、浜野と共に工場で働くことに。絶え間なく人間性を削り取られるような境遇の中、気付けば人間らしい営みを求めるようになっていく宮田だったが、実はある秘密を抱えており――。第16回小説野性時代新人賞受賞作。

白鷺立つ
文藝春秋

白鷺立つ

住田 祐

江戸後期の比叡山延暦寺を舞台に、「失敗すれば死」とされる千日回峰行という過酷な修行に挑む二人の僧侶の物語。帝の血を引く秘密を抱えた師・恃照と弟子・戒閻は、同じ出生の秘密を共有しながらも手を取り合うことなく激しく相克し合う。圧倒的な資料調査に基づく寺院描写と、承認欲求や憎悪といった生々しい人間感情を修行の場に重ね合わせた本格歴史エンターテインメント小説。

殺し屋の営業術
講談社

殺し屋の営業術

野宮 有

営業成績第1位の敏腕営業マン・鳥井が、殺人請負会社の営業担当として生き残りを賭けるジェットコースター・ミステリーです。殺しの現場に居合わせたことをきっかけに、2週間で2億円という無茶なノルマを課され、営業トークと機転だけを武器に殺し屋相手の商談へ飛び込んでいきます。

アザミ
講談社

アザミ

綾木 朱美

新聞社で校閲者として働くアザミ。同僚とは遠慮にまみれた会話しか交わさず、空き時間はSNSとニュースサイトのコメント欄に没入する。たまに会う友人とは話が弾まず、夢見が悪く、頭痛も絶えない。そんな無味乾燥なアザミの日常は、炎上するアイドル「ミカエル楓」の存在を知って一変する。私もこの人を、「嫌い」になるのはどうだろう――? SNSに依存し、他人のコメントに扇動され、炎上に心ときめく現代人の姿を鋭く描いた「逆」推し事小説。ネットにとらわれて生きる「いま」を高純度で描く令和の日常系文学。

打席に立つのは-Sogen SF Short Story Prize Edition- 創元SF短編賞受賞作
東京創元社

打席に立つのは-Sogen SF Short Story Prize Edition- 創元SF短編賞受賞作

高谷 再

誰もが頭の中に〈電化脳〉を持つことが当たり前となった近未来。県立高校の野球部三年・桐山は打席に立つと腕がこわばるイップスに悩んでいた。ある日、同学年の女子マネージャー・中村から意識交換アプリの使用を持ちかけられる。非認証ながら、見つめ合った者同士の意識を入れ替えられるというそのアプリで、中村は「自分が桐山に代わり打席に立つ」と申し出る。かつて非凡な才能を持ちながら女子の大会出場規定でマネージャーに転じた中村と、イップスを抱えた四番打者の桐山が、互いの「身体」を通して相互理解を深めていく青春SF。

観覧車を育てた人-Sogen SF Short Story Prize Edition- 創元SF短編賞受賞作
東京創元社

観覧車を育てた人-Sogen SF Short Story Prize Edition- 創元SF短編賞受賞作

雨露 山鳥

二度の〈育鉄革命〉を経て、製鉄植物クロガネソウによる「育鉄」が普及した世界。九〇年代初頭の日本。科学雑誌のライター・小池は、故郷の金沢で廃業した遊園地を買い取り、ひとりで十年かけて観覧車を育て上げた男・八木光一郎に取材を申し込む。誰も乗らない観覧車をなぜ育てたのか。問われた八木は、クロガネソウ研究にまつわる意外な家族の歴史を語り始める。